【Review】NTTジャパンラグビーリーグワン2022 第4節 vs 東京サントリーサンゴリアス

2022.02.03

前半終了直前、FWとBKが持ち味を発揮して2トライ

「絶対それを言い訳にしないように、そう言い続けて練習してきました」

リコーブラックラムズ東京(BR東京)の主将として、初めての敗戦を経験したHO武井日向は、記者会見でそんな言葉を残した。

新型コロナウイルスの影響で第2節の静岡ブルーレヴズ戦、第3節の東芝ブレイブルーパス東京戦が中止となった。チームは10日間余りの活動休止を余儀なくされ、今節のゲームは、開幕戦から3週間を空けてのゲームとなった。

そうした状況で、昨季のプレーオフトーナメントで四強を懸けて戦うはずだった、東京サントリーサンゴリアス(東京SG)という思い入れのある相手と戦わねばならない事態は、誰しもにとって予想外だったはずだ。だがBR東京の面々は、アゲインストな状況を脳裏から消し去り、ベストを尽くすことに集中した。

 

スターティングメンバーにも変更がみられた。開幕節は若手選手がスタートを務めたPRには、千葉太一と柴田和宏が入った。リザーブには辻井健太、大川創太郎に加え、真壁貴男も名を連ねHOとしての起用も視野に準備が進められた。加えて、HOを本職とする大西将史がFLで先発。2017年以来の公式戦(リーグ戦)出場を果たした。BKでは、7人制日本代表にも選出されるなど注目度を高めつつあるWTBネタニ ヴァカヤリアが先発出場の機会をつかんだ。

 

正午のキックオフながら、秩父宮ラグビー場の気温は上がらず9度。冷たい空気の中、BR東京としては初のホストゲームの幕が上がる

 

FBマット マッガーンのキックが、追い風を受け敵陣の左サイドに蹴り込まれる。東京SGが少し前にボールを運び蹴り返したボールを使い、BR東京がテンポよくボールを動かし攻めていく。

 

一度ボールを失うが、すぐさま奪い返し右から逆サイドに展開。カウンター気味にSOアイザック ルーカスが東京SGのラインの裏に抜け左中間をゲインする。22mライン付近まで運びBR東京のアタックの局面となるが、ライン際へのパスをインターセプトされかける。WTBヴァカヤリアが食らいつき落球させるが、パスに対しスローフォワードの判定。(前半3分)

 

ファーストスクラムはBR東京のアーリーエンゲージ。東京SGが速攻を仕掛け、ラインの裏に短めのキックを蹴るが、弾むボールをWTB西川大輔がさばきキャリー。ハーフウェイ付近からBR東京のアタックに。

 

後方へのパスを使い、詰めてくるデイフェンスをいなしながら、タッチライン際のランナーへの長いフラットなパスで好機をつくろうとするBR東京。だが、再びスローフォワード。スクラムとなるが、今度はコラプシングを取られPKで前進を許してしまった。

 

BR東京陣内のラインアウトを東京SGは手前で合わせボールを出すと、8番が強烈なキャリーで突破。7番につなぐと、左中間から斜めにインゴールへと迫り左サイドにトライ。CVは外れたが、FW第三列の突破力により0-5と先制を許した。(前半8分)

 

再開後は、リスタートキックの蹴り返しで得たラインアウトを起点にBR東京が攻める。右中間22mライン手前からSOアイザック ルーカスが右隅に転がしWTB西川を走らせる。これは惜しくもタッチを割り、開幕節から冴えをみせる両者の連携は決まらず。ここでFL大西が脳しんとうによるダメージの確認のため一時交替、柳川大樹がピッチへ。(前半9分)

 

東京SGはラインアウトでノットストレート。BR東京はゴール前でのスクラムという大きなチャンスをつかむ。このスクラムは東京SGが落としコラプシング。BR東京はPKでゴール前ラインアウトとしたが、ここはジャンパーのLOデーモン レエスアスへのスローがわずかにずれ、こぼれ球が東京SGに入る。

