【Review】第18節 vs.三重ホンダヒート

2025.05.16

今季最多11トライで三重Hに雪辱。リーグワン最高タイの7位でフィニッシュ

今季最終戦となったリーグワン第18節。8位のリコーブラックラムズ東京(BR東京)はホストとして、東京・秩父宮ラグビー場で11位の三重ホンダヒート(三重H)との一戦に臨んだ。前日までの試合結果により、勝利すれば最終順位を7位に上げることができる状況で迎えたゲームは、BR東京が強いボールキャリーを軸とした攻撃で好機をつくり続け、67-22(前半21-5)と引き離しストロングフィニッシュした。

前節の激戦での負傷者、イエローカードの蓄積からの出場停止が生じ、メンバーには入替が発生。LO山本嶺二郎、FL山本秀、WTBロトアヘアアマナキ大洋が先発出場の機会を掴み、リザーブには入団後初のメンバー入りとなるWTB高本とむ、またSH山本昌太、FL湯川純平らが名を連ねた。

BR東京は試合開始から積極的にフィジカリティを前面に出して攻め、ダイレクトプレーで相手ディフェンスにプレッシャーをかけていく。連携の乱れも見受けられたが、それを素早くカバーするよいリアクションをみせた。

前半6分に敵陣ラインアウトからモールを組み展開。左から右へとフェーズを重ねながらボールを運び、右のエッジでパスが乱れたものの、こぼれ球を確保し直したFBアイザック・ルーカスが抜けて右隅にトライ。しかし12分、クイックスローインから攻めたBR東京が敵陣でこぼしたボールを拾った三重Hが逆襲。左サイドで足に掛けた11番が押さえてトライを奪われ、7-5とされた。

BR東京は敵陣深くに入るもミスでアタックが途絶えるシーンが続いたが、23分に敵陣ラインアウトから強いボールキャリーを繰り返すアタックでフェーズを重ね、NO8ファカタヴァアマトが右中間にトライ。その後、わずかにディフェンスのコネクトが緩んだがなんとかしのぐと31分、自陣に蹴り込まれたボールを追ったSO伊藤耕太郎が反転、CTBアマナキ大洋にパスすると乱れていた守備網を突破。トライエリアに達した。21-5として前半を終える。

後半はトライラッシュに。開始直後、ハーフウェイ付近でのキックキャッチからアタック。左右に振りながらフェーズを重ねると、中央をFL松橋周平が突破。右に展開しWTBメイン平が仕留める。長いアタックを成功させてノーホイッスルトライとなった(後半3分)。

6分にラインアウトからアタックを浴び、裏に転がされたキックを11番に押さえられ2つめのトライを許したが、9分、16分にラインアウトモールで2トライを返し36-12とする。後半15分頃の攻防で三重Hにイエローカードが出たが、数の不利を背負いながらもうまく戦われ、24分にバックスペースへのキックを再獲得され14番がトライを決め36-17。

ここからBR東京が猛攻。28分、29分、33分、35分と約10分の間に4トライを奪う。WTB髙本の鋭いランやFL湯川のラインブレイク、この試合でリコー100キャップ(※)を達成したSH山本昌太のサポートプレーからのトライなど、出場機会を掴んだ選手たちが躍動した。1トライを許した後、終了直前の後半40分、CTB池田悠希がパスをインターセプトしてトライ。今季一貫性のあるプレーでチームを支えてきた池田が、最後の最後まで集中力を途切れさせず試合を締めた。

プレーヤーオブザマッチにはNO8ファカタヴァアマトが選出。この勝利で最終成績は6勝12敗、勝ち点を33とし7位に。リーグワン2022-23シーズンに記録した過去最高順位に並ぶ順位でシーズンを終えた。

※BR東京の選手としてのトップリーグ、リーグワンのリーグ戦への出場に、プレーオフトーナメントや入替戦などへの出場も含めたキャップ数

各選手の〈自信〉についてよく言及していたTJ・ペレナラ

「今日は全然完璧ではなかったですし、ミスもありました。でも、やり続けた。やめなかった」

SH TJ・ペレナラは今季最後の試合を終え、そんな言葉を残した。うまくいっても、いかなくても、そこに留まらず次の仕事に向かっていったチームの姿勢を評価した。

今季は悪い流れを断ち切れずに終わった試合が本当に少なかった。第9節のBL東京戦(44-45)、第12節の静岡BR戦(25-31)、第16節の埼玉WK戦(21-27)など、リードを奪われながらも反撃し、あと一歩まで迫る試合が何度もあった。どんな状況でも、やり続けようとするマインドがチームに醸成されてきたことを印象づけるゲームが続いた。

