【Review】トップリーグ 総合順位決定トーナメント 1回戦 vs 神戸製鋼コベルコスティーラーズ

2018.12.05

“分岐点”で攻めきった神戸製鋼が主導権握る。しかし、リコーも意地の2トライで食らいつく。

勝てば4強。そして2008年度以来となる日本選手権への出場が決まるビッグゲームとなった総合順位決定トーナメント1回戦。リコーはレッドカンファレンスを1位で勝ち抜いた神戸製鋼コベルコスティーラーズと対戦した。

 

リコーはここまで戦ってきたメンバー編成をベースに、SOにロビー ロビンソン、FBにブライス へガティ、12番にティム ベイトマンとBKのポジションをローテーション。またカップ戦でアグレッシブなプレーを見せ、ベイトマンとのコンビネーションでも評価を高めるCTB牧田旦が先発の座をつかんだ。

 

屋根が閉められ無風のノエビアスタジアム神戸。13時、神戸製鋼10番のキックオフで試合が始まる。

 

蹴り合いを経て、神戸製鋼が先にアタックの形をつくる。リコー陣内10m付近でフェイズを重ねリコーディフェンスを動かしていくと、左中間のギャップを見つけた10番がパスダミー入れ自ら突く。

 

CTB牧田とLOジェイコブ スキーンが反応するが10番は一瞬先に抜ける。一気に左中間インゴールへ運ぶと、回り込んで中央にトライ。CVも自ら決めて0-7と神戸製鋼が先制する。(前半5分)

 

リコーは相手のキックがダイレクトタッチになるミスで敵陣に侵入。ラインアウトから攻めると、守る神戸製鋼にラインオフサイド。リコーはFBへガティがPGを狙い成功。3-7とした。(前半10分)

 

神戸製鋼はリコーがタッチを狙ったキックをクイックスローインで継続し、自陣からアタック。テンポよくボールをさばき前に出ていく。リコー陣内15m付近の接点でNO8松橋周平が倒した相手からボールを奪おうとしたが、惜しくもペナルティ。神戸製鋼は正面やや左の位置のPGを決めて3-10。(前半13分)

 

ついていきたいリコーは、相手の反則で得たPKで前進。敵陣22mラインの手前でラインアウトを得る。これを確実にキープして展開、アタック。ここはボールがこぼれたが、これを拾った神戸製鋼はプレーを切らずリコー陣内にキック。

 

FBへガティがこれを拾いハイパントを上げると、ハイボールの処理で神戸製鋼BKがミス。前方にこぼれ弾んだところに、CTB牧田がスピードに乗って走り込む。ボールをさらってそのまま前方に抜けると、左中間インゴールに持ち込んでトライ。CVは左にそれたが、8-10とリコーが詰め寄った。(前半18分)

 

このあともリコーがチャンスをつくる。自陣の浅めのスクラムからSH髙橋敏也がスクラムサイドを突いて右サイドをゲイン。これを起点にリコーが攻める。

 

敵陣10m付近まで前進すると展開。左サイドまでつなぎ、タックルを受けても体勢を保ったFL武者大輔がCTB牧田へのオフロードパスを狙うが、おしくも繋がらず、ボールは相手に。

 

しかし、リコー陣内へのキックを拾ったリコーはNO8松橋からLOブロードハーストマイケルへのパスでゲインラインを突破、再び攻め込む。だがここもボールがこぼれ決定機にはできない。その直後、相手のパスを奪ったCTBベイトマンが抜けかけたが、即座に対応したディフェンスに囲まれボールを失う。

 

3度にわたってリコーのチャンスの芽を摘んだ神戸製鋼が反攻。アタックに移りかけていたリコーディフェンスは後手に回る。そこを突き、13番、14番がパスワークで突破、裏のスペースを走る。

22mラインを越えるとサポートした9番にパス。駆けつけたWTB渡邊昌紀が足に手をかけるが、身体を回転して外された。そのまま右中間インゴールにトライ。CVも決まり8-17。(前半24分)

 

これ以上の点差をつけられたくないリコーは、再開後も必死に攻める。敵陣で得たスクラムからNO8松橋が持ち出し力強いキャリーを見せると守る神戸製鋼にオフサイド。リコーはPKで22mライン内側のラインアウトというチャンスを得る。(前半30分)