 

インゴールから東京SGがキックアウト。BR東京は22mライン付近でラインアウトから再度攻撃を試みる。このラインアウトもわずかに乱れたが、開幕節より冷静なプレーを見せるNO8ボーク コリン雷神がカバーしてアタック。だが、直後の密集でターンオーバーを許すと、転じたディフェンスでもペナルティを犯し好機を逃した。(前半13分)

 

BR東京陣内でのラインアウトから東京SGが攻める。22mライン手前から転がしBR東京がボールを得るが、そこからのディフェンスでプレッシャーをかけて前に出させない。ここはSH髙橋敏也が左サイドにキックアウトして22mラインの外側まで押し戻した。風向きは試合開始直後の追い風から横風に変わっていたが、それをうまく生かした格好だった。(前半14分)

 

ここからBR東京はしばらく守勢に回る。ゴールを背負うも、精度の高いタックルと強いフィジカルで踏ん張り、SH髙橋のキックなどで押し戻すが、強いランナーの突破で取り戻したエリアを失う展開が続く。だが、東京SGがゴール前ラインアウトからモールを狙ったプレーでオブストラクション。BR東京はPKで自陣10mラインまで押し戻し危機を脱する。ここでピッチを出ていたFL大西と柳川が交替。(前半19分)

 

自陣10mのラインアウトをキープすると、展開するかに見せかけて狭いサイドに戻すと、SOアイザック ルーカスが華麗なランでディフェンスをかわしブレイク。敵陣22mラインまで前進し、相手に捕まる前に足にかけリリース。これをFBマッガーンが拾いつなぐ。

 

右中間から大きく展開すると、左サイドでFWが身体を当てていく。中央にボールを戻すとSOアイザック ルーカスがパントキック。後方から飛び出したFBマッガーンがキャッチしようとしたがノックオン。開幕戦でも見せたオプションは惜しくも決まらず。(前半20分)

 

スクラムはBR東京のコラプシング。PKで22mラインの外側まで下げられるが、ラインアウトから東京SGが上げたハイボールをWTB西川がしっかりキャッチ。これを起点にBR東京がアタックを再開する。

 

左中間に運ぶと、SOアイザック ルーカスとNO8ボークのつなぎでブレイク。東京SGが手に当ててノックオンの判定が下ると、SH髙橋がクイックリスタート。つないだCTB池田悠希がゲインして敵陣深くに侵入。リリースしたボールをPR千葉がピックして突進。キレのある動きで力強く中央ゴール間近まで運ぶ。

 

ここから右に大きく展開。長いパスを受けたのは、このアタックのきっかけとなったWTB西川。インゴールで回り込み右中間にトライ。CVも成功し、7-5とBR東京が逆転する。(前半23分)

 

しかし再開直後、東京SGは自陣からBR東京陣内22mラインを越えてタッチを割るキック(50-22)を蹴り、マイボールラインアウトを得て、ここから激しく攻める。強いキャリーとパスワークを組み合わせたアタックをBR東京は必死に止めていくが、徐々にディフェンスに偏りが生じ、左サイドに展開され15番にトライを許した。CVも成功し7-12。この攻防でWTB西川が負傷。替わって牧田旦が入る。(前半27分)

 

互いに攻めきれなかった序盤から一転、果敢なアタックを披露しあう展開となる。BR東京は、FBマッガーンが自らのキックをチェイスし、捕球した選手を猛烈なタックルで倒すと、駆けつけた選手たちがラックで圧倒。一瞬でボールを乗り越え確保する。

 

これをきっかけにBR東京がワイドにボールを動かしフェイズを重ねていく。ゴール前まで達するがパスがこぼれ東京SGボールに。相手13番が攻撃を仕掛けていたBR東京の裏に抜け出し自陣からアタックに転じる。ここで10番がほぼ真横に蹴ったキックパスをキャッチにいった14番に対し、WTBヴァカヤリアが着地する前にタックルをしてしまいイエローカード。映像確認を経て10分間の一時的退出が科された。(前半30分)