そのマインドを支えていたのは、試合を重ねる中で選手たちがうかがわせるようになった自信だ。第12節の静岡BR戦の終了後、7-24で終えた前半について、“うまくいかなかったもの”という想定で振り返りを求めてしまったとき、SO中楠一期に少し強い口調で返されたのを思い出す。

「別にうまくいかなかったとは思っていなくて。あれだけ強い風下なんで。まあ、ラグビーでは風下で17点ビハインドは全然普通のことなので。特に何も思っていなかったです」

言葉に垣間見えるような強い気持ちが、チームに打たれ強さをもたらし、苦しい状況に陥っても、本来のラグビーへと引き戻す力を生み出していた。

SHペレナラは、チームをつぶさに観察し、選手たちの自信がいかほどかを常に推し量っていたようにも見えた。第15節のトヨタV戦の後には、FBメイン平に対しこんな言葉を贈っている。

「彼が発している自信というのはチームに伝わっていくようなところがある。先週か先々週か、彼が試合の終盤でペナルティゴールを外したシーンがあったと思うのですが、それで自信を失ったり動じたりすることはなくて、ボールを求めていたし積極性を全く失わなかった。彼の自信というのはすごいなと思っています」

だが、今季は叶わなかったプレーオフ進出、さらにその先を目指すには、この自信をさらに揺るがないものにしていく必要があるともペレナラは指摘する。

「このチームは戦えるっていうのを強く信じられるように」

「これからのことを考えるととても楽しみです」(SHペレナラ)

試合の後半では、WTB高本とむ、FL湯川純平、SH山本昌太という今季初めてピッチに立った選手がトライに絡む働きを見せた。試合後、3人は試合に出場できない日々に取り組んだこと、考えていたことを語ってくれた。HO大内真も彼らにリスペクトを込めて言う。

「出ればすごい活躍をする。そういう選手がいる。誰もが日頃の準備をしっかりやるというのが、チームの文化のようなものになって、かたちになってきていると思います」

ある時期、試合に出るチャンスが回ってきていなかった選手が、こんな気持ちを吐露してくれたことがあった。

「なんで自分を試合に出さないんだって思いますよ。ふざけんなって(笑)。でも、次の試合は絶対に自分が選ばれるんだって思ってやってます」

悔しさはある。だが腐らず、まずは自分が自分を信じる。そんな姿勢を保てるタフな選手たちがBR東京には多くいることを強く感じたシーズンでもあった。また、そうしたマインドの震源にNO8ネイサン・ヒューズの姿があったことも記しておきたい。

選手たちが前を向けるような環境をつくってきたコーチやスタッフたちの関わり方にも感銘を受けた。タンバイ・マットソンヘッドコーチのもとで新任、留任、立場の異なるコーチが互いの意見を尊重しながら融合し、ベストを探ろうとしている様子がうかがえた。マットソンHCに対しては「よく意見を聞くコーチ」という印象が聞かれ、「体制が変わった感じがしない」と移行のしなやかさを話す選手もいた。

選手に近い目線で寄り添い続けた有賀剛アシスタントコーチはこう述べる。

「自分も楽しかったですよ。発展途上のこれからだってやつらをどうよくしていくか。それを考えるわけですけど、そのときにはリアム(・ギル)とかTJ(・ペレナラ)とか、すごい経験のある選手から学びを得ることができて、それをヒントにさせてもらった。彼らが頭の中でどう考えているのかを知れて、自分のコーチングも豊かになった」

関わる人々がよりよくなろうとする姿は、ファンの心に何かを刻んだはずだ。このチームは今日よりも明日、もっとよいチームになるはずだという期待は、プレーオフ進出の可能性が途絶えた最終戦に、12,396もの人々が会場に足を運ぶ大きな理由だったのではないか。

「これからのことを考えるととても楽しみです」(SHペレナラ)

世界的英雄がこのチームのことを誰よりも信じ、期待し続けてくれたこと。そして、彼が信じるに足るラグビーに近づこうともがいてくれた多くの選手の努力に敬意を払い、さらに熱いものになるであろう新たなシーズンを待ちたい。

