【Review】第11節 vs.横浜キヤノンイーグルス

2025.03.20

接戦を勝ちきる力を見せ“事務機ダービー”制す。今季初の連勝で8位浮上

リーグワンは試合のない週を挟み第11節へ。リコーブラックラムズ東京(BR東京)は東京・秩父宮ラグビー場で5位の横浜キヤノンイーグルス(横浜E)と対戦。母体企業の事業領域の関係から「事務機ダービー」とも呼ばれるカードは互いに激しく攻め、我慢強く守るゲームとなったが、27-20(前半10-3)でBR東京が制した。2018年9月以来、リーグワン設立後では初の“キヤノン”からの勝利となった。

BR東京は前半3分、自陣のディフェンスでオフサイドを犯しPGで先制点を与えた。それでも、ややディフェンスに回る局面が多い展開の中で徐々にペースを掴み、さらなるスコアは許さずハーフウェイ付近から好機を探っていく。30分、敵陣15m付近のスクラムで反則を奪うと、前節からプレースキックをまかされているFBメイン平がPGを成功させ3-3の同点に。

直後、横浜Eが自陣のラインアウトでノット1mの反則。敵陣中盤でFKを得たBR東京は、タップスタートから攻め、ボールを持ったFLリアム・ギルがNO8ファカタヴァアマトと共にディフェンスラインに近づくと、迷ったディフェンスを短いパスでかわすかたちでブレイク。アマトがトライエリアまで一直線に走りトライ(33分)。CVも決まり10-3でハーフタイムへ。

後半2分、BR東京はハイボールを競ったSO中楠一期が危険なタックルを受け、相手にイエローカード(10分後にレッドカードにアップグレード)。PGで3点を加え13-3とし、さらに数で有利に立つ。だがSO中楠が脳しんとうのチェックで一時退出すると8分、キックを使って自陣に入られ、スクラムでのプレッシャーとラインアウトモールを活かした攻撃でトライを許し13-10(12分)。

19分、BR東京は自陣でのFLリアム・ギルらによるターンオーバーから反撃。細かくパスを繋ぎ前進し、WTBネタニ・ヴァカヤリア、CTB PJ・ラトゥのランでゲイン。22mを越えると、ラトゥをサポートしたFLマイケル・ストーバーグに渡しトライ。20-10と再び引き離す。

レッドカードとなったプレーから20分が経過し、横浜Eは再び15人に。BR東京は敵陣でモールを押しゴールに迫るシーンなどもつくったがトライに結びつけられずにいると30分、自陣ゴール前で反則を犯したFLマイケル・ストーバーグにイエローカード。今度はBR東京が14人で戦うこととなる。直後のスクラムを押されてトライを奪われ、20-17と再び3点差に(31分)。

僅差でラスト10分に突入。BR東京は敵陣22m内のラインアウトスローを弾かれたが、ボールが直接HO大西将史の手に入りゴールに迫る。このチャンスにFWがリアクションしてサポートし、途中出場のFLブロディ・マクカランがトライを奪う。CVも決まり27-17(36分)。その後、PR笹川大五にもイエローカードが出て、PGで3点を失いさらに13人で戦う局面が訪れたが、27-20で勝ちきった。

プレーヤー・オブ・ザ・マッチには決勝トライを挙げたFLブロディ・マクカランが選出。BR東京は2連勝で通算成績を4勝7敗とした。また4試合連続の勝ち点獲得で総勝ち点は20に到達。順位も1つ上げ8位としている。プレーオフ圏内の6位・コベルコ神戸スティーラーズとの勝ち点差は6に。

「ゲームが進むにつれてカンファタブルな(落ち着いた)感じになってきた」

激しく回転するコマが、弾き合うような激しいゲームだった。互いが主導権を握らせまいとハードワークし、それを打ち破ってスコアするべく、用意してきたものにとどまらない様々なプレーを繰り出しあった。TJ・ペレナラの言葉はこの試合がどんな試合だったかをよく表している。

「きれいにはいかなかったですけど、やるべきことはできた」

相手の攻め手を減らすことに繋がっていたのは、なんといっても安定感を維持できているセットプレーだが、FBメイン平らによるコンテストキックの処理なども大きかった。陣形の整わない状況で相手にアタックされるチャンスをかなり少なく抑えることに繋がっていたはずだ。

