【Review】NTTジャパンラグビーリーグワン2022 第13節 vs 東芝ブレイブルーパス東京

2022.04.21

入りに失点重なる。しかし、ラインアウトの安定感などを活かし、敵陣に繰り返し侵入

「まずはこの期間を乗り越えること」

 

厳しい結果となった第13節の東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)を終えての記者会見。ピーター・ヒューワットヘッドコーチ(HC)は、記者の質問に対し、いつもにも増して丁寧に答え、少々のジョークもまじえ場を明るくさせていた。その姿は、苦しい状況にあるチームに対し、日頃からどんな働きかけを行っているかが伝わってくるものだった。フラストレーションに感情を支配されることなく、明るさを保ち、自分たちがすべきことに集中する。その先にこそ未来はある――。ヒューワットHCのアティテュードは、それを示しているようにも見えた。

 

プレーオフ進出に向け意気揚がるBL東京を招いての今節を含む残り4試合は、とても重い意味を持ちはじめていた。前節(第12節)終了時点のBR東京の順位は9位。リーグワンのディビジョン1とディビジョン2の間で行われる入替戦に出場する可能性は、10位以下のチームから生じることから、1ポイントでも多くの勝ち点を積み重ね、下位のチームを引き離す必要があった。

 

チームは2試合連続でSHマット ルーカスとSOアイザック ルーカスのコンビをスターティングメンバーに。また、前節初出場のゲームでトライを決めるなど奮闘を見せたWTB古賀由教も再び先発の座をつかんだ。リザーブからチームに勢いをもたらしてきた堀米航平もCTB(12番)のポジションでスタメンに名を連ねた。

 

BL東京のキックで試合が始まる。BR東京はキックオフボールを使って攻め手を探ったのち、右へタッチキックを蹴る。BL東京がBR東京陣内10m付近のラインアウトを得る。

 

ラインアウトをキープしたBL東京は、右サイドまでボールを運び、エッジにラックをつくると、折り返して今度は左サイドを狙う。このアタックへの対応が遅れたBR東京はタッチライン際のスペースへのディフェンスが追いつかず8番にブレイクを許す。そのまま左隅インゴールまで運ばれトライを奪われた。CVも成功し0-7。(前半3分)

 

BR東京のキックオフボールのリターンがタッチを割ると、クイックスローインで再開。ランでギャップを狙ったSOアイザック ルーカスにBL東京がハイタックル。PKで左サイド、22mライン手前まで前進する。ここはラインアウトからモールを組まず、ボールを動かして攻めたがノックオン。さらにスクラムで相手にFKを与えエリアを失う。(前半5分)

 

ハーフウェイ付近のラインアウトから攻めようとしたが、後方へのパスが乱れたところにプレッシャーをかけられ後退。さらにノックオンでスクラムを与えてしまう。

22mライン付近のスクラムからのアタックに耐えてボールを奪い返し、敵陣にキックを蹴り込むが、BL東京はそのボールを使ったアタックから裏へのゴロキック。この処理にSOアイザック ルーカスが走ったが、芝生に足をとられる。そこに相手のチェイサーが詰める。BR東京はタッチキックを狙うがうまくヒットせず距離が出ず、自陣ゴール前でラインアウトを与えてしまう。

BL東京は、右サイドのゴール前ラインアウトからモールを組みプッシュ。そのままインゴールに達し、この日2つめのトライ。CVも成功し0-14とする。(前半11分)

 

再開後、BR東京がハーフウェイ付近でアタックを仕掛けたがボールをこぼし、相手に入る。これをきっかけにBL東京がアタック。フィジカルを活かした強くて重いキャリーを繰り返し前進。BR東京陣内に攻め込むと、22mラインが見えてきたところでBR東京にノットロールアウェイ。BL東京は正面やや右からの位置からPGを狙い成功。0-17に。(前半14分)

 

前半の入りに3連続でポイントを許したBR東京。リスタートキックを深く蹴り込み、リターンのタッチキックで得たラインアウトから攻める。SHマット ルーカスのハイパントをキャッチしたBL東京11番がタッチラインを踏み、さらに前の位置でラインアウトを得る。

これをキープし、ボールを出しアタック。CTB池田悠希が前に出たあとラックとなるが、ここからボールをピックしたWTBネタニ ヴァカヤリアが裏に抜け出しインゴールまで走りきる。しかしこれは映像確認を経てオフサイドと判定された。(前半16分)

 

PKをタッチに出し前進したBL東京が、アタックでボールをこぼして得たハーフウェイ付近のラインアウトからBR東京がアタック。左サイドから右に展開してラックをつくるとBL東京にノットロールアウェイ。アタックを継続したが、プレーが止まると戻されPKに。ハーフウェイ付近からSOアイザック ルーカスがボールをタッチに出して前進する。

