【レビュー】トップリーグ 第13節 vs キヤノンイーグルス戦

2017.12.29

2トライを先制されるも、修正し前半のうちに逆転に成功

16チームが2つのカンファレンスに分かれ、それぞれ13試合を戦ってきたトップリーグも最終節。前節カンファレンス3位という順位が確定し、5位から8位を決するトーナメントに進むことが決まったリコーは、今シーズン唯一の順位決定に関与しない試合を戦うこととなった。しかしトップリーグ最多の9勝、勝ち点のさらなる上積み、そして“事務機ダービー”としての周知も進んだキヤノンイーグルスとの対戦と、モチベーションを高く保つ材料に事欠かない一戦となった。

リコーのキックオフで試合が始まる。互いにキックを使って敵陣侵入のチャンスを探っていく。ハーフウェイを挟んでボールが行き来するが、リコーがやや蹴り負け、リコー陣内10mライン付近のラインアウトとなる。(前半6分)

キヤノンはこれをキープして、左サイドから少し深めのラインに展開。右サイド、22mラインまでもう少しのところにポイントをつくると折り返し、右中間から10番が長いキックを左サイドに蹴る。このキックパスに大外に立っていた4番がキャッチ。SO木上鴻佑がタックルに行くが届かず、そのまま左隅にトライ。キヤノンが周到な準備をうかがわせるプレーで先制。CVも成功し0−7。(前半8分)

再開後、リコーは敵陣でスクラムを得てアタックを仕掛けるが、ミスが出てフェイズを重ねられない。相手にボールを渡し押し戻されてしまう。リコーは右サイド、ハーフウェイ付近のラインアウトから、LOフランコ モスタート、PR辻井健太がディフェンスラインに挑んでいく。しかし左中間でつないだパスが乱れ、こぼれたボールを相手14番が獲得。裏に抜け出すと、13番、15番、13番とパスをつないで、追いすがるリコーディフェンスを振り切って22mラインを突破。内に戻し14番につないでトライ。CVも決まり0−14。ターンオーバーに対し、複数の選手が連動し獲り切るアタックで連続ポイントを許す。(前半14分)

勢いに乗るキヤノンはさらに、リコーのラインアウトのこぼれ球を確保。展開すると裏へキック。これをチェイスしリコーの最終ラインにプレッシャーをかける。リコーはCTBアマナキ ロトアヘアがなんとかボールを守ったが、トライライン間際まで下げられる。

インゴールからのキックはタッチを割らず、再びキヤノンがアタック。ここはノックオンに救われリコーのスクラムとなる。ウォーターブレイクの最中、リコーは流れを変えるべくコミュニケーションをとっていく。(前半17分)

エリアを戻したリコーは、相手が裏に転がしたキックを拾うとパスをつないでゲインを図る。各選手が少しずつ食い込んでいきじりじりと前進。ハーフウェイ、敵陣10m、22mと攻め込んでいく、20フェイズを超える我慢強いアタック。ここはキヤノンのホールディングでプレーが切られ、リコーはPKを得る。FB中澤健宏が長いキックでタッチに出しトライを狙っていく。(前半22分)

左サイド、22mライン付近のラインアウトモールをリコーが押す。5mライン付近でキヤノンにオフサイド。再びPKをタッチに出し、またラインアウトモールからトライを狙う。しかし今度は組ませてもらえず、ラックに移行。サイドアタックを仕掛けていく。だがラックからこぼれたボールをキヤノンに奪われると、タッチキックを蹴られやや後退。

3度目の22mラインの内側でのラインアウトとなるが、これを奥で合わせ、LOロトアヘアポヒヴァ大和につなぐと中央を突いていく。右に出し、フェイズを重ね突破を図る。再び中央へ戻しラックにすると、これに入ったLOモスタートが相手2番をつかみ、それに対し報復行為が発生。テレビジョンマッチオフィシャル(TMO)の結果、双方にイエローカードが出され一時的退出が科された。リコーとしては今シーズン初のカードとなった。さらにCTB牧田旦が脳震盪の恐れがあるとしてHIAを受けるため一時退出。替わって深津健吾が入る。(前半26分)

中央、ゴールまで5mの位置でのリコースクラムで再開。キヤノンは7人でスクラムを組み、ディフェンスラインを揃える。リコーはNO.8コリン ボークが持ち出して右中間を突く。そのままインゴールに達しトライ。WTB高平が蹴ったCVは外れたが5−14と点差を詰めた。(前半28分)