その上で、45失点を喫した第9節(BL東京戦)以降、意識の向上がうかがえるディフェンスが強固なものになってきていた。CTB PJ・ラトゥもディフェンスへの強いこだわりを口にする。

「タックルを全部決めようと思っていました。(略)でも、最初のタックルチャンスで滑り落ちたというか、するっといっちゃって決めきれなかった。そこからスランプっぽい感じになってしまったかな。でもゲームが進むにつれてカンファタブルな(落ち着いた)感じになってきて、自然にいけるようになりました」

アーリーエントリーで試合への出場を目指していた昨季から、アタックはリーグワンレベルにあることを印象づけ、今季も誰の目にも明らかな突破力を見せつけているPJ。今節は、終盤の勝負どころのディフェンスでも決定的な仕事をした。FLブロディ・マクカランのトライの起点となったラインアウトの前段にはPJのタックルがもたらしたペナルティがあり(後半35分)、13人で挑んだ最後のディフェンスで相手の落球を誘ったのも、PJが「一番仲がいい」と話すWTBセミシ・トゥポウとのダブルタックルだった(後半39分)。

チームと価値観を共有し、その上で全力を尽くす真のプロフェッショナルの存在

“事務機ダービー”での勝利は実に6年半ぶりだった。駒沢オリンピック公園陸上競技場を使ったプレシーズンマッチで勝利した際の印象もあったからか、そこまでの時間が経っていた印象はなかったが、久々の勝利となった。

試合の前には、CTB濱野大輔がこのゲームがどういう意味を持つものなのかをチームにプレゼンテーションしたのだという。これに対し、PRパディー・ライアンは「そこから学ぶことは多かったです。初めて知ることも多くあった。素晴らしいプレゼンでした」と感想を述べる。TJ・ペレナラも「今日プレーできるということはすごく光栄なこと」という言葉を残した。

チームマンである濱野の言葉が海外出身選手の心に響くものだったことは想像に難くない。だがそれだけではないだろう。日本という固有の環境で紡がれてきたチームカルチャーに理解を示し、意気に感じ、モチベーションに繋げてくれる選手たちが多くいることは、当たり前のことではない。チームと価値観を共有し、その上で全力を尽くす。それができる真のプロフェッショナルが世界から集う場となっていることは、BR東京の大きな強みだと改めて感じさせられる機会でもあった。

さて、前回“キヤノン”に勝利した2018年のゲームのキャプテンを務めていたのは濱野だ。試合後の彼の言葉をたどると、チームの好調への手応えを述べつつ「トップリーグチャンピオンになるには、ここからが勝負」とはっきりと優勝への意識を口にしていた。そして1ヵ月後、チームはパナソニック(現・埼玉パナソニックワイルドナイツ)を撃破する。正しい準備と自分たちを信じる気持ちが揃ったとき、チームは力強く前に進み出す。

次節第12節は3月22日(土)14:30より、4位・静岡ブルーレヴズ(静岡BR)と今季2度目の対戦。静岡・IAIスタジアム日本平でのゲームとなる。2月の第7節では24-32で敗れ苦汁を飲まされたが、セットプレーの安定を欠いたことがゲームに大きく影響していた。だが、劇的な改善がなされチームにとっての強みといってもよくなった現在のセットプレーのクオリティがあれば、全く違った戦いができるはずだ。リーグ戦は残すところ7試合。プレーオフ圏内に浮上するためには、とにかく上位チームからの勝利が必要な状況だ。局面、序列を変えるための1勝を掴みにいくビッグゲームとなる。

監督・選手コメント

タンバイ・マットソンHC

自分たちとしては本当に嬉しいです。このシーズンにおけるすごく重要な結果だったと思うので。リーグ戦でキヤノン(横浜E)を倒したことがないというメンバーもチームにはたくさんいるので、その意味でもすごく大事な結果だったかと思います。でも私たちはシーズンを通してずっと、コンシステンシー(一貫性)について話してきています。戻って、月曜日からはまたそこにフォーカスしてやっていきたいと思います。

ゲーム自体は、プリティーな(きれいな)ゲームだったとは言えませんが、その中で見えたリーダーシップや、ゲームの最後の方の13人になるというすごく難しいシチュエーションを落ち着いて戦うことができたことは誇りに思います。

 