22mライン上のラインアウトを、LO柳川大樹がキャッチしてモールを組む。しかし間を置かずFL湯川純平がボールを出し、中央でCTB池田がキャリー。ディフェンスを引きずってゲイン。ラックとなるが、球出しを試みたSHマット ルーカスが倒れた相手に足が引っかかり、BL東京にまたもノットロールアウェイ。

 

正面やや右、22mラインから少し入った位置のPKでBR東京はショットを選択。これをSOアイザック ルーカスが決め3-17。BR東京にとってはこれが今季初のPG企図で初の成功だった。(前半21分)

 

PGによるスコアの後、BR東京に再びチャンスが訪れる。

リスタートキックを受けたWTBヴァカヤリアがゴロキックで相手の背後のスペースを狙うが、うまく処理されBL東京のアタックに。10番に突破を許したが、直後にパスが乱れボールを奪い返す。

NO8のアマト ファカタヴァがキック。これが攻めようとしていたBL東京の選手たちの背後の絶妙な位置に落ち、処理にいった相手11番の手をかすめて、BR東京側にこぼれる。LO柳川が冷静に拾ってアタック開始。ハーフウェイ付近で、右中間から長いパスをつないで左サイドのスペースをSOアイザック ルーカスが狙う。

パスをCTB池田、WTB古賀とつなぐと、古賀は前方へキックして自らチェイス。ゴール目前の位置で相手のディフェンスと競る。ここは古賀をフォローして走り込んでいたFL福本が、果敢に手を伸ばしボールに触れるが惜しくもノックオン。

ゴール前スクラムはBR東京にアーリーエンゲージ。BL東京はタッチに出すが、距離は出ず、22mライン付近でのラインアウトとなる。

このラインアウトがBR東京に入る。最後方のHO森雄基がキャッチし、これを起点にBR東京がボールキャリーを繰り返し力で勝負していく。じりじりと前進に成功し22mエリアの中盤へ。

パスが乱れ少し押し戻されるが、FBメイン平の左サイドでのパワフルなキャリーで押し戻す。ゴールまで10mほどの位置でラックをつくると、LOマイケル ストーバーグのキャリーで食い込み、相手の反則を誘いアドバンテージを得る。ここですかさず球出し。FL湯川から真後ろのSOアイザック ルーカスへ。

アイザックは詰めてきたディフェンスをかわし、相手の手が届かない高さのパスを頭の上から放ち、これがNO8アマト ファカタヴァに通る。アマトは中央から外に向かって斜めに走り、右中間インゴールへ。ディフェンス2人のタックルにも屈せずグラウンディング。BR東京がこの試合最初のトライを奪った。CVは不成功ながら8-17となる。(前半26分)

 

再開後、リターンのキックでエリアを戻し、さらに相手のアタックを止めてペナルティを誘ったBR東京は、タップスタートで仕掛ける。右中間、ハーフウェイ付近から長いパスをつないで左サイドのタッチライン際を狙う。しかしCTB池田からWTB古賀へのパスに反応した相手14番がインターセプト。そのまま走りきり右中間インゴールにトライ。CVも決まり8-24。(前半29分)

 

前半ラスト10分。BR東京は相手のミスで得たスクラムで反則を奪いPKで前進。22mライン手前の位置でフェイズを重ね、CTB堀米のグラバーキックで裏を狙うなどのアタックを見せたが、仕留めることはできなかった。(前半34分)

直後、ボールに絡まれて与えたPKでタッチを狙われるが、これにCTB池田が飛びついて確保。自陣浅めから敵陣にキックを蹴り込むとインゴールまで転がる。相手がデッドボールラインをまたいでボールを拾うかたちになり、ゴールラインドロップアウトに。(前半36分)

 

キックキャッチから攻めるBR東京は、PR谷口祐一郎のオフロードパスを受けたSOアイザック ルーカスがギャップに仕掛け、さらに最終ラインの背後にキック。自ら確保に走ったが、ボールが戻るように跳ね返り、さらには相手に入る。チェイスしていたFBメイン平がつかみかかり黒いジャージが押し寄せたが、ボール奪取はならず。逆にラインオフサイドを出してしまいここも攻めきれなかった。(前半38分)

キックを自陣に蹴り込まれ、プレッシャーを受けてピンチになりかけたBR東京たったが、自陣でしっかりボールキープを図り、逆にアタックに転じる。FBメインが鋭くギャップを抜けかけたが、タックルを受けながら後ろ手で放ったパスがつながらず相手にボールが入る。(前半39分)