再開後、キヤノンが蹴りハーフウェイ付近に落ちたハイパントがリコーに入り、アタック開始。リコーはここも粘り強くフェイズを重ねていく。ラックでボールを奪いにきたキヤノンがオーバーザトップ。WTB高平が30m強のPGを決めて8−14。(前半33分)

徐々に自分たちのペースにもちんでいくリコーは、自陣浅めでスクラムを得ると、これを起点にフェイズを重ねていく。決して相手のプレッシャーがかかっていないわけではない中、しっかりとボールを守りフェイズを重ねていく。22m目前で止められていたが、自ら仕掛けたSO木上鴻佑がタックルをはずして抜ける。さらに高平、深津とつないで前に出ていく。

応援団のコールに呼応するかのように、リコーのアタックのテンポが上がる。SH中村正寿がインゴール右隅を狙ってゴロキック、これが相手の手を弾きノックオン。こぼれ球をPR大川創太郎が身を呈して確保しアタックを継続する。

中央に展開しNO.8ボークが突進。また右に戻しWTB深津が鋭く突くと止めにいったキヤノンにハイタックル。アドバンテージが出た状態でリコーが攻め続け、LOロトアヘアポヒヴァ大和が突進、インゴールに持ち込むがグラウンディングできず。ここで、退出時間を終えながらリコーの長いアタックで戻れていなかったLOモスタートとCTB牧田が復帰。(前半42分)

ホーンは鳴っていたが、ペナルティのあった位置に戻しPK。右サイド、ゴール前ラインアウトからリコーがモールをつくり押す。キヤノンのモールコラプシングでアドバンテージが出る中、ラックに移行。オープンサイドをCTBアマナキがボールキャリー。CTB牧田、HO森雄基のサポートを受け力強く前へ出てトライ。角度のあるCVも決まり15−14。(前半44分)

2トライを先行されたものの、その後は攻め続けたリコーがリードを奪い返して前半を終えた。

“ダービー”らしい熱い戦いに。再整備したディフェンス生かしリコーが勝利

主導権を奪ってみせたものの、スコア上は1点差。最初のスコア次第で試合の流れは変わりうる後半の入りは、キヤノンのアタックで始まる。フェイズを重ねリコー陣内22mラインの内側に入っていく。ただリコーはこれを冷静に受け止めると、こぼれ球をCTBアマナキが拾い、外のWTB渡邊昌紀につなぐと一気に加速。右サイドタッチライン際を一直線に走り、タックラーを振り切ると内に入り右中間にトライ。ターンオーバーからの鮮やかなアタックでリコーが追加点。CVも決まり22−14。ここでPR辻井に替わり眞壁貴男。(後半5分)

再開後はリコーがアタック。ミスをせずフェイズを重ねて突破口を探る。キヤノンは外側で思い切ってラインを上げ間合いを詰めるディフェンスでこれを止めようとするが、好調CTBアマナキのゲインなどで22mラインを越えていく。さらに攻めると、キヤノンの選手がラックでオフサイド。ほぼ正面、22mラインの少し手前からリコーがPGに成功。25−14。(後半10分)リコーはPR大川に替わり柴田和宏。(後半11分)

セーフティリードまでもう少しまできたリコーだったが、ここからキヤノンが攻めに回る。リコーのキックミスでリコー陣内に入ると、ラインアウトからゴロキックを蹴り、さらにラックでターンオーバーを見せる。トライラインが迫ったが、SO木上が鋭いタックルでランナーをタッチラインの外に押し出し、危機を逃れる。

ラインアウトからのキックで一度押し戻すが、キヤノンはブレイクダウンで激しくボールを奪いにいってPKを得ると、リコー陣内に再侵入する。22mラインの内側のラインアウトを起点に攻める。ギャップを見つけた10番が独特のランコースで走り込みブレイク。パスを出した9番がしっかりフォローし、10番からパスを受け左中間にトライ。CVも決まり25−21。リコーはSH中村正に替えて山本昌太。(後半16分)

僅差となったが、ここでリコーが再びペースを握る。アタックを仕掛けたSO木上に対しホールディングの反則。リコーはPKで前進し敵陣に入る。22mライン付近のラインアウトから左中間をモールで押しゴールに迫る。ほぼ正面のゴール前にラックをつくりサイドを突いていくとキヤノンに反則。リコーはPGを決めて28−21とする。(後半21分)直後にCTBアマナキに替わりロビー ロビンソンが入りSOに。木上がCTBに回った。(後半22分)