「トレンドマイクロスペシャルマッチデー」として開催。試合終了後には特別表彰も

この試合はトレンドマイクロ株式会社の協賛による「トレンドマイクロスペシャルマッチデー」として開催した。試合終了後には、トレンドマイクロ株式会社より、この試合でチームに貢献した、松橋周平選手に「MAN OF THE MATCH」を贈呈した。

試合後会場スピーチ

SH TJ・ペレナラ

こんにちわ(日本語で)。チームを代表して、ブラックラムズファンの皆さんに感謝を伝えたいと思います。本当に毎週試合に来て、皆さんのサポートを感じられて、本当に嬉しく思います。彼ら(選手たち)を毎週リードさせてもらってきましたが、それは僕にとって本当に特別なことでした。1年を通しての皆さんの応援は本当に力になりました。今年達成したかったことは達成しきれなかったんですけど、でも本当にすごく成長したと思いますし、また来シーズンしっかり練習してやっていくことを楽しみにしています。

ほんまおおきに(日本語で)。

タンバイ・マットソン ヘッドコーチ

最初に、このシーズン本当にありがとうございました。目標は達成できませんでしたが、諦めませんでした。このチーム、とっても誇りに思っています。来シーズンも応援してください。ありがとうございました。(全て日本語で)

西辻勤ゼネラルマネージャー

今日ここに集まりいただきました皆様。そして今シーズンご支援、ご声援いただきました皆様、本当にありがとうございました。昨シーズン、我々は入替戦に進んでしまって、今年を迎えた選手たち、スタッフ、とてもプレッシャーがあったと思います。というかありました。でも選手たちは、そのプレッシャーに打ち勝って、自分たちに力があるということを証明してくれました。そしてここにいる皆さん、波のあるチームでしたが、変わらずご声援、温かい声をかけてくださり、そして今日こうして試合会場に足を運んでくださる皆さんに改めて感謝を申し上げたいと思います。来シーズン一緒にプレーオフ行きましょう! 今シーズンありがとうございました!

監督・選手コメント

SH TJ・ペレナラゲームキャプテン

まずは記者の皆さんに感謝を伝えたいと思います。記者会見ではオープンに話せるような雰囲気をつくっていただき、自分たちやチームに対するリスペクトも感じていました。本当にハイレベルな素晴らしい雰囲気をありがとうございました。

今日に関しては、チームのことを本当に誇りに思います。こういう1週間は難しくなりがちです。試合の結果が来週に影響しなくなるというのは簡単ではなく、そこについては週の始めにみんなで話をして、タンバイさん(マットソンHC)のもとで高いレベルで1週間を過ごせたと思います。それも今日の結果に繋がった1つの理由なのではないかと思っています。

もちろん今日は全然完璧ではなかったですし、ミスもありました。でも、やり続けた。やめなかった。今日についても、今シーズンを通しても、本当にチームのことを誇りに思います。結果としては自分たちの目指してるところに少し届かなかったんですけど。もちろんプレーオフに進出したいと思ってるので。でも、ここまで来たグループのことは本当に誇りに思いますし、これからのことを考えるととても楽しみです。

 

タンバイ・マットソンヘッドコーチ

本当にシーズンを楽しめました。自分たちのラグビーに一貫性をもたらしたいと思って取り組んできましたが、それはできたかなと。プレーオフに行くという目標には少し届かなかったのですが、7位で終わったので。これをベースに来シーズンはまたビルドしていきたいと思っています。

僕たち2人(マットソンHCとTJ・ペレナラ)は、ラグビーをもっともっと盛り上げていきたいと思っています。今シーズンは日本のスタジアムやファンの方々の素晴らしさ、それがつくりだすよい雰囲気を楽しませていただきました。ありがとうございました。

質疑応答

— 1シーズンの収穫と来シーズン伸ばしていかなければいけないことは

マットソンHC:今日の試合は、自分たちの1年のラグビーを物語っていたのかなと。チャンスはたくさんつくりましたが、ターンオーバーされることも多かった。部分的にはいいディフェンスを見せられるけれども、悪い時間帯もあった。そういうことはトップチームを相手にした試合でやってはいけない。チャンスはしっかり掴まないといけない。ディフェンスも常に高いレベルが必要。もっとあるんですけど、これくらいにしておきます。

— 一貫性は具体的にどのあたりにもたらせたか

マットソンHC:2試合、結構簡単に負けてしまった試合があったと思うんですけど。それ以外は接戦にできていたと思うんですね。負けてしまった試合で勝ち点を一番獲得してきたり、TMOで認められなかったトライが一番多かったり、トップチームを相手にしたときも勝つチャンスはつくりだしていたと思います。