 

BR東京は自陣22m付近でノットリリースザボール。PKを与えゴール前ラインアウトにされてしまうが、モールからのアタックをインゴールで止めてアンプレアブルに。ここで前半終了となる。

8回中8回成功と安定感を見せていたラインアウトとアタックでの粘りと創意工夫などでうまく攻める時間もつくった。しかしディフェンスのコネクトを突かれたもの、ラインアウトモール、さらにはインターセプトと種類の異なる3つのトライによる失点により、リードを許して試合を折り返すこととなった。

必死に食らいついた後半。FWとBKがそれぞれの持ち味を発揮して2つのトライ

HO森を大西将史に入れ替え後半へ。

開始直後、自陣スクラムから展開し鋭いランで攻めるBL東京。BR東京はこぼれ球を奪い、CTB堀米らが攻め返そうとしたが、ターンオーバーを喫して再びディフェンスへ。さらにラックで倒れ込んでしまいペナルティ。PKで前進を許しゴール前ラインアウトを与えてしまう。

BL東京は右サイドからのラインアウトを確保しモールでトライを狙う。BR東京は必死にディフェンスを試みたが、押しきられトライを許した。CVも成功し8-29となる。(後半5分)

 

再開後、BL東京は強いキャリーで再び攻めたてる。ディフェンスの乱れを誘い、生まれたギャップを10番が抜けてビッグゲイン。しかし、SOアイザック ルーカスが食らいついて止めると、すかさずボールに仕掛けてノットリリースザボールを奪う。華麗さだけではない、ひたむきさでもチームを鼓舞する。(後半6分)

 

PKでハーフウェイ付近まで戻すと、ラインアウトをキープしボールを出す。SOアイザック ルーカスからの内に戻すパスを得てWTB古賀が鋭く走りブレイクを狙うが、惜しくもこぼれる。しかしアイザックのパスへの反応を通し、若い才能が研ぎ澄まされていくのが目に見えるようなプレーだった。(後半7分)

 

さらに直後のスクラムを押し込み、ペナルティを奪った上でアタック。しかしランナーが孤立しターンオーバーを喫する。ボールが行き来しながら、フィールドの中盤でアタックを仕掛け合う時間が続く。ここでPR大川創太郎を柴田和宏、SHマット ルーカスを髙橋敏也、CTB堀米をマット マッガーンに入替。FBメインがCTBへ入り、マッガーンはFBに。(後半10分)

 

BL東京のダイレクトのタッチキックで得た、敵陣22mライン付近のラインアウトで再開。奥のLO柳川に合わせてキープすると、SOアイザック ルーカスが短く浮かせたキック。後方から走り込んだFBマッガーンが抜け出しこのボールに迫る。しかし、横から押さえにきていた相手14番の側に弾み、その手中に収まる。マッガーンに入れば間違いなくトライという場面だったが、バウンドに恵まれなかった。BL東京はタッチに逃れる。

ポジションを下げられたが、右サイドのマイボールラインアウトから再び攻める。強いキャリーでディフェンスに挑んでいくが、左サイドまでボールを運んだところでボールに仕掛けられてノットリリースザボール。(後半11分)

 

BL東京はPK、またラインアウトモールでゲインし、BR東京陣内に入っていく。しかしここでSOアイザック ルーカスがもう一度ボールに仕掛け、ノットリリースザボールを奪う。互いに中盤付近で鋭いアタックを見せるが、決定機をつくらせない時間が続く。(後半13分)

 

タッチライン際で拮抗した状況を破ろうと果敢に仕掛け、その後ディフェンスに転じた際に傷んだWTB古賀が栗原由太と入替。(後半17分)

自陣でパスをつないだ相手のミスで得た敵陣22mラインのラインアウトはBL東京に入ったが、直後のキックがタッチを割り、左サイド、敵陣10m付近のラインアウトをBR東京が得る。これを後方のLOストーバーグに合わせ確保。右に大きく展開しスペースをSOアイザック ルーカスが狙う。ステップを切りディフェンスとの勝負を仕掛けると、絶妙のタイミングでボールを放し、外に走り込んだWTBヴァカヤリアにパス。

22mラインを越えると、内側をフォローしたFBマッガーン、SH髙橋とパスをつなぎさらにゲイン。ゴールまであとわずかな位置にラックをつくると、懸命にボールを守りFWを待つ。WTBヴァカヤリアがパスアウトして攻めるとBL東京にオフサイド。