しかし、逃すまいと食らいつくキャノン。インパクトプレーヤーとして入った22番(WTB)らを使い攻めると、リコーはラックで反則。正面、約25mの位置からPGを決めてキヤノンがまた点差を詰め28−24。リコーはFL福本翔平を赤堀龍秀に、WTB高平を深津ヘ入れ替える。(後半26分)

クロスゲームのまま終盤に入っていく。キヤノンがリコー陣内浅めで攻め、リコーがしっかりとした組織でディフェンスし跳ね返す場面が繰り返される。そして10mライン付近のラックでWTB渡邊がボールを奪い、LOポヒヴァ大和に渡す。ポヒヴァ大和はボールを前方に蹴り飛ばす。ボールは敵陣深くまで転がり、トライライン間際で止まる。これをキヤノン10番が拾いインゴールに持ち込んでグラウンディング。キャリーバッグとなり、右中間の位置でのリコーの5mスクラムとなる。ここでLOポヒヴァ大和を馬渕武史に、HO森を芳野寛に入れ替える。(後半31分)

リコーがスクラムを押し込む。これまで以上に芝生が動き、力が入っているのがわかる。NO.8ボークがアタックと見せかけてSOロビンソンへパス。さらにCTB牧田をおとりに使って裏のCTB木上へ。木上はタックルを浴びながらも外のWTB深津へパスを投じる。ショートバウンドとなったが、これを深津がしっかり拾いインゴール左隅にトライ。FB中澤が狙った角度のあるCVは外れたが33−24。再び7点差とした。(後半33分)

直後、リコーがディフェンスでプレッシャーをかけていくと、キヤノンがパスを落とし10m付近でノックオン。これをNO.8ボークが拾うと、ノールックでCTB木上にパス。木上は右サイドタッチライン際を走る。SOロビンソンがその内側フォローして走り、木上を追うディフェンスのランコースを消す。木上はインゴール手前で内側に入り、右中間にグラウンディング。トップリーグ初トライを記録した。CVも成功し40−24。(後半36分)

最終盤、キヤノンのアタックをしのぐ中ホーンが鳴る。すると乱れたパスをCTB牧田が拾い、左中間を前方へ走る。22mライン付近でポイントをつくりアタックを仕掛けるが、互いにラックでターンオーバーを見せるめまぐるしい展開となりスタンドが沸く。最後はリコーにノックオンが出てノーサイドを迎えたが、40−24でリコーが勝利。マンオブザマッチにはCTB牧田旦が選ばれた。

40点は今シーズン最多得点となる。ターンオーバーからのスコアも多かったが、ここ数試合安定感を見せているラインアウトもアタックの起点となっていた。ミスやペナルティを抑え、我慢強くフェイズを重ねていくアタックもリコーらしいものだった言えるだろう。先発SOを任された木上は攻守で持ち味のアジリティでスペースを突き存在感をアピールした。

レギュラーシーズンを9勝4敗、勝ち点43で終えたリコー。次戦はレッドカンファレンス4位の神戸製鋼コベルコスティーラーズと順位決定トーナメントを戦う。1月6日(土)、11時半から秩父宮ラグビー場での勝負の一戦には、離脱していた選手の復帰も期待される。成長を遂げた若手と復帰を果たす実力者たちの力を融合させ、まずは昨シーズンに並ぶ6位の確保を狙う。

「選んでもらったことで沸いてきた自信。周りのサポート。その中で、思い切ってやれている」(WTB深津健吾)

神鳥裕之GM兼監督

今日はどうもありがとうございました。毎年キヤノンさんとのゲームにおいてはたくさんのファンの方に足を運んでいただいて、素晴らしい環境でゲームできたことに感謝申し上げたいと思います。今日のゲームに関しては、先週大敗した後のゲームでしたので、しっかりと自分たちのスタンダードを戻すといった意味でも大事な試合でした。入りのところで、キヤノンさんのディフェンスに手こずった部分もあったのですが、最終的にスコアで上回れたというところはよかったと思っています。特に今日は若い選手、SO木上(鴻佑)であったり、WTB深津(健吾)、WTB渡邊(昌紀)、このあたりしっかり経験を積んで、トライを獲ったり、よいパフォーマンスを見せてくれたことはチームにとっても大きな収穫だったと思います。これからは負ければポジションが下がっていくトーナメントになりますので、しっかりとコンディションを整えて年明けに向けて準備していきたいと思います。

(今シーズン伸びたもの、またトーナメントに向けて磨いていきたいものは?)