このリーグは9番というポジションが大きな影響を与えていると思います。チームに世界でもトップ1とか2に入るような選手がいるのはすごくラッキーなことだし、彼のコンシステンシー(一貫性)だったり、競争心だったりっていうところがチームを引っ張ってくれていました。キャプテンとして先頭に立ってチームをリードし、本当にすごいいいコンシステンシーをもたらしてくれたのかなと思います。

— TJ選手は、来シーズンもブラックラムズでプレーするということでよいか。また、来シーズンに向けて、このチームをどういう風に高めていきたいか

SHペレナラ:今シーズンプラス2年はサインしているので(プレーします)。シーズン序盤と今日とかのゲーム見てもらっても、チームとしても変わってると思うんです。オンフィールドのことだけじゃなくて、毎週の準備だったりとかも。あとはみんなが持つbelief、信じる力みたいな、自信とか、そういうところも変わってきたかなと。第2節でサントリー(東京SG)に勝ったときには、ちょっとまだ何人かには驚きもあったと思うんですけど、先週(第17節)サントリーに負けたときは、本当にあれを逃してしまったこと、すごく悔しい気持ちが強かった。

ちょっと言葉にしづらいですけど、そういった思いっていうのをもっと築いていって、このチームは戦えるっていうのを強く信じられるように。その前(第16節)のパナソニック(埼玉WK)戦に負けたときも、本気で悔しいっていう気持ちが感じられたので。第2節に勝利した頃と比べると、そこは変わった部分なのかなと思います。自信をしっかり築き上げて、そこのベースを上げていきたいなと思います。

FL 湯川純平

— どんなことを考えて試合に入ったか

前半はミスが多かったので、後半から入るメンバーとしてそれを修正しなきゃいけないなってみんなで話していました。

— シーズンを振り返って

自分のやることはもう本当に変わっていない。試合に出られたとき、何か自分の得意なことを見せる。その準備はしているつもりですし。チームにFLリアム・ギルといういい選手がいて、そこと競争しなければいけないし、なおかつそこからいろんなことを教わってどう成長できるかっていうのを、日々探求しながらやっているんで。

— FLリアム・ギルから学ぶこともある

そうですね。もちろんジャッカルもすごいんですが、それだけではなくフィールドの中でのプレーの一つひとつの判断とか、どういうところを見てやっているかをビデオで見直してチェックしたりしています。

— いつもうまく抜く。なぜか

感覚的な部分が多いですけど、自分がフィジカルがあまり強くないっていうのは理解していて。強くしなきゃいけないんですけど、そこにこだわりすぎず前を見てスペースを探す。みんなからも「変なところで抜けるね」とは言われてきました(笑)。抜けたシーンは、前のプレーのときから10番の(伊藤)耕太郎に狙っといてって声をかけていました。

SH 山本昌太

100キャップを取らせてもらいました。シーズンはなかなか試合に出られない時間が長かったのですが、最終戦で取らせてもらえるというのはすごくありがたいなと思いました。チームでやること、準備したものを、残り10分くらいでしたけど、しっかりやろうと思ってプレーしました。

— 前半の修正というテーマも

でも、うまくいっていないところが結構明確だったので。試合によっては何がうまくいっていないのかがわからない試合もあるんですが、今日に関しては最後のつなぎ目のところなど、ポイントがわかっていたので。ハーフタイムもやることしっかりやろうねって感じでした。

— コンバージョンも蹴った

LO柳川(大樹)さんから「最後トライあったらお前が蹴れよ」みたいな感じで言われていて、そんなタイミングあるかなとか言っていたんですけど運良く。(今までに蹴ったことは)ないです。真ん中でよかったって(笑)。

— 同じポジションにTJ・ペレナラが加わってのシーズンだった

最初はプレータイムもらえない、試合に出られない、今まで経験したことのない時間だったので、自分の中でもどう過ごしていいのかと。かなり葛藤はあったんですけど、でもこの齢になってノンメンバーを長く経験すること。世界のトッププレーヤーが同じポジションに来て、一緒に練習したり、練習以外でも身近にいるという状態を経験できるっていうのは、逆に若いときじゃなくて、今だからこそ得られるものっていうのはあるだろうなと。25歳くらいだったら「なんやねん」ってなって、いろんなところで適当になっていたかもしれない。だからすごくいい1年だったなと思います。