 

しかし、このラインアウトでレシーバーが一瞬早くラインに入ってしまう反則。神戸製鋼にFKが与えられる。リコーは大きなチャンスを逃した。

 

この後、蹴り合いに。神戸製鋼のBKはカウンターアタックが決まりそうなスペースを見出すと思い切りよく突いてくる。アンストラクチャーからのアタックが繰り返し決まり、神戸製鋼のアタックが徐々にテンポアップ。リコーは食い込まれ後退させられる。

そして左サイドのタッチライン際を抜けた11番がインゴールに達しトライ。CVは外れたが8-22。2トライ2ゴール差となる14点差に。(前半34分)

 

前半36分、FBへガティが出血。交替で小松大祐がピッチへ(へガティは前半43分に復帰)。直後10番のキックパスを受けた14番が前方のスペースにキック。リコー陣内深くにボールを転がすと、これを処理に行ったFB小松に対し、詰めた神戸製鋼6番が小松を引き剥がすようにしてボールごとタッチラインの外へ出す。

ボールを得た神戸製鋼はクイックスローインで再開。少し意表を突かれたリコーは対応が遅れ、パスを繋がれると右隅に10番がトライ。角度のあるCVも決められて8-29。(前半38分)

 

3連続トライで試合の流れを奪われたリコーだったが、自陣のラックでプレッシャーをかけると神戸製鋼にオーバーザトップ。PKで敵陣22mライン付近まで前進し、右サイドをラインアウトモールでゲイン。すると神戸製鋼にコラプシング。PKを使ってさらにゴールに近い位置でラインアウトを得たリコーは、もう一度モールを組んで押す。BKも加わり、右中間をトライラインまであと少しの位置まで押し込む。

 

ラックに移行すると近場を攻め、中央へとポイントをずらしていく。ついに展開。SOロビンソンはダミーで走ったCTB牧田の背後から走り寄ったCTBベイトマンへパス。さらに大外のFBへガティへのラストパスが通ると、ヘガティは詰め寄った14番の猛烈なタックルを受けながらも、一瞬早く左隅にグラウンディング。映像確認が行われたがトライが認められた。角度のあるCVもヘガティが自ら決めて15-29。(前半45分)

 

ラインアウトモール、FWのピックゴー、そしてBKの決定力と、今シーズン武器としてきたものを見せたリコーが意地のトライを奪ったところで前半が終了する。

14点差での15分間の攻防はイーブン。その後、試合の流れが一気に傾く。

メンバーの入替はせずに後半に臨んだリコーだったが、再開直後の後半3分、HO森雄基が負傷。替わって芳野寛が入る。さらにPR大川創太郎を柴田和宏に、LOブロードハーストをロトアヘアポヒヴァ大和に入替。リコーが先にカードを切っていく。(後半6分)

 

入れ替わりを経たFWが、インパクトを見せる。自陣浅めのスクラムで、一度はアーリープッシュを犯したが、FKを得た神戸製鋼が再度スクラムを選択。2度目のスクラムは、3番柴田がきっちり押し、相手の1番側が落ち神戸製鋼のコラプシング。追いかけるチームにFWが勇気を与える。(後半8分)

 

PKで前進したリコーは22mラインまであと少しのところのラインアウトとし、モールで押す。しかしこれが崩れたところで神戸製鋼がボールを奪う。

 

リコーはあきらめずボールを拾った2番にしがみつくと、強くリリースしたボールがリコーに入る。CTBベイトマンがこれをダイレクトでキャッチし前方に抜ける。22mラインの内側に侵入するが、ラックからLOポヒヴァ大和が持ち出した際にボールがこぼれノックオン。

しかし、ベイトマンがキャッチしたボールが神戸製鋼のスローフォワードだったとしてリコースクラムとなる。(後半10分)

 

このスクラムもリコーが押していくが、後方に蹴り出したボールを見逃さなかった神戸製鋼2番がこれに飛びつき確保。リリースしたボールを8番が拾いゲイン。一転、神戸製鋼が攻勢に。