今シーズン通して言い続けてきたことは、ディフェンスの部分。ここは非常にチームとして安定感を出せた部分で、ゲームでしっかりとパフォーマンスを出し続けられている大きな要因だと思います。一発一発だけではなくて、ひとつのタックルの後の仕事、次に向かう姿勢であったり、ワークレートの部分であったり、あとはそのオーガナイズ、横の選手とのつながり、チームとして守る組織のディフェンス、そういったところも含めたディフェンス全体の安定感というのが、今シーズン戦えている要因だと思っています。

年明けからの戦いはトーナメントなので、そこの部分はより問われると思いますので、スタンダードはしっかりキープしたいと思っています。我々としてレベルアップしなければいけないのは、アタックブレイクダウンですね。クイックボールを出すために、しっかりアタックの精度を上げていく。ブレイクダウンの精度であったり、ボールキャリーであったり、セカンドマンのスペースであったり、こういったところはもっとレベルを上げていかないといけない。ディフェンスだけではトップは獲れませんので、短い期間ではあるんですが、修正していきたいと思っています。【以上共同記者会見にて】

(序盤、若干バタバタした)獲られたトライも1つめは、キックパス1本だったのでそんなに気にはしていなかったんですが、2つめですね。あのあたりの時間帯はプレーが全部ミスで終わっていたのが気になりました。持ち込みながらこぼして終わったり、単純なハンドリングエラー、ボールキープができなかったりといったミスがつながりトライを獲られてしまったので、浮き足だっていた感じはありましたね。できるだけモチベーションを持たせて、このゲームに入れるようにしたんですが、いろいろあったのかもしれませんね。先週の大敗で消極的になっていたのかもしれませんし、自信を取り戻す時間が必要だったのかもしれません。

(モチベーションの持たせ方とはどのようなものだったのか?)年明けのトーナメントを戦う上で、このゲームが一番大事だという話をしました。ここからトーナメントが始まっているというぐらいの気持ちでやろうと。相手は東芝や神戸製鋼、トヨタ自動車と、厳しい相手が来ることが予想されていたので、キヤノンとの試合を消化試合と位置付けているようでは絶対にうまくいかない。トーナメントの1回戦という気持ちでプレーさせるためのメッセージは出していました。

(戦い方のポイントはどのあたりに?)結果的には外国人選手の使い方を向こうが変えてきたのですが、外側に(ホセア)サウマキ選手を置いてくるかなと考えて、そういった選手に対してのプランをつくっていました。ボールを持たせると脅威になるのですが、ハイボールの処理はそこまで得意としていないようだったので、彼のところにはコンテスタブルなボールを蹴って、走らせないようにしようと。うまく処理されてしまった場面もありましたけどね。

あとはキヤノンのディフェンスの癖の部分ですね。外側から飛び出して、内側にボールキャリーを入れようとして、外側のディフェンスをしっかり残すようなやり方をしてくるので、飛び出してきたディフェンスに驚かずに、その選手に向かってハードなチョイスをすると。そうするとディフェンスを使うことになるので、外側のスペースがつくりやすい。そういったプランの準備をしていました。このあたりはしっかりやっていたのではないかと思います。ただ、そういったプランは実行できていたんですが、最後のフィニッシュのところでぽろっとこぼしてしまっていたのが前半最初の10分、15分くらいだったのかなというところですね。

(そこからうまく修正した)ゲームの流れを上から観ていて、FWのフィジカルバトルのところは勝つことができそうだという感触はかなりありました。落ち着いて戦えばゲインはできると。最初の10分、15分くらいのキヤノンのディフェンスのテンションはすごく高かったのですが、そのあたりの強度も徐々に下がってきていました。前半最後のトライなどは顕著な例ですよね。近場の部分でアドバンテージが獲れていたことで生まれたトライ。ですので後半に向けては、かなり自信を持つことができました。(その時間帯には今シーズン初のイエローカードも出た)実はかなりこだわっていたので、少し残念でしたね。

(そんな中でも後半はキヤノンも粘りを見せてきた)向こうのテンションは高かったですね。シーズン中盤から過去数試合の映像を見ましたが、それに比べると、このレギュラーシーズンの締めとしてのリコー戦をしっかり戦いたいという気持ちが表れていたと思います。それもあって我々としてもとどめを刺せなかったですよね。非常に素晴らしかったと思います。

