【Review】トップリーグ 第14節 vs 宗像サニックスブルース戦
2017.01.12
過去最高の成績に向かって、ラストスパート図るリコー
2003年から始まったトップリーグにおける、リコーの最高順位は7位だ。現在はアドバイザーを務めるスティーブンラーカム(SO/FB)の現役最終年となった2010-11シーズン(6勝7敗)、マア ノヌー(CTB)がプレーした2011-12シーズン(7勝5敗1分)に記録している。今シーズン、第13節を終えて上位と僅差の8位(6勝7敗)につけたリコーは、この順位を上回る可能性を残していた。上位6チームに入ることは、チームとして掲げてきた目標でもある。それに、あと少しで手が届くところまでやってきた。
12月24日に豊田自動織機に快勝したチームは、30日に行われたキヤノンとのBマッチにも勝利(26-22)。出場機会には恵まれずとも、しっかりと準備し続けた選手たちが気持ちの入ったプレーを見せチームを勢いづけた。年が明け迎えた第14節、宗像サニックスブルース戦のスターティングメンバーには、そのキヤノン戦で2トライを挙げたルーキーWTB山内俊輝が初めて名を連ねた。
底冷えする寒い日、さらには試合開始時刻とほぼ時を同じくして雨も降り出した東京・駒沢陸上競技場にホイッスルが響く。リコーの今シーズンラストのホームゲームが始まった。サニックスのキックオフ。
最初のアタックはサニックス。リコー陣内のラインアウトから、ボールをワイドに動かしてはステップを駆使して仕掛け、22mライン付近でリコーディフェンスを崩しにかかる。
しかしリコーは冷静に対応し突破を阻むと、こぼれたボールを確保してキックでタッチに出す。サニックスが得意とするアンストラクチャー(互いに陣形が崩れた状態)からのアタックをさせまいと試合を切っていくリコー。
ラインアウトでサニックスがノックオン。リコースクラムとなる。(2分)自陣浅めのスクラムから展開、キックを蹴り込むとサニックスの返しのキックがダイレクトタッチ。これでリコーは敵陣に入る。
マイボールラインアウトからアタック。SOタマティエリソン、LOロトアヘアポヒヴァ大和らが密集に身体をねじ込んでゲインしていくとサニックスにハイタックル。リコーはPKを蹴り出す。右サイド、22mラインの内側でラインアウトを得る。
ゴールまで約10m。ラインアウトモールを組む。5mほど前進しラックに移行すると、広いサイドにパスを出し縦。すると次のフェイズは、SH山本昌太が狭いサイドへ。右サイドでパスを受けたSOエリソンは、スピードに乗って走り込んだFB小松大祐にパス。ディフェンスラインのギャップを鋭く抜けると右中間インゴールへ。
キックで敵陣に入りラインアウトモール、FWの力強いキャリーを挟んでBKで仕留める鮮やかな攻撃でリコーが先制。SOエリソンが蹴ったCVははずれたが5−0。(8分)
再開するとサニックスがアタック。雨足が強くなる中、こぼれたボールの争奪でリコーがプレッシャーをかけラックを獲りにいくと、ボールを守ろうとしたサニックスに倒れ込みの反則。リコーはPKを右サイドに蹴り出して22mラインの内側へ。
ここもモールで前進を狙う。しかしうまく組めずラックに。中央をCTBアマナキロトアヘアが突破、ゴールに迫るが惜しくもその手からボールがこぼれる。ボールを拾ったサニックスは、15番が22mライン付近からキック。リコー陣内深くへ蹴り込む。
これをFB小松が確保すると、チェイスしてきた14番のプレッシャーをうまくいなして前へ。サポートが駆け付けラックをつくりボールをキープする。左中間から順目に突きながら右中間へ運ぶと、SOエリソンがキック、そしてチェイス。敵陣の相手のいないスペースに落とすと、ボールを拾いかけた相手選手にタックルして排除。すかさずリコーの選手が集まりボールを確保。再び敵陣に侵入。