PKを右サイドのタッチに出し、ラインアウトに懸けるBR東京。FL福本に合わせモールを組む。

一気には押せなかったが、じりじりと相手を左右に動かしながら、ひとかたまりとなった黒いジャージが前進。BKも加わり、さらに押し込んでいく。そしてHO大西が右中間インゴールにトライ。会心のモールだったか、大西は芝生を何度も叩き喜びをあらわにした。CVもFBマッガーンが成功させ15-29。2トライ2ゴールで届く14点差とした。(後半20分)

14点差に戻し残り20分。なんとか連続スコアで相手に迫り、まずは7点差のボーナスポイント圏内に入りたいBR東京。逆に3トライ差をつけてボーナスポイントに近づきたいBL東京。試合の終盤を迎え思惑が交錯する。

BR東京は再開のキックをキャッチし、自陣からボールを回し攻め手を探ったのちにキック。ハーフウェイ付近まで戻す。ラインアウトからBL東京が激しく攻め、BR東京にハイタックルの反則。映像確認で危険性の確認が行われたが、カードは出ずペナルティでの再開となる。ここでPR谷口を千葉太一に入替。(後半24分)

 

左サイド、22mラインの内側のラインアウトからモールを組むBL東京。コラプシングのアドバンテージが出る中アタックを続行し5番が左中間インゴールにトライ。CVも成功し15-36となり、再び背中が遠のいた。ここでLOストーバーグをタラウ ファカタヴァに入替。(後半26分)

 

ダイレクトタッチで得た敵陣22mライン付近のラインアウトから攻めるBR東京。テンポを上げ、力強く、またディフェンスをよく見てパスを展開しゴール間近まで攻め込むが、ここでもターンオーバーを喫する。

しかし、ラインアウトのBL東京の反則などでチャンスは続く。左サイド、ゴール前ラインアウトからモールを組んで押し、そこから長いパスで右サイドを狙い、WTBヴァカヤリアがゲインするが、直後のラックからこぼれたボールを奪われ、ここもものにできない。キックを蹴られハーフウェイ付近まで戻される。ここでFL福本を山本秀に入替。(後半30分)

ハーフウェイのラインアウトから攻めようとするBR東京にBL東京がプレッシャー。ボールを奪いにいったところでノックオン。BL東京はスクラムでもアーリープッシュと反則を重ねる。

FKを得たBR東京は自陣10m付近からタップスタート。HO大西、PR千葉らのキャリーを経て、後方に戻したボールをFBマッガーンがキック。これが22mラインの先に落ち、数回弾んで左サイドのタッチを割る。新ルールの50-22が成立し、左サイド、敵陣ゴール前でのBR東京のラインアウトとなる。(後半32分)

 

HO大西は最前のPR柴田へパス。柴田はこのボールを前に運ぼうとしたが、ディフェンスにしがみつかれラックに。ここから右に出しボールキャリーを繰り返す。右サイドまでボールを運ぶと折り返し、FBマッガーンが長いパスを左サイドのWTB栗原に通す。

栗原はディフェンスをよく見て、頭の上からの両手でのパスでSOアイザック ルーカスへ。アイザックはディフェンス2人のプレッシャーを受けながらも後ろ手でバックフリップパス。ボールを栗原に戻す。

 

栗原は即座にアイザックから自分にマークを変えた相手20番をステップでかわし、左中間インゴールに到達。そのままグラウンディグに成功してトライ。50-22で得たチャンスをしっかりトライに結びつけたBR東京が加点する。CVも成功し22-36とした。(後半34分)

 

互いにもう1つのトライが意味を持つ状況で最終盤へ。BR東京は自陣からボールを回しアタックを仕掛けたが孤立。ノットリリースザボールでPKを与えてしまい、ゴール前ラインアウトに。

LO柳川がボールに手をかけスチールしかけたが、BL東京が再びボールを獲得。これを使って攻める。右サイドから順目につなぐと、左サイドのわずかなスペースを23番が突く。タックルにも倒れずインゴールにグラウンディングしトライ。CVも成功し22-43。(後半38分)

 

わずかに残った時間、BR東京は敵陣でFKを得て攻めるが、FBマッガーンの逆サイドを狙ったキックパスも相手に入りトライには結びつかず。失ったボールを守られ、試合はこのままノーサイド。

BR東京は5試合連続でのノーポイントでの敗戦。通算成績は3勝10敗(不戦勝1、不戦敗2を含む)。順位は9位のままだが、依然入替戦出場への可能性は残したままとなっている。

 