(そしてターンオーバーが絡んだトライで突き放した。ディフェンス力が生きたスコア)ディフェンスは今までも良かった試合はあるのですが、ボールを獲り返してからトライまで持っていくというケースが後半戦、NTTドコモ戦あたりから見られるようになってきました。アンストラクチャーな状況でトランジション(攻守交代)ができたときにトライが奪えるようになった。これは後半戦までにチームが成長できた部分だと思います。ただこれと併せて、自分たちが仕掛けて獲りたいトライも獲れていれば。クイックボールを出してスペースをつくって、ボールを運んでトライを獲るというのもできていれば、本当の成長なんですけどね。まだまだです。成長の領域はあるということです。

(次は神戸製鋼。調子を戻してきている)すごいですね。手強い。だからこそチャレンジしがいがあります。過去数年でみれば長くトップ4を守ってきたチームでしたので。それに勝つことの価値の重さは、ラグビーをやってきた人間としてやっぱり感じます。大きなモチベーションになりますし、しっかり勝って5位の価値を高めたいですよね。今のチームならできると思っています。

(メンバー的には)LO(ブロードハースト)マイケル、CTBタマティ(エリソン)、CTB濱野(大輔)、WTB(長谷川)元氣も戻ってきてくれると思います。今日のゲームに関しては、SO木上、WTB深津、FL福本などがトップリーグの場をしっかり経験するだけではなく、結果をしっかり残して勝てたというのが、チームとして非常に大きいです。そこにシニアメンバーが戻ってくるので、またしっかりと競争してもらって、チームのレベルアップにつなげていきたいと思っています。総力戦ですね。年明けは皆さんにもできるだけ足を運んでいただければありがたいです。

LO馬渕武史キャプテン

今日はどうもありがとうございました。試合の方は入りでプレーの精度を欠き、キヤノンさんに先に2本獲られてしまったのですが、そのあとはしっかり戦えたかなと。再来週から順位決定トーナメントがありますが、それに向けて大きな勝利を挙げられたと思っています。この内容をつなげて、あと2勝したいです。5位というところを目標にしてしっかりと盛り上げていきたいと思います。【以上共同記者会見にて】

(試合をどのように観ていたか?)最初はちょっとよくなかったですね。少しバタバタしていた感じはありました。ただ前半の途中から修正が出来てきて、継続して我慢してボールキープしていたのがよかったと思います。止められても、FWもBKもしっかりブレイクダウン入っていた。ディフェンスも我慢が大事ですが、今日はアタックの我慢がよかったのかなと。

あとはセットプレーが安定していたので、2トライ獲られてもそのあと崩れていきそうな気配はなかった。ラインアウト、そのあとのモールも結構押せていましたよね。ペナルティを何回ももらったり。あそこも安心して観ることができた理由だったのかなと思います。ゴール前にいけばある程度押せるだろうというのがありました。後半は、1本トライ獲られたところありましたけど、あれはコネクトに問題が出たところを、シンプルにSOにいかれたものだった。

(ここからが勝負となってくる)そうですね。ここで勝たないと8位まで落ちてしまう可能性もある。でも昨シーズンはプレーオフがなかったし、その前のシーズンはそこまでいけませんでしたから、素晴らしい舞台で強いチームと勝負できるのは嬉しい。しっかり勝って5位になって、来シーズンもう一度トップ4を狙う足がかりをつくりたいと思います。まずはディフェンス。またFWが強烈な相手なので、セットプレーがカギになると思っています。

SH中村正寿

(試合の入りはプレッシャーがあった?)かかっていたのは事実で、受けてしまったというのはある。とにかく自分たちのアタックができていなかったので、戻そうと。それから逃げずにダイレクトにいこうといったところ。それをゲーム中に話して修正することができたと思います。

(FWで当たっていけば前に出られそうだと)FWは強いですし、ボールを持ったら前に持っていってくれるだろうと、そこには自信が持てていました。BKが若く、経験値という部分で欠けていた部分があったので、いつも通りとまではなりませんでしたが、まあ、ディフェンスはまずまずできたと思います。