攻め込んだ神戸製鋼は、タッチキックでゲイン。ゴールまでわずかな位置でのリコーのラインアウトとなる。神戸製鋼はこれを奪ってトライを狙う。リコーはボールを奪い返しキックアウトしたが、その前にFL武者にノーバインドタックルがあったとして、映像確認のあとペナルティが科される。正面やや左の位置から神戸製鋼がPG成功。15-32。(後半15分)

 

17点差となり、どうしてもトライの欲しいリコーはFBへガティ、WTBアマナキロトアヘア大洋らが鋭く強いキャリーでディフェンスに挑み、22mラインの内側に入っていく。しかし要所での神戸製鋼の的確なディフェンスもあり、ハンドリングエラーが出てフェイズを重ねていくことができない。

 

自陣深くでリコーからボールを奪いターンオーバーした神戸製鋼は、継続し一気に攻め上がる。ディフェンスが遅れたリコーだったが、必死に戻り自陣22mライン付近でランナーを捕まえ、さらにパスに手を伸ばしたFLエリオット ディクソンがボールを奪う。

しかし、その後のラックに猛烈なプレッシャーをかけた神戸製鋼は即座にボールを獲り返し再びアタック。そしてギャップを突いた14番が中央を抜ける。SH髙橋が手を伸ばすも振り切られポストの左を抜けて中央にトライ。CVも決まり15-39。リコーは逆転に向けて非常に重いスコアを奪われた。(後半19分)

 

たたみかける神戸製鋼。PKでリコー陣内に入ると、22mラインの内側で激しく攻める。再び14番がギャップを突いて左中間にトライ。CVも決まり15-46。(後半24分)

 

このトライの直後、リコーはCTB牧田を濱野大輔に入替。さらにFL武者をコリン ボークに、FBへガティを小松に入替。(後半26分)

 

しかし神戸製鋼の勢いは止まらず、リコー陣内中央、ゴール前のスクラムから右に展開。リコーのディフェンスの動きを見極め、長いパスを通し大外の14番が右隅にトライ。CVも決まり15-53。(後半29分)

 

リコーはトライの直後にPR眞壁貴男を辻井健太に、SH髙橋を中村正寿に入替。

 

点差が開いたが、リコーは闘志を失わず攻める姿勢を見せた。SOロビンソンがラインブレイク、サポートしたCTBベイトマンにつなぎ22mラインの内側へ。ここで神戸製鋼にハイタックル。リコーはPKをタッチに出し右サイドのラインアウトからトライを狙う。

 

モールを組むとBKも加わってじりじりと押し、右中間のトライラインを越えていく。映像確認ののち、HO芳野のトライが認められた。CVは外れたが、20-53。(後半31分)

 

再開後、リコーは自陣でボールを回し攻めていくと神戸製鋼にノットロールアウェイ。PKで敵陣22mラインの少し先まで前進する。

 

右サイドのラインアウトを遠くで合わせ中央を攻める。さらに継続し左サイドを突く。FWがトライライン目前の位置でピックゴーを繰り返すと、LOポヒヴァ大和が左中間にグラウンディング。リコーらしいアタックで連続トライを奪ってみせた。CVも決まり27-53。(後半36分)

 

最終盤、自陣でボールを回すリコーに対し、ラックで絡みノットリリースザボールを奪った神戸製鋼はPGを決め27-56。(後半39分)

 

さらにホーン後、リコーが自陣浅めの位置のスクラムから展開したところ、こぼれたボールを11番に拾われ、中央にトライ、CVを許し27-63。(後半43分)

 

ここでノーサイド。トップ4を懸けて総合順位トーナメント1回戦に挑んだリコーだったが、試合の流れをつかめず敗れた。リコーは残り2試合で5位から8位を決める戦いに進む。次戦はパナソニックと戦い、これに勝利した場合はクボタとNTTコムのゲームの勝者と対戦することになる。

 

監督・選手コメント

神鳥裕之監督

今日はどうもありがとうございました。素晴らしい環境で戦えたことに感謝申し上げたいと思います。(目標としてきた)チャンピオンを目指すために、このゲームは非常に大きなチャンスだったんですけれども、内容としては神戸製鋼さんに完敗、強かったです。自分たちの負けを認めて、次に進んでいきたいと思います。

 