 

1人少ない状況で前半の残り時間を戦わなければいけなくなったBR東京。PKで自陣侵入を許すと、ラインアウトからのアタックで8番にギャップを突かれ、ゴール目前までボールを運ばれる。東京SGは右サイドタッチライン際から左サイドへとつなぐと、11番がトライ。CVは外れたが連続トライで7-17と点差をつけた。(前半33分)

 

引き離されずなんとかついていきたいBR東京は再開後、ハイボールにCTB牧田が競り勝ち後方にボールをはたくと、SOアイザック ルーカスが確保。22mラインの手前にポイントをつくり、これを起点に攻める。右から展開し左サイドを攻めていくが、停滞したところで試合が止められ、ルーカスがボールを確保した直後、ボールを守るFL松橋周平に対して、相手8番がクリーンアウトを狙いノーバインドでの頭頸部へタックルしたとして映像の確認が行われた。結果、8番にレッドカードが出された。(前半35分)

 

BR東京はPKでゴール前のラインアウトにすると、モールを組んでFWの1人少ない東京SGを押していく。モールが崩れコラプシングの反則が出ると、ゴール前でピックゴーを繰り返す。ゴールを割ることはできなかったが、PKを蹴り出して再度ラインアウトモールで押す。

 

再び崩れるが、ラックサイドをしつこく攻めたBR東京は、HO武井が低く鋭く滑り込むようにして右中間にトライ。CVも成功し14-17。イエローカードを挟んでの連続トライを奪われる苦しい展開が続いたが、流れを引き戻すスコアが入った。(前半39分)

 

これで前半終了かと思われたが、BR東京のアグレッシブな姿勢がさらなるスコアを生んだ。リスタートキックをやや乱れながらも確保すると、右サイドから左に丹念にパスをつないでいく。スピードに乗って大外に走り込んでいたCTBメイン平にボールが渡ると加速。

 

ディフェンスのタックルをはずし、前方にキックを蹴るそぶりを見せながら走り続け、22mラインを突破。内側をフォローしたFBマッガーンに冷静にパスを通すと、マッガーンが右中間インゴールに飛び込む。スピードはもちろん、ディフェンスとの駆け引きも冷静にこなす、才能を見せつけるランでメインが逆転トライを演出。CVも成功し21-17としたところで前半が終了する。(前半42分)

最終盤、FL松橋の強いフィジカルで奪ったトライで逆転。勝利を手にしかけたが……

後半は東京SGのキックで始まる。左サイド、22mラインの内側に蹴り込まれたキックをBR東京がキャッチできずノックオン。自陣深い位置での相手スクラムというピンチを迎える。

 

東京SGは集中力を感じさせるテンポのよいアタックを見せ、BR東京はやや受けに回って、じりじりと後退。余った11番にボールが渡るとインゴール左隅へのトライ。CVは外れ21-22。東京SGが逆転に成功する。(後半3分)

 

互いに相手のミスを突き攻撃の起点を見いだしかけるも、明確なアタックのかたちにはならないまま一進一退の展開が続く。ここで自陣深めのポジションから攻めていこうとしたBR東京だったが、WTBヴァカヤリアがピッチの少し緩んだ部分を踏んでしまい転倒。すかさずサポートが入ったが、ラックの後方にこぼれたボールを相手にピックされる。そのままパスをつながれ12番にトライを許してしまう。CVも成功し29-21となる。(後半8分)

 

後半の入りは、本来の力を考えれば起こりえない落球や、一定の偶然も絡んだ転倒というアクシデントが、相手のスコアに直結してしまう厳しい展開となった。

 

