第20弾:選手がみせた、その横顔 10

Inside the RICOH BlackRams

2011.11.14

 リコーブラックラムズ(リコーラグビー部)を支える選手たちの、ラガーマンとしての思いや、これまでのキャリアに関するエピソードをご紹介します。リコーというラグビーチームは、彼らの個性と歩んできた道程、積みあげてきた経験が混ざりあって、今の姿があります。

試合に出られるか。いいプレーができるか。皆、自分次第(マイケル・ブロードハースト)

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 タックルで倒れた選手に迫り、ボールを奪い獲るプレー"ジャッカル"。マイケル・ブロードハースト(ブロードハースト)は、昨シーズンこのプレーの数でチームNo.1、トップリーグ全体でも第4位を記録した。ディフェンスからアタックへ、試合の局面が変わる場面に数多くからんだ彼に、頼もしさを感じたことはじつに多かった。

日本でプレーするようになって今シーズンで3年目。25歳のブロードハーストは、チームの外国人選手でも最年少の若手の一人だ。

「日本に来る前は牧場で働きながらクラブチームでプレーしていました」
農業が基幹産業であるニュージーランドに住む両親は、アボカド農園を経営していた。ブロードハーストにとって農業は身近な仕事。高校を卒業すると同じ仕事に就くことを決めた。ただ、「アボカドより羊や牛の世話をするほうに興味があった」ため、外の牧場に勤めることになった。

ラグビーは、クラブチームに所属しアマチュア選手として取り組んだ。牧場では力仕事が多くタフ。「ラグビーよりきついことだってあったよ(笑)」。仕事とトレーニング、双方で鍛え抜かれた身体を武器に、NPC(ニュージーランドの国内リーグ)2部チームなどでプレーし頭角を表していく。

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 転機が訪れたのは5年目。22歳の時だ。ブロードハーストに日本からのオファーが届いたのだ。
「年齢的にも、海外に出て挑戦するのにはいいタイミングかなと。日本のラグビーはテレビで観たことがありましたが、自分がプレーすることになるとは思ってもみなかった」

日本でプレーして感じたのは、とにかくスピード。そしてタックルの低さだ。「僕のヒザが頭にぶつかるのも恐れず、勇気を持って次々とタックルしてくる。最初は戸惑いました」

生活面で慣れるのには少し時間がかかったようだ。住んでいたのは人口が500人くらいの小さな町だったというから、やむを得なかろう。
ニュージーランドにいた頃は、アウトドアな趣味が多かったという。ウェブサイトのプロフィール欄には、サーフィンや釣り、トライアスロン、ハンティングとまである。

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「ハンティング? うん。イノシシや鹿を、猟犬たちと一緒に、ライフルを使ってね。そういう趣味は東京ではできないけれど、ニュージーランドに戻ったらまたやりたいと思っています。自然や動物が好きなので。いつの日かラグビーを辞めたら、もう一度牧場で働きたいとも考えています。将来、自分の牧場を持つことは夢のひとつ。
もちろん今は、ラグビーに集中しています。できるだけ長くプレーしたい。牧場の夢はどこにも逃げないから、ずっと先でいい(笑)」

チームには新外国人選手が加わり、競争は熾烈になりつつある。だが冷静だ。
「自分次第。今、メンバーに入るには、全員が努力しないといけない。そういう環境はチームに必要なもの」

リコーにとって頼れる25歳。切磋琢磨がチームにもたらす効果を感じながら、自らの身も、すすんで競争の中に置こうとしている。今シーズンのブロードハーストのプレーに注目したい。

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