バリエーションの多いアタックに、我々の強みであるディフェンスが的を絞れず、食い込まれるシーンが多かったですね。また、なかなか得点にも結びつかず苦しい展開が続いていたと思います。ただ、チャンピオンという目標はこの先も続けて掲げていきたい。落ち込んでいる暇はないので、我々が目指すことができる5番目という最もチャンピオンに近い場所をしっかり目指して、次の準備をしていきたいと思います。今日はありがとうございました。

【以上共同記者会見にて】

 

 

強かったですね。細かいミスが少なかったですし、強みのディフェンスという部分を研究されていた感じはすごくある。ラインスピードを殺すためにオプションをたくさん持ってアタックしてくるので、なかなか的を絞れずプレッシャーをかけづらい状況をつくられた。その中で正しい判断を続けてきたので、正直厳しかったですね。上から観ていても。

 

(失点を抑えて、僅差で終盤まで持っていくというのが目指すところだった)神戸製鋼さんはリーグ戦の多くの試合で点差をつけて勝ってきていたので、厳しいプレッシャーを感じたゲームは少ないだろうと。味わったことのないプレッシャーをかけられるように。特に10番のダン カーターなどにですよね。そういうプランだったんですけど、させてもらえなかった。

(食い込まれる部分はあったが、フィジカルで負けた、勢いに圧倒されたという感じは受けなかった)そこはいい状態で試合に臨めたと思っていますし、それ以上に懐が深いというかね。引き出しがしっかりあって、それでディフェンスに苦労した。

ポジティブに考えると、アタックしたときにはチャンスメイクできていましたし、こちらが獲ったトライも4つ。いい場面もあったんですけどね。やっぱり細かいミス。小さいプレーの精度で相手に上回られたというのはあります。やっていることはシンプルなんですけど、その実行力で上回っているなと。松橋が学んだと言っていましたが、本当に我々が目指していくべきものだとも思います。

(こうした相手に対して、ディフェンスの対応はいかにしていくべきなのか)これはコーチとも話さないといけませんが、1対1のタックルの精度ですよね。オプションを増やされて1対1の局面をたくさんつくられてしまったというのは課題ですが、その1対1をしっかり止めることで、自分たちのディフェンスに戻すための活路を見出せるはずなので。その精度でも上回られていましたよね。WTBアンダーソン フレイザー(14番)などには弾かれたりしていたので。このレベルでアタッククオリティが高いチームは、今のトップリーグだとおそらくは神戸製鋼さんくらい。それに通用するディフェンスというものを意識しなければいけない。

(メンバーについては、SOにロビンソンなど変化も)10番、15番はカップ戦でチャレンジしたことでポジティブに感じた部分。クールにプレーしてくれたと思います。(13番にCTB牧田)これもカップ戦で試しティム(CTBベイトマン)と牧田のコンビが、今のチームの状況から考えるとベストではないかと。アタックでもディフェンスでも。

(試合中の入替で難しかった判断などは)コリン(NO8ボーク)を(早い時間に)入れたいというのはすごくあったんですよね。ただルール上の問題もあって難しかった。牧田を残しティムと入れ替えるというのも頭にはあったんですが。

 

(まだ5位は狙える)僕が出したメッセージはそこしかなくて、チャンピオンというターゲットが今年は達成できませんでしたが、これからも続きますから。あきらめないことがチームにとって大事で、成功するまで挑み続けようと。そのために一番近いところに行っておこうと。それが5番目なので。

NO8松橋周平バイスキャプテン

今日はありがとうございました。今日の負けは非常に悔しいです。試合をやっていて、僕らがやりたいラグビーをやらせてもらえなかったというのは素直にありますね。上がるディフェンスで相手を止めたかったのですが、神戸製鋼さんは常にオプションがあった。前のオプションと後ろのオプションと、横のパスのオプションと、あとは外。それを常に持っていたので、僕らはそれに振り回されたかなと思います。

監督が言ったように、もう一歩レベルアップするしかないので。今日は神戸製鋼さんから学ぶことが多くあったので、これを持ち帰って、来週の試合に必ず生かしたいと思うし、負けないためにチーム一丸となってレベルアップしていきたいと思います。

 