SH TJ・ペレナラゲームキャプテン

今週はこのゲームが自分たちの会社にとってどれだけ大事かという話をしてきました。今日プレーできるということはすごく光栄なことで、きれいにはいかなかったですけど、やるべきことはできた。ここまではいい状態で試合に入れても、フィニッシュしきれなかったりしていた。今日は「負けて学ぶ」ではなく、しっかりとシャットダウンして学ぶことができる。そこはよかったかなと思います。

あとは、バイウィーク(試合のない週)の後のパフォーマンスについても話していました。1回目のバイウイーク後の神戸(コベルコ神戸スティーラーズ)戦はあまり誇りには思えないパフォーマンスだったので、もう一度、一週間離れたあと、コネクションを大事にしようという話をしていました。オフフィールドでやるべきこと。そしてオンフィールドでコネクトすること。それを大事にしようと。いい(ブロックの)スタートが切れたかなと思います。

 

質疑応答

—前半はディフェンスの場面が多かった。ゲームプランはどんなものだったか?

マットソンHC:ゲームプランはボールをマルチフェーズキープしたいっていう話をしていましたが、それは全然できませんでした。まあ、どのチームでもそうだと思うんですけど、プランはあっても、必要に応じてしっかり適応していくことが大事なのかなと思います。少しラッキーな面もあったかなとは思います。ラインアウトリーダーやスクラムリーダー、彼らがしっかりといい雰囲気というかいいベースをつくってくれました。今日はゼネラルプレーはそんなによくなかったですが、セットプレーが自分たちにチャンスを生み出してくれたのかなと思います。

—PRパディー・ライアンをスタートで使ったことは効果的だった

マットソンHC:ゲームのスピードコントロールにもつながったと思います。天気の影響もあったかもしれないですが、テンポコントロールっていうところは大事だったと思うので、よかったかなと。

—ハーフタイムの段階ではどう転ぶかわからない展開だった。どんなアドバイスをしたか?

SHペレナラ:しっかり最後クローズして終わりたいねっていう話をしていて。自分たちのレベルをしっかり示さなきゃいけないと。前半は自分たちのゲームプランを実行できず、まだまだやらなきゃいけないことがたくさんあった。それでもリードしてハーフタイムに入れたので、今週のフォーカスだった“finish strong”をしようと。別に、そんなインスピレーションに触れるようなことはなかったです。モチベーションの高い(SO中楠)一期などがうまくプレーしてくれたし、FLリアム(・ギル)やFLマイケル(・ストーバーグ)もうまく対応してくれたと思います。

—スタートから試合のクローザーまで担っている。体力的に大丈夫か?

SHペレナラ:問題ないです。僕は“タンク”自体は大きいとプライドを持っているので。やっぱり9番として必要な要素かなと思います。バックラインで誰かがケガしたら9番は80分プレーしないといけない。(髙橋)敏也もそうですけど、全員が80分プレーできないといけないと思います。

—チームに合流して4ヵ月くらい経った。チームはいい状態だが、何が一番よくなってきていると感じているか?

SHペレナラ:勝てると信じられるようになったんじゃないかと思います。ここまでは接戦になっても最後で負けてしまったりしたんですけど。開幕戦の三重(三重ホンダヒート)との試合だったり、トヨタ(トヨタヴェルブリッツ)戦も最後のほうですね。東芝(東芝ブレイブルーパス東京)戦も最後のほうでした。今までは、そういった接戦で最後に勝ち切るという期待を抱かれる立場になかった。でも、自分たちは相手チームをプッシュしていい勝負をしてきて、それが変わってきていると感じます。今日、(SO中楠)一期は最後の10分も冷静で“この試合にはこうやって勝つんだ”という話を繰り返していました。コミュニケーションが変わってきたと思います。若い選手がどうやって勝つかという指示を他の選手に出せるようになることは、大きな変化です。

—8位に浮上し、プレーオフに出場するチャンスも出てきた。手応えは

SHペレナラ:いい感じです。自分たちの目標は勝つことなので、勝てば勝つほどチャンスは高まると思うので。すごくタフなリーグでいいチームもたくさんある。このブロックは自分たちより上と戦えるので、それをネガティブにとらえる人もいるかもしれないですけど、自分たちの今後は自分たち次第だともいえる。キヤノン(横浜E)に勝てばキヤノンは得点があまり獲得できないわけですから、そうすると差がどんどんなくなっていきます。ヤマハ(静岡ブルーレヴズ)もそうです。

—ラグビー的にはどのあたりがよくなっていると感じるか?