22mライン付近でFWが突進。ディフェンスを引きつけると、右中間でパスを受けたSOエリソンが右サイドに深いラインを敷いたBKへ。CTB牧田旦、アマナキ、WTB渡邊昌紀とつなぐと、タッチライン際のスペースを加速。ゴール目前でディフェンスに捕まったが、すぐさま離し内側をフォローしていたCTB牧田へオフロードパス。牧田は無人のインゴールへ持ち込みトライ。牧田が親指を立てて渡邊を称えた。CVは不成功もリコーが追加点。10−0。(14分)
雨中の我慢比べに勝利。苦しい時間を耐え、さらにスコア
いいアタックで2トライを奪ったリコーだったが、アクシンデントが続く。
再開のキックを巡るブレイクダウンで、WTB渡邊が相手8番と激しく交錯。脳震とうの確認をするためのHead Injury Assessment(HIA)で一時交替。代わってFBピータース ダニエルが入りFBへ。小松がWTBへ。(15分〜23分)
リコー陣内22mラインの内側でサニックスが攻める。リコーはうまく脱出できず、ディフェンスの局面が続く。20分、ラックからボールを出しにいった相手9番が転倒。こぼれたボールを奪いかけるが、ラックで倒れていた選手の手が9番の足首にかかっていたとして、テレビジョンマッチオフィシャル(TMO)が行われた。リコー側の不当なプレーと判定されイエローカード。FL武者大輔が10分間の一時的退出を科された。
リコーFWが1人少ない状況、位置も中央ゴール前。サニックスはスクラムを選択する。リコーは試合の流れを渡さないためにも、簡単に失点を許したくない状況だったが、ここでFWが奮起。7人でしっかり押し返すと、相手8番からボールを受け取り飛び出した9番にSH山本が素早く詰めて倒す。そこにサポートが押し寄せ、ボールを乗り越える。鮮やかなターンオーバー。
SOエリソンがキックを蹴るがタッチを割らない。カウンターを狙うサニックスに対し、CTBアマナキが飛び出してプレッシャーをかける。うまく止めたがハイタックル。サニックスがPKをタッチに出し、再び自陣へ押し戻された。リコーは我慢の時間が続く。
ラインアウトモールに対しうまくディフェンスし前進を阻むと、サニックスはボールを出せずアンプレアブル。リコーボールのスクラムとなる。マイボールはWTB渡邊を加えた8人で組むと、完全に圧倒し前進。ついにはコラプシングを獲る。PKを蹴り出して前へ。リコーはハーフウェイまで押し戻す。
しばらく中盤での攻防が続いたが、ラインアウトからモールを組んだ際、リコーのボールを持った選手を別の選手が追い越してしまいオブストラクション(スライドバック)の反則。サニックスはPKで再びリコー陣内へ。サニックスがまた攻めるがノックオン。リコーボールのスクラムに。相手のハンドリングエラーに救われるケースが続く。(30分)
スクラムからNO.8松橋周平が持ち出し、サイドを突いて前進。SH山本がハイパント。サニックスが蹴り返すが、インゴールに転がり、WTB山内が落ち着いてグラウンディング。ドロップアウトになる。32分頃、プレーが切れたところでFL武者が戻った。
蹴り合い中心で時間が過ぎていくが、ラインアウトでリコーBKにオフサイド。サニックスは中央40mの位置からPGを狙い成功。10−3。(36分)
前半最終盤、リコーは再開のキックをキープすると10mライン付近でFWがピックゴーを繰り返すと、SOエリソンが敵陣深くのスペースへゴロキック。これに反応したWTB山内とFB小松がチェイス。ボールを拾おうとした相手15番に迫ると、15番はリスクを冒さず蹴り出す。左サイド、ゴール前でのリコーのラインアウトになる。
ここでもラインアウトモールは崩れたが、ラックからのピックゴーで左中間を攻める。じりじり前進すると、最後はFL武者がグラウンディング。力で仕留めて3つめのトライを奪う。CVも決めて17−3。決まったところで前半終了。我慢の時間を耐え抜いたリコーが、リードを広げて試合を折り返した。
NO.8松橋が、チームの個人シーズン最多を更新する10トライを記録
