【プレビュー】トップリーグ 第8節 近鉄ライナーズ戦
2017.10.14
今シーズンのトップリーグは1週早く休止期間(ウインドウマウス)に入る。そのため、前半戦は今週末の第8節(15日)の近鉄ライナーズ戦、来週末の第9節(22日)の神戸製鋼コベルコスティーラーズ戦を残すのみとなった。
今節の相手の近鉄ライナーズはレッドカンファレンス7位だが、ここまで3勝4敗、勝ち点12を積み上げており、ケガによる離脱者を出しながらも粘り強い戦いを見せている。昨シーズンも13位に終わったものの、リコーとの直接対決では24−31と熱戦を演じており、今節もきわどい戦いになる可能は十分ある。
前節のトヨタ自動車ヴェルブリッツ同様、近鉄もFWのフィジカル、またセットプレーを生かした戦いを強みとする。前節のクボタスピアーズ戦は14−28で敗れたものの、ゴール前スクラムでプレッシャーをかけ、サイドアタックでトライを奪ったシーンも見られた。リコーは前節の後半苦しんだスクラムを修正し、しっかり対応したい。また、ここまで全試合フル出場を続けるLOトンプソンルークらを生かし、97.1%というトップリーグNo. 1の成功率を誇るラインアウトにも挑んでいきたい。
今節の会場である西京極総合運動公園のある京都府の15日の天気予報は雨、降水確率80%となっており(13日現在)、両チームのメンバー選考からは、それを意識した様子も見て取れる。リコーは南アフリカ代表としてのプレーを終え合流したばかりのフランコ モスタートとロトアヘアポヒヴァ大和をLOに、ブロードハーストマイケルをFLに入れた。近鉄FWとのフィジカルバトル、ダイレクトプレーの選択が増える悪天候、双方への対応を図る。
近鉄もSOを変更。ここまで全試合に先発出場してきた野口大輔をリザーブに回し、ベテラン重光泰昌が今シーズン初先発する。悪天候時に重要性を増す的確なキックによるエリアの確保と、安定感のあるプレースキックでのスコア獲得を意識したようにも映る。リコーは前節キックによるエリア争奪でもやや後手に回ったが、今節はきっちり蹴り勝ちたいところだ。
その他近鉄では、昨シーズンはスーパーラグビーのウェスタン・フォースでプレーし、現在4試合連続トライ中のFBセミシ・マシレワは脅威だ。力強いボールキャリーを繰り返し、チームに貢献している。リコーはリザーブながら第4節のヤマハ発動機ジュビロ戦以来のメンバー入りを果たしたPRアレックス ウォントンに、スクラムはもちろんアグレッシブなフィールドプレーでも期待したい。
本来であれば、ランプレーでディフェンスを掻き乱し、BKの切れ味でトライを狙っていくような戦い方も有効なトヨタ自動車、近鉄といった相手との対戦時に悪天候が続きそうなのは実に歯がゆい。だが、相手の強みが生きる状況でねじふせてこそ本当の強者だ。必ず勝利をもぎ取りたい。