だが、ついていくBR東京は、リスタートキックの蹴り返しで得たラインアウトから、敵陣でのアタックを開始。LOタラウ ファカタヴァ、FL松橋らの強いフィジカルを生かしたキャリーなどで攻め手を探っていく。すると守るBR東京にオフサイド。PKで右サイドに出し、ゴール前のラインアウトを得る。ここでPR柴田和宏に替えて大川創太郎。(後半12分)

 

ラインアウトからモールを組んで右サイドを前進。コラプシングでアドバンテージを得ると、左へ展開。CTBメインからSOアイザック ルーカス、CTB牧田、FBマッガーンとつなぎゴールに迫る。しかし相手1番の猛烈なタックルに阻まれた。

 

アドバンテージが出ていたことから、PKを経てBR東京のゴール前ラインアウトで再開となる。BR東京はモールを狙ったが、東京SGはモールにさせず前進を阻む。これを見てすかさずボールを動かし中央付近でキャリーを繰り返すBR東京。テンポよくつなぐとLOレエスアス、PR大川らが果敢に挑んでいく。このプレッシャーにより、目前に生まれたギャップを見逃さず突いたのがSOアイザック ルーカス。右中間のスペースを抜けてインゴールへ。CVは外れたものの、チームとしてこの試合4つめのトライで26-29とした。(後半15分)

 

もつれた展開のまま、後半も中盤へ向かっていく。BR東京はPR千葉を眞壁へ(後半19分)、SH髙橋を中村正寿へ(後半21分)入替。

 

BR東京は、4番にギャップを突かれビッグゲインを許しピンチを迎えるが、最終ラインのFBマッガーンの低いタックルで止めると、整えたラインでプレッシャーをかけノックオンを誘った。(後半22分)

 

このピンチを脱すると、自陣から蹴ったキックの処理にもたつくのを突いてアタックに転じる。ワイドにボールを動かし、ディフェンスラインを引き伸ばして数的優位を活かしにかかる。タッチライン際でのFL柳川のパワフルで堅実なゲインで22mラインの内側に入るが、直後のキャリーからのダウンボールが相手側にこぼれターンオーバーを許した。(後半24分)

 

自陣に蹴り込まれたボールを使って再度アタックをかけるBR東京。タッチライン際のWTBヴァカヤリアのランを起点にアタックし、またも22mラインの内側に入るが、ここも猛烈なディフェンスに遭い落球。東京SGのキックアウトにより得た22mラインの内側のラインアウトもスチールを許してしまう。攻め込みながらもスコアにつなげられない、歯がゆい時間が続く。(後半27分)

 

それでもBR東京は攻め手を探っていく。FBマッガーンが自陣から短いパントキックを蹴り、自らキャッチ。自陣10m付近にラックをつくる。CTBメイン、WTBヴァカヤリア、PR眞壁らが、ブレイクダウンで身体をぶつけ、さらには捻じ込んでいくと東京SGにオフサイド。BR東京はPKで敵陣に攻め込んでいく。ここでLOファカタヴァに替えてブレア カーワンが入る。柳川がLOに、カーワンがFLに入る。(後半29分)

 

ラインアウトで競り合いにきた東京SGに反則。BR東京は再びPKを得て、さらに敵陣深くに侵入していく。

 

ゴール前ラインアウトをキープ。モールを組んで押そうとするが、巧みなディフェンスに手を焼き、そのまま押し込むことはできない。あきらめずモールのかたちを保つと、ようやく押し返してきた東京SGに対し猛烈なプレッシャーをかけていく。ここで相手にオフサイド。アドバンテージが出た状況でキックパスを使いトライを狙うが、ボールがこぼれたところでストップ。BR東京はPKで再びラインアウトにする。(後半30分)

 

BR東京はまたもモールを選択。ここも対応されゴールまで押し切れなかったが、ボールを持ったFLカーワンがモールサイドに飛び出しトライを狙う。両軍が激しく入り乱れる攻防となり、LOレエスアス、NO8ボークが挑んでいくがボールが動かなくなる。(後半31分)

 

