第52弾:選手がみせた、その横顔 42

Inside the RICOH BlackRams

2012.08.03

 リコーブラックラムズ(リコーラグビー部)を支える選手たちの、ラガーマンとしての思いや、これまでのキャリアに関するエピソードをご紹介します。リコーというラグビーチームは、彼らの個性と歩んできた道程、積みあげてきた経験が混ざりあって、今の姿があります。

良い縁があってこそ、今の自分がある。これに感謝して真摯に取り組む。(大山大地)

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 チームで最も競争が激しいといっていいだろう。

リコーブラックラムズのLO陣の一人。一見おとなしい印象を受けたが、こちらのどんな問いにも熱心に答えてくれた。その語りは、とてもわかりやすい。相手のことを気遣って話す口調は、彼の性格そのものだ。

「リコーに入って、1年目は慣れるのに精一杯でした。自分というものをうまく出すことができませんでしたし。2年目は怪我との向き合い方を学んだ年でした。練習を休まなければならない怪我は初めての経験で、もちろんリハビリも初めてでした。色々な人に相談し、その結果、怪我してしまったものは仕方ないと割り切って考えることができました。今年で3年目。"勝負のとき"です。自分はフィールドプレーが強みです。セットプレーでは、まだ自分のサイズを活かしきれていない。このことは今シーズンの最重要課題。全体練習でも個人練習でも、この克服に取り組んでいます」

出身高校は、バスケットボールで有名な秋田・能代工業高校。サイズもあり、また中学でバスケットボールをしていた大山は、なぜここでラグビーを選んだのであろうか?

「そうですよね(笑)。高校入学前は、ラグビーかバスケットボールのどちらに入部するかは、半々というところでした。合格発表の日に、当時のラグビー部監督である成田先生に声をかけていただきました。これがラグビー部に入るきっかけです。
お世話になった成田先生は2年生のときに他校に転任されました。新しくラグビー部の監督になったのは伊東先生です。3年生の時の花園予選では、実は怪我をしていましたが、『ウチは大山のチームだから』と伊東先生に仰っていただき、満足なプレーはできませんでしたが出場できました。そのときの対戦相手の大館鳳鳴(おおだてほうめい)高校は、実は成田先生の転任先の学校だったんです。恩返しの意味も込めて勝ちたかったですけど敗れ、高校ラグビーを終えました。いま、リコーでラグビーを続けていられるのは、この2人の先生方との出会い、指導などがあったからだと思っています」

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 取材前に、チームスタッフに大山の印象を聞くと、皆が『地域のラグビースクールを招いたイベントで、彼の子供への教え方のうまさに舌を巻いた』と口を揃えた。

「子供さんへの接し方って、なんというか独特だと思います。少し年齢が違うだけでその特性が違うので、教え方を使い分けしています。幼い頃、父がスポーツ少年団で指導をしていて、ここが私のラグビーを始めた場所でもあるのですが、その父の指導する姿を見て感じていたことかもしれません。

東京に親戚がいるのですが、上京してからその親戚の子供の遊び相手をよくしていて感覚を掴んだように思います。例えば戦隊モノごっこをしていて、簡単にやられているだけだと、子供って飽きちゃうんですよね。そこで、"ここでこうする"といったルールをつくると楽しんでくれました。とにかく小さい子は競わせると、もの凄い集中力を発揮する。小学校の高学年は特に、ちょうどラグビーがうまくなりたいと思い始める年頃だと思うんです。ひとつ上のスキルを教えると喜んでくれますネ(笑)」

その影響を受けたという父やご家族について、もう少し話を聞いた。

「父はとても人あたりの良い人で、私にとって良い父だと思っています。リコー総合グラウンドでのオープン戦には東北から日帰りで足を運んでくれたのは嬉しいのですが、監督やスタッフの皆さんに挨拶してまわるのは、恥ずかしかったですね(笑)。
姉が一人います。実家に住んでいるのですが、親のことはすべて姉に任せてしまっています。申し訳ないなと思うと同時に、お陰でいま自分がラグビーに集中できていることを姉には感謝しています」

そんな大山は、オフは一人で過ごすことが多い。
それも少し風変わりな過ごし方で。

「一人で量販店めぐりが趣味。家電に囲まれていると、"力を吸い取られる"感じが(笑)。実はその感じがちょっとした息抜きになっています」

大山に、社業について質問すると、こう答えてくれた。

「商品管理に使用する計測器管理です。この計測器の検査など、その進捗状況をレポートするのが私の担当です。そのなかで、従来の業務プロセスの見直しなど自分が考えるべきことは多くあると思っています。顧客起点というリコーのビジネス展開の考え方を自分なりに工夫して、会社に貢献したいと考えています。いつも職場の方からは、いろんな面で配慮いただいています。オフには飲み会に誘ってもらったりしました」

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―― 最後に今シーズンの意気込みを聞かせてください。

「そうですね・・・。リコーってスタジアムでの応援が他チームよりすごいですよね。
ラグビーに慣れ親しんだ人が大勢いて、ブラックラムズを理解してくれている。最高の応援を受けて、今シーズンは、ぜひフィールドに立ちたい」

出逢った人たちとの縁を人一倍大切にする大山。
皆に日々感謝しながら仕事に、ラグビーに活躍中だ。

今シーズンは、レギュラーを勝ち取ると宣言。
大山大地に、ぜひ注目ください!

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