次節第14節は4月24日(日)、14:30より東京・秩父宮ラグビー場で行われる東京サントリーサンゴリアス(東京SG)とのゲームとなる。順調に白星を重ねてきた東京SGとの戦いは厳しいものになるのは間違いない。だが、若くエネルギーに満ちた若手選手の成長が何を引き起こすかは誰にもわからない。ヒューワットHCにとっても、元所属先という特別な相手とのゲームには期するものがあるだろう。明るさを失わず努力を重ねるチームが、可能性と未来を示す一戦とできるか。

監督・選手コメント

ピーター・ヒューワットHC

今回も得たかった結果ではなかったのですが、ポジティブなところもありました。選手たちは1週間を通してエフォート(努力)を重ねてきて、チャレンジを続けて、今日はそれを見せたファイトしてくれたと思いました。もちろん実行力、ここのところはディシジョンメイキングのところなど、改善しなければいけないこともあります。でも、絶対ギブアップはしないと思ってやってきました。そういう姿勢を今日は見せてくれたのかなとは思います。

ちょっとしたことですが、バウンドも味方をしてくれなかったですよね。何かうまくいっていないときというのは、その流れが、そういうところにも伝わるのかなと。でもハードワークを続ければ、絶対にこちらにもいいバウンドが来ると思っています。

 

(外国人選手の起用には規約があり難しいところだとは思うが、FBマット マッガーンが出場した時間帯にいい形がつくれていた)その組み合わせを使いたいかということについては、FWパックで出場できる選手が少ない状況で、SHマット ルーカスがFWを動かすことをうまくやってくれているので。メンバー的には自分たちの思い通りにはいっていないと思いますし、セレクションに制限はあります。でも、毎週出しているメンバーは勝てるメンバーだと思っています。マット ルーカス、アイザック ルーカス、マット マッガーンはすごくパフォーマンスいいですね。FWの数がもう少しいれば、3人を同時に使うことが可能かなとは思います。今の状況だと、僕自身がジャージを着て出てもおかしくないくらい。FWをやったことはないですが(苦笑)。

(チャンスの数はあった。得点を取るためには何をすべきか?)大事なのはプレッシャーの中での実行力ですね。ただメンバーを見てもらえばわかるように、若くまだ成長中のチーム。アイザックは23歳ですし、BKラインなどは特に若くエキサイティングなメンバー。15番も若いですし、11番も若い。今日も素晴らしかったです。ただ完璧にはいかない。今はとにかく教えられることを教えて、どんどん成長させていくこと。それは僕とコーチの責任ですね。ただ、みんな成長してくれています。トレーニングを見てもらえれば、毎週やるべきことをやっているとわかると思います。ただ、経験というのはすぐに積むことはできないので。経験を持っているSHマット ルーカスをメンバーに入れているのは、チームに足りていないところを補ってほしいという考えからでもあります。すごく未来のあるチーム。いい経験を積んでいる選手たちが多いので、この時期を乗り越えられれば、そこからいいチームになれると思います。まずはこの期間を乗り越えること。

(強豪との試合が続く。1週間どのようなトレーニングをしていくか)これまで通り努力を続けて、ジャージにプライドを持って戦う。まずはその姿勢ですね。気持ちのところと、実行しきれなかったところを見直して。ディシジョンメイキングのところは毎週学びながら進めているので。世界No.1の選手でもミスはします。物事がうまくいっていないとき、ミスは大きく目立って見えてしまうところはあると思います。でも、これからひっくりかえしていけると思っています。

(今季初めてPGでスコアした)1週間、リーダーグループの中で話をしていることです。ポイントを獲れるようだったら獲ろうと。どんな形のポイントも大事だと思うので。今日の場合は点を獲ったあとに勢いを少し盛り返しましたね。逆にクイックタップして攻めて、インターセプトされてトライを獲られてみたいなこともありましたが、物事が流れに乗っているときはそういうことは起きないですから(悪い判断ではない)。まあ、獲れそうであれば、この2人とマット マッガーンがPGでも点を獲ってくれると思います。

SH マット・ルーカス

先週のゲームを終えてからいろいろと厳しい会話もかわしました。チャレンジとしては、「何があってもファイトし続けて、グループとしてコネクトし続ける」ということを掲げていました。完璧ではなかったのですが、正しい方向へと一歩前に進めたのかなと思います。今はきつい時期ですが、チャレンジを続けてここを抜け出します。絶対にできると信じています。

SO アイザック・ルーカス

ここから楽にはなるということはなく、タフな試合が続きます。僕らはグループとしてまとまり続け、一緒に抜け出すことに集中するのが大事だと思います。ヒューワットHCが言われていたようにエフォートをしっかり見せ続ければ、物事はいい方に転がりはじめると思います。自分たちを信じて、このままひとつになって戦っていきます。

文:秋山健一郎

写真:川本聖哉

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