リコーはメンバー入替なしで後半へ向かう。SOエリソンのキックオフ。互いにキックを蹴り合うがリコーが優勢。SH山本が裏の無人のスペースに蹴るとバウンドしてタッチを割る。リコーが敵陣22mラインの内側、深くへと前進する。
さらにサニックスがラインアウトでノットストレート。リコーは左中間、ゴール前のスクラムというチャンス。ここは互角。リコーはボールを出し近場を力で勝負していく。LOポヒヴァ大和がラックの上を超えていく豪快なゲインを見せ、トライライン寸前まで運ぶが、ボールが動かなくなり、リコーボールの5mスクラムに。
スクラムは拮抗。少しリコーが押し始めた瞬間、NO.8松橋が持ち出しサイドアタック。スクラムに集中していたのか、サニックスのFLは対応が遅れ、松橋は難なく抜けてグラウンディング。リコーはボーナスポイント獲得が見えててくる4つめのトライを奪う。これで松橋の今シーズンの総トライ数は10に。これまでのトップリーグでのシーズン最多トライは9で、2010-11シーズンにエリソン(12試合)、2014-15シーズンにポヒヴァ大和(14試合)が記録していたがこれを更新した。CVは不成功。22−3。(7分)
再開後もリコーペース。自陣侵入を許さず、SOエリソンのゴロキックで敵陣深くに入っていく。左サイドのラインアウトからモール。うまく押し込むとサニックスにオフサイド。再度タッチに蹴り出し、執拗にラインアウトモールで攻める。ゲームプランの遂行に全力を傾ける。
今度は左中間インゴールまで押し切ってHO森雄基が3試合連続のトライ。CVも成功。29−3。(12分)リコーはこのトライの後、HO森をマウ ジョシュアに、PR柴田和宏を大川創太郎に入替。
冷たい雨が降り続ける中、試合はボールがハーフウェイを行き来する一進一退の状況に。しかしサニックスが上げたハイボールを追った23番が前方を走るSH山本に肘から衝突、これが危険なプレーと判定されイエローカード。10分間の一時的退出を科された。(16分)
PKで前進したリコーが、22mライン付近でアタック。難しいコンディションの中だが、集中力を保ってボールキープを図る。LOマイケル ブロードハースト、ポヒヴァ大和の闘志は全く衰えず、激しくディフェンスラインに挑んでいくが、サニックスも意地を見せて守る。
22分、リコーはSOエリソンをコリン ボークに、LOブロードハーストをフランコ モスタートに、SH山本をジェイミー フッドに入替。さらに25分にはNO.8松橋を福本翔平に、PR辻井健太を藤原丈宏に入替。福本はFLに、FL柳川大樹がNO.8に。
その後もリコーはしばらく敵陣に居座ったが、ペナルティが重なって前進を許しサニックスがリコー陣内22mラインを越えてくる。しかし、リコーはディフェンスへの切り替えも申し分なく、前に出てプレッシャーをかけていくと、うまく絡んでノットリリースザボール。
PKで前進。すぐにエリアを奪い返し、またも22mラインの内側へ攻め込んだ。危なげない試合運びで残り時間を減らしていくが、トライラインを目の前にしながらトライは獲れない。FB小松に替わりピータース。(33分)サニックスは 15番が牧田へのノーバインドタックルで一時的退出を科された。(35分)
このまま試合が終わるかに思われたが、ホーン後、攻めるサニックスからボールを奪うと、右中間22mラインの手前からSHフッドがゴロキック。インゴールに転がったボールにWTB渡邊が追いついてグラウンディング。CVもFBピータースが決めて36−3。(43分)
リコーが順位争いに影響する可能性もある得失点差を広げる貴重なトライを奪ったところでノーサイド。リコーは気候にも味方され相手をノートライに抑える完勝。ボーナスポイントも獲得し、勝ち点5を積み上げた。マンオブザマッチは、80分間にわたりFWの核として奮闘し続けたLOポヒヴァ大和が選ばれた。