マットソンHC:成功するためには、いいディフェンス、いいアタック、いいセットピース。トランジションゲーム(試合展開の変化への反応)もよくないといけないですね。最終的には、そのうちのどこかで勝らなきゃいけない。そこを含め、ゲームプランのバランスもよくなってきたのかなと。ゲームがスタートしたら重きが変わってくると思うんですけど、それにしっかり対応できるメンバーというか、チームになってきたかなと。まあコンシステンシーが一番だと思うんで。来週、悪いパフォーマンスを見せてしまっては失敗なので。やはりコンシステンシー。

—ファフ・デクラーク選手とプレーについて

SHペレナラ:外でコネクトはしました。いいプレーをしていたと思います。彼の交替は試合への影響があったと思います。いいプレーをしてくるので。親指をケガしたのかな。できるだけ早い復帰を祈っています。

—今日はブラックラムズが勝って、昨日はスーパーラグビーでハリケーンズが勝って、ハッピーな週末だったのでは?

SHペレナラ:ラグビーが大好きなので。観るチャンスがあれば観ています。ハリケーンズのことは大事です。僕の人生の大きな部分を占めているので。昨日の勝利は嬉しかったです。

—プレースキッカーをFBメイン平に変えている。評価は?

マットソンHC:今日はミスしていないですかね。SH TJ(・ペレナラ)もキックできるんですけど歴史的に10番が蹴るっていう流れがあると思うので。(SO中楠一期は)若い10番で、このレベルで自分のかたちっていうのをつくっている中にあるので、そこの責任を外してあげてやっています。(FBメイン)平はよかったです。来週も同じことを期待しています。

 

PR 津村大志

相手の組み方っていうのを分析して、自分たちがどういう風に組むかっていうのをしっかり話してきたんですけど、それを実際に試合で活かして組めたのがよかったかなと思います。相手はいろいろな組み方をしていたんですけど、僕らはそれに合わせるんじゃなくて、自分たちの組み方をしようと準備してきました。でも、今日の試合は合わせてしまう部分もあったのですが、HO大内(真)さんとPRパディー(・ライアン)さんとコミュニケーションを取りながらやれたのがよかったのかなと思います。

—アーリーエンゲージが結構あった
最初のプレッシャーのところで、相手が組んできてるから僕らも(プレッシャーを)かけてしまうみたいなケースがあって、そうなるとフィフティフィフティになってしまう。その後、しっかり組んでから押す分には全然問題ないと言われたので。組むまで、セットするまでのところにこだわって、試合中のコミュニケーションをとれたのはよかったと思います。

—組んだあとはブラックラムズが圧倒しているように見えた
そうですね。組んでセット入ったときの感触、感覚的に絶対押せる感覚があったので。そこはもう絶対的なブラックラムズの強み。今日は最大限発揮できたかなって。

—自分たちのスクラムで大事にしているのは?
まとまること。一人一人で組むのではなくて、8人でまとまって後ろの重さを前に伝えるところです。

—FWコーチのカール・ホフトの教えも?

それもあります。何て言うんですかね、“色”じゃないですけどブラックラムズのスクラムの組み方はこういうものだっていうのが、いい感じに根づいてきているのかなと思います。

 

PR パディー・ライアン

ー率直な今の気持ちを

最高です。重要なゲームでしたから。チームにとっても、世田谷にとっても、リコーにとっても。

—どういうゲームかは聞いていた?

もちろんです。先週、ハマノさん(CTB濱野大輔)が社員選手としてシェアしてくれたので。それは多分、外国人選手に向けて話してくれたのかなと思いました。そこから学ぶことは多かったです。初めて知ることも多くあり、この試合がどれだけ大事なのかを教えてくれました。素晴らしいプレゼンでした。