直前の攻防で東京SGにオフサイドが出ていたことから、BR東京はスクラムを選択し、状況の打開を図る。組み直しを経て、東京SGにコラプシング。(後半34分)

 

BR東京は、今度はタッチに出しラインアウトで勝負をかける。モールを組もうとしたようにも、何らかのサインプレーを仕掛けようとしたようにも見えるプレーとなったが、ボールをキープ。左サイドタッチライン際にポイントをつくり、LOレエスアス、FLカーワン、LO柳川が豪快なキャリーでゴールに迫っていく。さらにはNO8ボークとFL松橋がピックゴーでこじあけにかかる。HO武井も低い姿勢で挑んでいくと、ボークとPR大川が両脇を支え、共にゴールラインを目指していく。FWの一体感が相手にプレッシャーを与えていく。

 

そして、後方にリリースされたボールをFL松橋がピック。背中で相手を押すようにしてゴールラインに足をかけると、身体をねじるようにしてインゴールにボールを押さえつけトライ。CVも成功し33-29。土壇場でBR東京が逆転に成功した。(後半37分)

 

しかし、試合はこのまま終わらなかった。再開のキックを受け自陣で回したBR東京は、SOアイザック ルーカスへつなぐ。残り時間は約3分。ルーカスは、おそらくは自陣でボールを守りきるのではなく、エリアを取り失点のリスクを下げること狙ったのであろうキックを放つ。

 

だが、鈍い音が二度響く。ボールを蹴る音、そこにチャージを仕掛けた17番の両手に入った音だ。SOアイザック ルーカスは手を伸ばし、横を走り抜けようとする17番のかかとをつかみかけたがわずかに届かない。そのままインゴールに真っ直ぐ走られ、左中間にトライ。予想もしていなかったかたちのトライで東京SGが逆転。CVも決まり33-36とした。(後半39分)

 

ラスト90秒。リスタートキックの落下地点に猛然と詰めたBR東京はラックのボールを乗り越えて確保。さらに東京SGにオフサイドが出て、敵陣でのPKを得る。PGではなくタッチに出し逆転を狙ったBR東京は、ゴールまで10mの位置のラインアウトにすべてを懸ける。

 

ジャンパーのLO柳川がボールをキャッチ。しかし競ってきた相手の手がボールにかかったこともあり、コントロールできないままボールがグラウンドに落ちる。

 

ここでノックオンの判定。BR東京はホーン後の相手ボールのスクラムでボール奪取に挑んだが、コラプシングの判定が下り、万事休す。東京SGがPKをキックアウトしてノーサイドを迎えた。

 

BR東京は手の届きかけていた勝利を逃す悔しい敗戦となった。だが、7点差の敗戦で得られる勝ち点1は確保。通算成績を2勝2敗(不戦勝1、不戦敗1含む)、勝ち点11として、第4節を終え全12チームの中での順位を5位とした。

 

劇的な結末の印象が強く残るゲームではあった。だが、内容に目を向ければ、開幕戦との一貫性がうかがえる強いフィジカルと確かなアタック力は示せていた。シンビンを出したものの、試合を通じた規律についても改善もみられた。勝負どころのハンドリングエラー、ラインアウトの乱れなどでスコアのチャンスを逃したが、それらは修正できる領域だ。

 

次節は2月5日(土)14時30分より、愛知・パロマ瑞穂ラグビー場にて、トヨタヴェルブリッツ戦が予定されている。今節と同様に接戦が予想されるが、細かな部分を修正し、しっかり勝ちきって勝ち点を重ねたい。

監督・選手コメント

ピーター・ヒューワットHC

78分まではすごくよかったです。誇りに思います。東京SGも出場できない選手がたくさんいたようですが、状況はどのチームも同じで、私たちも17名くらい出場できない選手がいて、今日はフッカーの選手を別のポジションで使ったりしました。そういう状態でしたが、78分間は自分たちがやろうとしたことをやれたと思います。すごく誇りに思います。でも、2分足りなかった。やりきれなかったのですから、まだ修正が必要なところがあるかと思います。