これで7勝7敗、勝ち点を35としたリコーは、5位NTTコム(勝ち点36)、6位トヨタ自動車(勝ち点35)に肉薄。結果次第では両者を上回る可能性も残し最終節に臨むことになる。
最終節は1月14日(土)、福岡・レベルファイブスタジアムで14時から行われるコカ・コーラ戦。“ALL OUT”を掲げて戦ってきたシーズンの締めくくりとなる一戦、リコーの歴史を塗り替える試合にしたい。
「しっかり最後まで8人で押し切るという意識が一番変わったところ」(FL武者大輔)
神鳥裕之監督
今日は雨の中どうもありがとうございました。九州のファンの方に足を運んでいただいたことにも感謝申し上げたいと思います。
リコーとしては先週同様、1つでも順位を上げて、これまで最高の7位を上回る6位に入るベストシーズンにすることをターゲットに置いてゲームに臨んだところでしたので、5ポイントを獲って終われたことには満足しています。選手たちを称えたいと思います。
特にディフェンスで相手にトライをさせなかったという点は狙い通りだったし、スクラム、ラインアウトでも相手を圧倒できたところは準備してきたことができたかなと思っています。悪天候もあり細かいミスは出ましたが、そのあたりは修正して次の試合もしっかりと勝って6位以上で終われるように準備していきます。
(次のコカ・コーラ戦に向けて、チームとしてのテーマは)当然勝利が前提になります。勝利を前提に、内容にもこだわれればボーナスポイントが見えてくる。FWのプレー、特にセットプレーがシーズン後半に入って安定してきていますので、そのあたりを突破口にしてゲームをつくっていきたいと思っています。
【以上共同記者会見にて】
いい勝ち方ができたと思います。スマートに戦えた。ゲームプランとしては、アンストラクチャーの強いチームなので、うちとしてはセットプレーラグビーがしたいと。そういう準備をしていて、ラインアウト、スクラムからセットし、できれば自陣はタッチアウトして、ラインアウトでスタートさせる。個々の力で抜くのではなく、しっかりシェイプ、パターンを意識してシステムを使ったストラクチャーラグビーをするという準備をしていました。
細かいミスや獲りきれないところもありましたので、まだまだトップにいくためには精度を上げないければいけない反省もありますが、今の段階ではいいパフォーマンスだったんじゃないかと思います。
(細かいミスで気になっていたのは)アタックのところですかね。ハンドリングエラー。あとは無用なフィフティフィフティ(リスクのある)パス、オフロードパスはしないというのもゲームプランに掲げていたのですが、雨で濡れた状況の中ではできなかった部分もありました。
(スマートだったというのは、エリア獲得などの部分?)そうですね。タマティ(エリソン)が10番としてキックアウトを使ったりして前に出ていけた。そういったところは豊田自動織機戦などで出ていた反省を改善できたかなというところはありました。
(アタックはおおむね封じた)ディフェンスは本当によくやりましたね。ノートライに抑えましたし。細かく言えば、前半は向こうのミスに助けられた部分もたくさんありましたが、我々がやろうとしていること、チョップタックルで入って、オフロードを入らせないように、3人1組でコネクトしてラインスピードを上げていくという。こういったところのゲームプランはしっかり実行してくれました。こういう天候は我々としてはプラスであったし、相手のやりたいラグビーには辛かったと思いますが、いろいろな意味でうまくいった。
(アマナキの先発、小松のFBでの先発あたりにはディフェンスでの期待も?)ナキは向こうの強いバックスラインに対してインパクトのある選手を置きたかったという理由はあります。小松についてはケガから復帰したばかりのダン(ピータース)のコンディションを考えて入ってもらったという面が強い。小松はSH、SO以外はスタメンしたことあるということだったので、これからはユーティリティバックスということにしてくださいと言っていました(笑)。僕が監督になってからは初めてですね。ただ、経験のある選手だし、パナソニック戦の後半にもやってくれているので、特にプレッシャーはなかったようです。よくやってくれました。