NO8 ファカタヴァアマト

いいスタートは切れなかったんですけど、でも最後はストロングフィニッシュができたかなと思います。また強いマインドセットで次のシーズンを迎えたいと思います。次はクォーターファイナルにいけるようにしたいです。

— シーズン中盤以降、チームがよくなっていった

みんな何があってもまとまり続けました。いいパフォーマンスも続けていたと思います。昨年と比べたらすごく成長したと思います。先週はアンラッキー、勝てていればクォーターファイナルにいけていたと思うんですけどね。

— うまい戦い方をされた

前回、あの1戦目で戦ったときと戦い方を変えてきましたね。でも、最後の最後までギブアップせずに戦い続けたとは思います。(必要なのは?)ディシプリンですね。

— 今日で50キャップを獲得した

ファーストゲームのような気持ちでプレーしました。特別感はないです。いつもと変わらない。ビッグサプライズとかでもないです。まだまだ先があるので、いけるだけいきたい。

— ここからは日本代表としての活動も

一旦オフタイムを過ごして、ラグビーを忘れてから次に行きたいと思います。ファミリータイムを大事にしたいと思います。すごく重要なことなので。

WTB 高本とむ

ファーストキャップが最終節で取れて、今まで出られなかった分やっとかというところと、嬉しいという気持ちです。

— いいランが2回くらいあって、トライに繋がった。

トライを獲りたかったんですけど、自分の強みであるランを見せられたのですごいよかったのかなと思います。トライまでいけていたら100点だったんですけど。

— 出られない間はどんなところを伸ばそうとしてきたか

大学と違って外国人選手が対面になっていることが多いので、身体づくりの部分は取り組んでいました。体脂肪を絞り、筋肉量は増えました。あとはキック。そこも大学と違うところで、ウイングでも陣地の取り合いをすごくするので。

— なぜ出られないのかという思いもあったのでは

何かが足りないのだろうなと。ちょっとだけふてくされてしまった時期もあったんですが、先輩たちに支えられて前向きになれました。

FB メイン平

モチベーションがちょっと難しい中で、相手ではなく自分たちにフォーカスして、自分たちは誰のためにラグビーをしているのかをもう一度1週間考えて今日に臨みました。いいかたちで終われたんで、すごく楽しかったです。シーズンを振り返ると個人的にはあまり満足はいっていないんですけど、(復帰後)ケガなくやりきれたのは一歩前に進めたのかなと思いました。毎試合出るというのが一番大事だと思うので、それができたっていうのはよかったです。

HO 大内真

今日の試合は今シーズンを表していたなって思います。パーフェクトではなかったんですけど、ただ、スクラムであれば1本押されただけで「あれ、今日はおかしい」って思えているのは、逆に言えばポジティブなのかなとも。80分間切れなかったのもよかったですね。

今日は自分たちのラグビーをやるっていうのがテーマで、焦って何かをするっていうよりは、自分たちがセットして、自分たちがリズムをつくるってところ。ストラクチャーでごちゃっとしたところはあったんですけど、誰かがフィジカルにいったらそれに反応していって自分たちのかたちをつくれていたのはあると思います。

— 巡ってきたチャンスをつかんだシーズンだった

今日の朝、タンバイ(マットソンHC)から「君は運じゃなくて、実力でその座を掴んだよ」って言われたんですが、それがすごく嬉しくて。最初は評価されていないのはわかっていて、正直2番手にも入れていないレベルだったと思います。そんな中、パディー(PRライアン)とか同じような境遇の人たちがハードワークしているのを見て、切れずにやりきれたと思います。

— 準備し続けることの大切さ

今日の(FL湯川)純平さんとか(FL山本)秀とかもここまで出ていなかったですけど、出ればすごい活躍をする。そういう選手がいる。誰もが日頃の準備をしっかりやるというのが、チームの文化のようなものになって、かたちになってきていると思います。

— 課題も見えた

明確ですね。セットピースの安定、タックルの低さ。余計なことを考えない。自分はこの仕事だけっていう。僕はときどき変なところに走ったりするので、自分にもっと集中して。チョップタックルはメンタルだと思っているので、それをカバーできるようなテクニックも高めていきたい。

試合ハイライト

 

■試合結果はこちら https://blackrams-tokyo.com/score/score.html?id=424

文:秋山 健一郎

写真:川本 聖哉

PAGE TOP