(ボールのつながりのところで細かいミスがあった。練習できていないことの影響か?)ハーフタイム後の2トライ(の原因)は、キックキャッチなど自分でコントロールできる部分なので。トレーニング時間が足りないというのは、どのチームも同じシチュエーションだと思います。私たちはそれを言い訳にはしません。今日の試合に勝つために、十分な時間はあったと思います。

(かつて所属していた東京SGと戦ってみて感じた部分は?)8年間在籍したチームなので、違うサイドのロッカールームにいるのは不思議な感じがしました。トップチームなので、チャレンジして、目指さねばならないチームですが、今日は自分たちも前進して自分たちのカルチャーを築けたと思います。彼らは80分間プレーするチーム。ホーンが鳴るまでは終わらない。78分までといいましたが、そこでゲームオーバーではなかった。そういうところに彼らのDNAを感じました。

HO武井日向キャプテン

(活動休止もあった。どんな思いで試合に臨んだか)僕らも厳しい状況が続いたんですけど、本当にこの1週間、東京SGに勝つために準備してきましたし、コロナであったりいろいろあったんですけど、絶対にそれを言い訳にしないように、それを言い続けてやってきました。

(開始早々から飛ばしていった印象を受けた。どのようなかたちで試合を進めようとしていたか?)相手はアタックに自信を持っているチームだったので、自分たちはなるべく相手がアタックする時間を減らしたいというのと、相手がアタックをしてきたら、我慢してディフェンスをする。それをテーマにやっていました。

(逆転トライまでの攻勢では、相手の反則を受けて選ぶプレーを変えていた)FWで話し合っていました。東京SGさんはFWが7人だったので、FWにこだわろうという話をしていて、僕らの自信があるプレーを選択していました。8人で話し合って決めていました。

(スクラムのあとモールを選び直した)スクラムのプレッシャーがあったので、前3人で話をして、スコアが狙えるのはモールだと考え切り替えました。

(後半の最後、PGで同点にして試合を終える選択もあった。モールでのスコアはできていなかった)東京SGに勝つためにやってきたので、あそこで同点を狙うというのはなかったです。あとは人数的な優位性があったので。モールはスコアまでいっていませんでしたが、相手がペナルティを犯していた部分が見えたので、僕らがしっかり組んで、押していけばペナルティももらえるしスコアも狙える。あそこは8人全員がそう感じていました。僕らは日々モールのきついトレーニングをしていますし、自信もあったので、あそこはあの選択をしました。

CTBメイン平

タフな試合を勝ちきれなかったというのが、すごく悔しいです。でも試合では自分たちがやってきたことが相手に通用していて、次につながる試合ができたとは思っています。

(FBが本職だったと思うがCTBでのプレーが続いている)CTBは好きなポジションのひとつ。アイザック(ルーカス)とか横にいる池田(悠希)選手が試合中しっかりコミュニケーションとってくれるので、やりにくさは全くないです。

(前半、トライを呼び込むビッグゲインがあった)今週、ずっとあの練習をしていて、キックオフから展開するっていう。やってきたことが試合で発揮できて、ゲイン中は裏にキックを蹴れと言われたんですけど、自分を信じて抜けると思ったので、ランでいきました。よかったなと思います。

SOアイザック・ルーカス

ああいう風に終わってしまったのは本当に残念で悔しいですけど、80分間ちゃんとファイトをして、毎試合成長できているので、次に向けてしっかりやっていきたいと思います。

(攻撃を始めてからトライを生み出すまで、どういうイメージだったかを)(メイン)平がいったように、ボールを動かしいく戦い方で、ディフェンスを拡げる、ストレッチさせるようなことをしたいなという思いでやっていました。うちの選手がいいラインを走ったり、いい動きをしてくれたので、僕はそれに合わせてやるだけでした。

文:秋山健一郎

写真:川本聖哉

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