(そしてWTB山内が初の先発。これはキヤノンとの練習試合を見て?)そうですね。Bマッチで結果を出した選手には褒賞、チャンスということで。そういったところでチームにモチベーションをつくっていきたいというのもありました。天候もあって彼のいい部分が生かしにくいところはありましたが、初めてのトップリーグで80分よくやったと思います。来シーズンに向けての収穫ですね。
(順位のかかった、勝ち点を1つでも逃せない局面での新戦力の起用だったが)ここに至るまでに何度かチャンスをつかみかけていたので、これまで全くなかったプランではない。シーズンを通して使うかどうか悩んだ時期があった、そんな立ち位置にいた選手ですから。
次のコカ・コーラ戦はマストウィン。ここに至るまでは内容にもこだわってボーナスポイントというところもメッセージを出していましたが、次はまずは勝つこと。自分たち次第で状況を切り開ける形になってきましたので、しっかり勝つというマインドセットで戦います。プレースキックが必要になってくるのかな。次は。今日はとにかくトライがほしかったのでね。選手とも、コーチとも、しっかり話し合って準備していきます。
FL武者大輔ゲームキャプテン
本日はありがとうございました。目標となる6位、シーズン最高順位を目指す上で絶対に譲れない試合でしたが、FWがしっかり前に出て、セットプレーも安定させて、ディフェンスでも相手をノートライに抑えられたことは収穫だったと思います。ラスト1試合もしっかり勝って目標を達成したいと思います。
(どのような点に注意して戦ったか)サニックスさんは崩れた状態からのアタックを得意としているチームなので、リコーはミスをせずしっかりアタックして、セットプレーで圧倒していくことを意識して戦いました。
【以上共同記者会見にて】
(自信を持って戦っているように見えた)そうですね。しっかりエリアを獲るところは獲って、前に出て、FWはしっかりラインアウトモールだったりピックゴーだったりにこだわって獲るというところは天候を考えたラグビーができたんじゃないかと思います。
しかし、中盤のところで少し焦ってアタックしてしまい、苦しい状況ができていた場面もあったので、そこはもう少し冷静にやらなければいけない。トライが獲れて勝っているからアタックするというのではなく、勝っているからこそ冷静にどこが相手の弱みかを考えないといけない。攻め急がなければもっとよかったのかなと思っています。
(なんといってもラインアウトモール、そしてスクラム)「8人」の意識が変わったというのが大きい。今までは前の5人がしっかり押していて、最初のヒットが終わったら、バックローは球を気にしながら、ボールが出るのはもうちょっとかなと考えて抜いたりしていたところを、しっかり最後まで8人で押し切るという意識が一番変わったところです。相手ボールだったらNO.8のサイドアタックもあるので、そういうのが目に入って抜きがちだったところを徹底的にやろうと。
(コカ・コーラの印象は)オフロードパス、またSOのティモシーラファエレ選手を起点にゲームを組み立ててくるというイメージです。インサイドからしっかりとディフェンスして、インサイドブレイクさえされなければ、いい試合ができると思う。
SH山本昌太
(意識したことは?)こ前節の豊田自動織機のゲームもそうでしたが、しっかりエリアを獲って敵陣でプレーすること。サニックスさんはアンストラクチャーな状況にすごく強いので、なるべくラインアウトだったり、スクラムだったりでプレーを始めようと話していました。キックを蹴るのであればキックアウトするとか、そういったところは80分通してしっかりできたんじゃないかなと思います。