(ディフェンスのスタンダードを取り戻すことは、今後に向けて重要なテーマだった)やはりディフェンスは第一に考えていました。メンバーがかなり変わったことでやろうとしていることができていないというのもあると思います。でもそれを言い訳にせずに、いつも通りのディフェンスをやろうと。前回の試合よりも改善できていたと思います。今は全員が同じフェイズに乗れていて、やることが明確になってきています。それはプレーにも表れていると思う。このメンバーが出るからこの試合ができて、違うメンバーが入ったら負けるっていうチームにはしたくないので。誰が出てもいろんなプレーができるためのトレーニングを進めています。

(次戦に向けてどんな準備を?)この試合でも、やるべきことでできたのは半分くらいだと思います。アタックもディフェンスも。自分たち次第で変えられることはたくさんある。それに全員で取り組んでいかないと勝てないと思うのでやっていきたいですね。神戸製鋼は外国人選手が多いですが、前で止めて行ければと思います。

WTB深津健吾

(終盤チャンスを得て、結果も出せているが?)できることをひとつずつやっていかないことには、アピールにもならないし、メンバー定着もできない。けが人が多い状況ですが、自分のできる仕事を最大限やることが大事だと思っているので、そういう意味でしっかり結果が出せたのは良かったと思っています。

(準備はできていた)今シーズンは特に前半戦はメンバーに上がることは少なくて。シャドーメンバーには入れたんですが、そこから上がることができずにいました。メンバー外で準備する時間のほうが長かったんですが、一つひとつの練習を大事にして、積み重ねた結果やっと出られたという感じですね。

(トップリーグ初出場からはかなり空いていた。緊張もあったのでは?)そうですね。1年目に1試合出てからはずっと空いていたので。でも、選んでもらったことで沸いてきた自信もあったし、周りのサポートもあったので、思い切ってやることができました。

(昨シーズンと今シーズン、個人的に何か変化はあったか?)これが変わったというものは思い当たらないのですが、いつも会社の方々に応援してもらってきたので、そろそろトップリーグに出なきゃいけないなっていうのは感じていて、自分からどんどんアピールしなきゃいけないなっていうのはありましたね。今日も同じ部署の方が観に来てくださってて、試合後も「すごいよかったよ」と声をかけてもらいました。また喜んでもらえるように、まずはメンバーに残ることを目指して頑張っていきたいと思っています。

FB中澤健宏

試合の序盤はブレイクダウンでプレッシャーを感じていて、そこでターンオーバーがあったときにそのまま攻められて、エリアも獲られて、悪い流れになってしまいました。そこからブレイクダウンのところを修正できたので、ボールが継続できて、エリアも獲れて、自分たちのペースに戻せたのかなと。ブレイクダウンで絡んでくるなというのは感じていたので、それを一人ひとりが意識したのと、ハーフタイムのスタッフからのアドバイスなどを通じて改善が図れたのだと思います。

(ディフェンスの修正がテーマの試合だったと思う)1人目のタックルが決まれば、自分たちのディフェンスができる。そのためには早いポジショニングとコミュニケーションが大事なので、そこをしっかりと練習して、試合で出せたのはよかったと思います。

(若手も多いが、いいクオリティが出せたのでは?)自分もそうですけど、シーズン途中から出てきたメンバーが自分の仕事を果たせるかはリコーの強さにつながると思っているので。普段の練習からトップリーグを意識した高いレベルでやることが大事なのだなと思っています。

(キック、キャリーの判断などのどれも適切だったように映った)カウンターするか、エリアを獲るかは意識をしていて、時間帯とかボールをキープすべき場面かどうかとか、そういうことを考えて判断しています。40mのラインを越えたらキャリーしようとか、そういうアウトラインはコーチとも共有できていて、それが明確にできたことも自信を持ってプレーできている理由かなと思います。余裕がなかった頃は、味方からのコールも聞こえづらかったように思います。それがだんだん聞こえるようになってきて、そうするといい判断ができますし、その味方と連携してアタック、ディフェンスができるようにもなりました。

(欠かせない存在になりつつあると思うが)いや、まだ1試合1試合の評価で、出られるかどうかが変わる立場だと思っています。やはりいい選手が多いので。今日もアタックの判断、キャリーするのか、パスをするのか、それをもっと早く決断していればパスミスもなかったはずですし、思い切りスピードに乗って当たるプレーができなかったところもあったので、それらは課題ですね。2人目のSOのような役割もあるのがFBなので、FWに情報を提供するなどして、もっとアタックをオーガナイズできるようにならないといけない。これは意識して練習していきたいと思っています。

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