第22弾:選手がみせた、その横顔 12
Inside the RICOH BlackRams
2011.11.29
リコーブラックラムズ(リコーラグビー部)を支える選手たちの、ラガーマンとしての思いや、これまでのキャリアに関するエピソードをご紹介します。リコーというラグビーチームは、彼らの個性と歩んできた道程、積みあげてきた経験が混ざりあって、今の姿があります。
わからないことだらけの日々。(後藤悠太)
「どうしてだろう?」
「何でそうなったんだろう?」
「考えても、考えてもわからない、う~ん」
身のまわりの些細なことがとても気になるし、わからないことがあると知りたくて、知りたくて仕方がない。でも器用とは決して言えないほう。だから、知りたいことの解答にたどり着くまでたくさんの時間を費やしてしまう。
「何ごとにも丁寧に取り組んでみたい。惰性は嫌です。納得いかないことが、とにかく苦手です」
さまざまな出来ごとを、流れに任せてわからないまま通り過ぎたら、その先は、もっと不透明になってしまう。いろいろな出来ごとに対してとっても失礼だと感じる。そんな意志や責任感を持ち合わせている。「でも僕の周りは、日々わからないことだらけです。結局、自分の勉強不足なんですけれど」。
アンテナを高く張り、好きになったものにはこだわり抜く、いまどきの20代男子の代表格かもしれない。好き嫌いがはっきりしているのだ。
民間の営業担当としてリコー本社に勤務する後藤悠太は、今年で入社4年目。ずいぶん会社のこともわかってきた。持ち前の明るい性格で、学生時代からの人気者。いまでも職場では上司、同僚からの信望が厚い。もちろんグラウンドでも同じだ。
そんな人気者の悠太の好奇心は、趣味にも波及する。
趣味は、小さなころから「旅」だという。
でも名所や観光地、景観などを訪れるだけの「旅」では無い。
これまでみたことない景色を見渡したり、その場の空気を感じたり、それまで未知の経験だったことに自分のなかで決着をつけるために「旅」をする。
大学3年時。
ラグビー部夏練習のOFFを利用し、仲間と二輪バイクを駆って北海道を一周したことがあった。千歳~富良野~美瑛~旭川~稚内と道央から道北に抜け、道東にまで足を伸ばす。3日間ひたすら走り続ける。 自分の知らなかったことが次々に目に飛び込んでくる毎日。好奇心を満たした経験だった。このとき、ひとつの「旅」の目的は達成した。
現在、26歳。
生活の大半は、ラグビーとともにある。
悠太のラグビー歴は、小学校入学と同時に、出身地の大分県で大分ラグビースクールに入ったことから始まる。
3つ年上の兄(翔太さん/元神戸製鋼ラグビー部SH)がラグビーを習っていたから一緒についていった。中学、高校、大学、社会人まで兄を追いかけてラグビー漬けの生活をしてきた。「好奇心旺盛な自分にとって、言葉では無くて、実体を持って自分を高みに引き上げてくれるものがラグビー。練習も、試合もすべてです。わからないことだらけの自分に、気づき、考えるための機会をたくさん与えてくれます。ラグビーは生活そのものです。もちろん、仕事もですが(笑)」
最近、休みにはまっている楽しみがある。
約1年前に購入した乗り物、自転車(小径タイヤのミニベロ)だ。
「クルマだと面白いものを見逃してしまう。バイクだと綺麗な景色に気づくけれど、止まれないで通り過ぎてしまう。歩いていると、遅すぎてたどり着けない……。その点、自転車は、目で追う景色のスピードがちょうどいい。いつでも自由に止まれて、いくらでも堪能出来る。楽しいですよ(笑)」
"遅い"乗り物・ミニベロにはまっている悠太。好奇心旺盛な彼は、充実したON(仕事、ラグビー)に加えて、楽しくてたまらないOFFを過ごしている。