(ディフェンスでは、大きなゲインを許す場面も限られていた)結果的にノートライ。80分間集中してディフェンスできたと思います。(TMOなどで試合が途切れる場面も多かったが)寒さもありましたし、そういうときでも、みんなから「しっかり集中しよう」とか「切らさずいこうとか」とか、リーダーかどうかは関係なく声が出ていたので、集中できていたと思います。アタックではしっかりシェイプをつくり、相手よりも早くセットしていい状態でアタックしようというのをテーマにしていました。前半は風下でしたが、2トライ先に獲れて落ち着いたのはありました。ポイントも狙っていたので大きかったですね。
(最終節、コカ・コーラの印象は)アタックがいいチーム。福岡でのアウェイゲームですし、入替戦の順位もかかっているので高いモチベーションで来ると思う。受けに回らず、チャレンジャーとして戦いたいです。トップ6に入るには勝つしかないので。
WTB山内俊輝(初出場)
天候もあって、個人的には難しい試合になりました。でもチームはプラン通りの勝ち方ができたので、そこはよかったです。(緊張は?)緊張はしなかったです。呼んでもらえたらいつでもいけるように準備はしていました。
(監督、コーチから何か特別な言葉は?)特にありませんでしたが、シンプルに自分の強みを出していこうと考えて試合に臨みました。ボールキャリーとコンタクトプレーですね。そこでは負けないように。ディフェンスでもアタックでも。アタックは正直回数が少なかったし、寒くてボールが手につかないというところもありましたが、ディフェンスは手応えがありました。(通ればトライ?というキックパスも来た)あれは早い段階でタッチを割っていました(笑)。とにかく今日のビデオを見返して、次のチャンスが来たときに備えたいです。もっともっとよくなるように。
(今シーズンは同期のルーキーの活躍が目立っている。焦りも?)特にシーズン前半はかなり悔しい思いがありました。でも、Bチームの試合で結果を残し続けられたので、チャンスがあれば自分が入って変えてやろうと思っていました。(では1つの目標は達成できた)そうですね。でもこれからが勝負だと思います。
FB小松大祐
(FBでの先発は?)途中からFBというのはありましたが、先発は新人のとき以来だと思います。WTBだから、CTBだから、FBだからといって自分のプレーを特に変えることはないので、強いボールキャリーと確実なプレーをするだけです。特に違和感を感じずにプレーできました。(相手に強いランナーも多く、責任は重かったように思うが)雨の試合だったので、とにかくエリアをまず獲る。前回の試合ではなかなかうまく獲れませんでしたが、今日はしっかり獲れたと思います。敵陣でプレッシャーをかけることができた。
(最初のトライ2本はBKだった)天候の影響もあって、FWのところで攻めていくというのが1つのパターンでしたが、その中でも相手がどこに立っているかをBKもしっかり見て、空いているスペースを把握しようというのがしっかりできたからこそのプレーだったと思う。(3トライ差、ボーナスポイントというのはターゲットだったと思うが)とにかく前半から勝負を決めにいこうとしていたので、前半の戦い方はよかったです。
ディフェンスでもしっかり我慢できていました。注意していたのは自分たちのアタックでミスしたあとの、ターンオーバーからのアタック。それも敵陣でプレーしている分には怖くはなかった。(2つトライを獲ったあと、シンビンが出て自陣で守った時間くらい)あそこで我慢できたのは大きかったですね。ディフェンスは自信を持ってできているので、エリアコントロールができれば大丈夫。あと1つ、できる限りのことをしたい。まずは勝たないといけないので。
(個人的にも充実感があるのでは)久々にシーズンを通して試合に出場できています。過去4年間くらいはシーズン中にケガでチームに貢献できない時期があったので、それを取り戻すためにはまだまだやらないと。