(SOダン カーターの脅威をどう感じたか)見ればわかるように、試合に出ている間、一貫性がずっとあって、自分の役割をリードしてやっているなと。僕らもプレッシャーをかけたかったんですけど、彼のデシジョン(意思決定)によってかなり振り回されていたなというのが正直あります。すごい一貫性を持っていた。高いレベルで。

(ダン カーター対策として考えたことは)どの試合を見ていても、彼はディフェンスの隙を突いてくるというのはあったので、僕らはそこをノミネートし続けてコネクションを切らさないというのを意識していたんですけど、それをしっかりやってラインを常に上げ続けるという。これはダン カーター対策というかうちのラグビー、ディフェンスをやるということですが。それをすることができなかった。

(学んだこととは?)例えばですが、僕らはディフェンスにおいては上がりたいんですけど、相手がひとつパスすることによって、1対1の局面が生まれますよね。神戸製鋼さんは常にそれをやっていました。3人FWがいたら、必ず内か外かどちらかにパスすることによって1対1の局面が生まれて、ゲインすることができる。僕らはそこでディフェンスが巻き込まれてしまう。僕らもアタックにおいてはやりたいプレーとして意識しているんですが、それ以上に神戸製鋼さんはこのワンパスの部分を徹底してやっていた。それによってディフェンスをタイトにさせられました。【以上共同記者会見にて】

CTBティム ベイトマン

すごく残念でした。1ヶ月くらいプランニングしてきて、エフォート(努力)はあり、準備も良かったと思います。でも今日の現実としては、神戸製鋼のほうがディテールを押さえてきた。本当に小さなことだったりするんですけど。アタックのシェイプも似ていると思うんですね。でも彼らは自分たちのアタックをより高いレベルで実行してきた。FW間でのパスなどにも結構プレッシャーを感じました。ラインスピードを上げて彼らの時間を奪いたかったんですけど、彼らに前に出させ、逆に自分たちにプレッシャーをかけてしまった。悔しいですね。

(試合中、マインドセットなどについてチームに伝えたことは)我々のディフェンスで相手のアタックをコントロールできないと感じたのは多分今回が初めてでした。ここまではそれができていたと感じていたので。

それもあって、円陣を組んだときのみんなの顔がショックを受けたように見えました。だから「神戸製鋼は自分たちのベストをぶつけてきている。僕らができることは“次の仕事”を決めてやりきること。次のタスク、次のタスク、1個ずつ決めていくことが大事だ」と話しました。

また、20点以上の点差がつき、勝つためには時間が足りないという時間帯があったと思うんですが、そのときには「ここまで戦ってきたんだから、最後まで降参せず戦おう」と。そんな声かけをしましたが、メンバーは応えてくれて、最後までハードに頑張ることができたのではないかと思います。

(最後まで戦っていく姿勢は、このあとの試合に生きてくる)そうですね。本当に学べるところはあったので、来週でも、6ヶ月後でも、いつか振り返ったときに、ターニングポイントとなる試合にできたらと思います。

今はまずディテールの部分をみんなでしっかりやり続けないといけないと思います。このレベルでの差はそういうところ。みんなハードワークしているし、みんなアスリートだし、似たようなシェイプをやっている。その中での差というのは、ディテールを全うできるかどうか。そういうところだと思います。

 

CTB牧田旦

選んでもらえたのは、自分のパフォーマンスを見てもらったからだと思うので、それを全力で出し切ることだけを考えてやっていたんですけど、神戸製鋼さんに、こちらのミスを突いたものも含めてですけど、いいアタックをされて。運も少し向こうにいったかなというのもありますが、細かいところの精度は向こうのほうが少し良かったかなと。

自分たちのパフォーマンスとしては悪くはなかったと思います。精度にこだわれればもっといいラグビーやれたかなと。一つひとつの動作。一人遅かったり、一歩遅かったり。もう少しだけ僕たちがパフォーマンスのパーセンテージを上げられれば、こんなに点差が開くことはなくて、もっと僅差で競った試合にはできたとも思います。

 

(バリエーションのある、これまでの相手とは違うアタックだった)確かに精度では抜けていると思います。ただ、それでもミスはあったので。そのボールを自分たちのものにしなければいけなかった。プレッシャーをかけきれなかった。

次はショートウイークなので、コンディションをうまく整えて、5位を目指していきます。

文:秋山健一郎

写真:川本聖哉

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