第45弾:選手がみせた、その横顔 35

Inside the RICOH BlackRams

2012.06.15

 リコーブラックラムズ(リコーラグビー部)を支える選手たちの、ラガーマンとしての思いや、これまでのキャリアに関するエピソードをご紹介します。リコーというラグビーチームは、彼らの個性と歩んできた道程、積みあげてきた経験が混ざりあって、今の姿があります。

リコーには、殻を破る寸前の若手がたくさんいる
でも、彼らに負ける気はまったくない(生沼知裕)

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 リコーに移籍して4年目のシーズンを迎える生沼知裕。

今シーズンで31才を迎えた。フォワードでは前キャプテンの滝澤佳之に次ぐ年齢。同じ大東文化大学出身で年齢も同じ相 亮太、山本健太らとともに、チームの精神的な柱を担う。

「リコーの若手は、アピールしようって意識は強いですね。春から見せていこうという勢い。私からは、待ってよ、慌てんなよって(笑)それは冗談で、自分は負ける気はまったくないですけど、いつも一緒に練習しているフォワードの若手は能力の高い選手ばかりだと感じます。(昨シーズン、ルーキーながら出場を重ねた)柳川(大樹)? そうですね。あいつは、いい意味で王道を突き進んでいるところがいい。全然物怖じしないでしょ(笑)」

昨シーズンは、若手に交じってサテライトの試合にも出場するケースが多かった。だが、「トップリーグに出場したいという気持ちはプレーで見せろ」というメッセージを、同級生の相などシニアプレーヤーとともに、〈背中〉で伝え続けた。試合に出られない選手たちのフラストレーションを、ポジティブな方向に向かわせるために大きな役割を果たした。「若手が成長するにはぶつかる壁が必要。自分たちが乗り越える壁になっていかないといけない」

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 生沼は31才を迎えて、将来を考えることもある。

「ラグビーへの恩返しももちろんだけど、まずはサポートを続けてくれてきたリコーや職場の方々に恩返しをしたいという気持ちが強い。自分は営業職ですが、少し前に全国の営業職の社員が集まる研修に参加したんです。そこで自分と多くの同世代の社員と出会って、みんな現場で揉まれていてすごいなって感じたことがあります。いま自分は、ラグビー部員ということでサポートしてもらっているけど、引退後、彼らのような働きができるのか。それはラグビーと同じぐらいやりがいのあるチャレンジに映るんです。

もちろん、仕事を頑張ることは今からできること。同じ世代で、自分よりもリコーでの社歴の長い選手が何人かいるが、彼らは重要な仕事をまかされている。ラグビーと仕事を両立して頑張っていて本当に素晴らしいと思う。日々、刺激を受け続けている」

大きな身体を見た瞬間、ラグビー部? と聞かれ、名前を覚えてもらえる恵まれたお客様に育ててもらいながら、営業職の面白さを知った生沼。「周囲からも向いていると言われるし、自分でもそう思う」。社業へのチャレンジでも、後輩たちにメッセージを発していく存在を目指す。

「気分転換ですか? 実は『靴』が好きなんです。よく買いに行きますね。女の子みたいですけど、ウインドウショッピングはとても好きなんですよ。それから、きつい練習をやった後とかは、気分転換のつもりで選手のみんなとラーメンを食べに行ったりします。
でも、気分転換のためなのに選手同士で一緒に食べに行くと、気づけばラグビーの話をしているんですよね。自分もみんなも頭の中にはいつもラグビーがあるんですね。まあ、そうやって話すのもまた楽しい。ラーメンは、体調管理を考えて二週間に一度に減らそうって話が出ているんですが、誰かこの会に加わってもらえるとうれしいな(笑)」

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 誰よりもチームの後輩や仲間、そして仕事のことを考えている選手の一人である生沼。今シーズン、これまで積み重ねた多くの経験を必ずやチームの力として発揮してくれるに違いない。生沼のプレーは、殻を破る寸前の若手選手のためにも貴重な存在だ。

  • 生沼知裕選手のプロフィールはこちら

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