—セットプレーがチームの拠り所になっていた。そういういい状態を、試合を経ても維持できているのが素晴らしい

グレートですね。感覚もすごくいいです。ありがとう。インタビューを受けているのは僕ですが、FW全員の頑張りだと考えてほしいです。

—練習を観ていると、特に若いFWの選手たちが明るく自信をみなぎらせている

その通りだと思います。グループ全体の自信がどんどん大きくなってきている。その中でも若い子たちは自信や元気を隠さないものだから、そう見えるんだと思いますよ。いい光景です。ケガをしてしまった選手たちからも早く復帰して皆と一緒に練習したいという気持ちが伝わってくる。そういうムードをつくりだせているのは、コーチたちの仕事の成果だと思います。

—モールをかなり押し込んでいたが、アンプレアブルになったケースが2度あった
あそこは僕もどう説明していいかわからない部分。でも、ラグビーではそういうことも起きる。いいチームはそういう巧みなプレーをしてくるもの。モール自体はいい感じでしたよ。

 

CTB PJ・ラトゥ

—試合の率直な感想を
とても嬉しいです。

—こだわっていたのは

ディフェンスのところ。タックルを全部決めようと思っていました。アタックでもフィジカルにいこうと思っていました。でも、最初のタックルチャンスで滑り落ちたというか、するっといっちゃって決めきれなかった。そこからスランプっぽい感じになってしまったかな。でもゲームが進むにつれてカンファタブルな(落ち着いた)感じになってきて、自然にいけるようになりました。

—すごく思いきりよくプレーしているように見えるが、緊張することも?

うーん、フィフティフィフティかな。今日は割とナーバスな感じでした。

—BL東京戦のあとはディフェンスへ意識を向ける声がたくさんあった。かなり改善されてきたのでは?

BL東京戦からはよくなってきていると思います。ただ、僕も改善しなきゃいけないポイントはあるので、このブロックではよりよくしていきたいと思っています。それはコーチからも言われていることでもあり、自分としても課題だと思ってもいることでもあります。

—アタックについては問題なさそうですね。今日も素晴らしいブレイクからトライが

周りのみんなに助けてもらっていて、すごく楽な気持ちでプレーできています。あの場面(後半19分)は普通にキャリーしようと思っていたのですが、後ろからサポートしてくれたマイキー(FLマイケル・ストーバーグ)の声が聞こえたのでパスをしました。

 

CTB 池田悠希

—ロッカーの雰囲気は

みんな喜んでいました。事務機ダービーということで、週の最初のほうのチームのミーティングで社員選手のCTB濱野(大輔)さんから、このキヤノン(横浜E)対リコー(BR東京)にどんな歴史があるのかというプレゼンがありました。プロ選手が多くなった中で改めて。そういう意味のあるゲームに勝つことができた。もちろん自分たちの上位進出に向けても大きい。このブロックは1戦1戦が大事なので。

—試合の入りは少しモメンタムが相手に向かったが、すぐに立て直した

序盤、自分たちのペナルティもいくつか重なりディフェンスの時間がすごく多くなってしまったんですけど、それでも3点しか相手に与えていなかったですし、ディフェンスで粘れているという感覚はありました。そういう部分のファイトは80分間通してすごくいいものが見せられたんじゃないかなと思います。

—今日は本当はもう少しボールキープする予定だった?

前半はやっぱりフェーズを重ねられていなかったですね。ミスも多くて噛み合わず、実行力っていうところは欠けていました。セットプレーもなかなか準備してきたものが出せなかったので。でも、フェーズを重ねられればトライは獲れるという自信はずっとありました。

—修正し、粘り切れた理由は?

今週はゲームを4つに分けて考えて、もし自分たちがいいゲームができていたら勝敗が分かれるのは最後のブロックだよっていう話をずっとしていたんです。その最後のブロックでどれだけ集中力を切らさずにファイトし続けられるかという話もしていた。そういう準備もあっていいものが見せられたんじゃないかと思います。

—個人的には今日もいいブレイクがあった(前半37分)。まだまだ上を目指していると思うが、キャリアを通じてもかなりいいシーズンになっているのでは?

そうですね。試合にもずっと出続けられてケガもなくやってこれているので。年齢的にも結構上になってきたので、若い選手たちがのびのびとプレーできるようにサポートするのが自分の仕事だとも思っています。SH TJ(・ペレナラ)と一緒に、BKのリーダーシップを取ってやっていきたいと思っています。

 

試合ハイライト

 

■試合結果はこちら https://blackrams-tokyo.com/score/score.html?id=417

文:秋山 健一郎

写真:川本 聖哉

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