【Review】トップリーグ 第12節 vs パナソニックワイルドナイツ戦
2016.12.21
安定したディフェンス、セットプレーから2トライ。まずまずの前半
前節とは打って変わり、風はなく、暖くすらも感じる陽気の秩父宮ラグビー場。第12節のパナソニック戦は、7試合と多くの試合が組まれたこの会場での今シーズンラストゲームとなった。
リコーは、出場が予定されていたキャプテンのLO馬渕武史が急遽欠場となるアクシデントに見舞われたが、リザーブのNO.8松橋周平が先発、FL福本翔平をリザーブに入れて対応した。
パナソニックのキックオフで試合開始。蹴り返しがタッチを割らず、パナソニックがアタック。リコーは強く身体を当てて立ち向かっていく。
ハーフウェイ付近で裏に蹴ったゴロキックがディフェンスに当たり、抜けたはものの勢いが弱まる。これをリコーが確保。初先発のSHジェイミーフッドがキックを上げるとパナソニックがノックオン。こぼれ球を拾ったリコーは反応よく攻めに転じたが、動きが止まったところで笛。リコースクラムに。(1分)
左中間15m付近のスクラムから右へ。中央をSOコリン ボークらが前に出ていく。22mライン突破。右サイドから折り返し、深めのラインを敷いたBKへ。CTB濱野大輔が左中間からゴロキック。FBティム ナナイウィリアムズがチェイスしたが、トライライン間際で相手7番が拾う。これを大外のWTB小松大祐が捕まえ、左サイドのタッチに押し出す。リコーはゴール前ラインアウトのチャンスを得る。(3分)
ラインアウトをキープするとモールへ。いい形で組むと、一気に押し込んでインゴールに持ち込む。最後尾のHO森雄基がトライ。FBナナイウィリアムズが蹴ったCVは右にそれたが、5−0とリコーが先制する。(6分)
再開のキックをキャッチしたリコーはタッチへ。パナソニックはハーフウェイ付近のラインアウトを奥で合わせ、走り込んだ14番が縦に突くサインプレーでアタック開始。しかしリコーは素晴らしい集散で対応する。LOロトアヘアポヒヴァ大和がボールにうまく絡み、こぼれたところを自ら拾ってキャリー。FBナナイウィリアムズがキックを蹴り込み、返しのキックがダイレクトタッチ。リコーは敵陣でラインアウトを得る。
ラインアウトをキープ、左サイドから展開。右サイドでFBナナイウィリアムズが勝負する。絡まれながらも前に出るが、ボールがこぼれる。パナソニックはこれを拾い前方に真っ直ぐキック。SOボークが自陣深い位置で追いつくが、パナソニックのチェイサーが襲いかかりノットリリースザボール。パナソニックはPKで前進。ゴール前ラインアウトに。(9分)
リコーはこれを見事スチール。BKに下げるとキックを蹴り22mライン付近のタッチへ。再度パナソニックのラインアウトに。
キープされたものの、リコーはその後のディフェンスで激しくプレッシャーをかける。パナソニック10番が外へキックパス。これにはSHフッドが対応。ボールを奪うとNO.8松橋がキック。しかしチャージされリコー側に戻ってくる。BKに回し、今度はSOボークがキック。
またもタッチを割らず、自陣でキャッチしたパナソニックがカウンターアタック。中央でクラッシュ、外に回しゲインする。リコーはラックでボールを奪いにいったが、右中間、22mラインを超えた辺りでオーバーザトップと判定されアドバンテージが出る。パナソニックはアタックを続け、10番がハイパント、チェイスした15番とCTB濱野がキャッチにいき、ここは濱野が確保して笛。反則のあった位置からパナソニックがPG成功。5−3。(13分)
リコーは再開のキックを深く蹴り込み、ディフェンスでプレッシャーをかけていく。22mライン付近の攻防となる。一度インターセプトを狙ったタックラーが抜かれて前進を許すが、直後ラックから取り出した9番のキックをCTB濱野がチャージ。自ら拾うとリコーが攻めに転じる。PR柴田和宏、SHフッド、NO.8松橋とつないでWTB渡邊昌紀へ。鋭いステップで7番をかわしかけたが、足に絡まれ倒される。
これに呼応して選手が集まり、ボールを奪い取るパナソニック。8番につなぐと、アタックに意識の向いていたリコーディフェンスの隙を突き、そのまま前に抜けゲイン。
リコー陣内22mライン手前でSHフッドが追いついて止めたが、即座にラックをつくりボールをキープすると展開。右サイドでタックルをかわした7番が抜けると、外を走った14番につないで右中間へトライ。
ターンオーバーからのアタックで明暗が分かれた。CVも決まり5−10。パナソニックが逆転する。(16分)
パナソニックが再度持ち味を生かしたアタックを見せる。再開のキックをキャッチすると自陣からアタックし、オフロードパスをつないで右サイドをブレイク。裏に抜け出すとリコー陣内まで前進する。ポイントをつくると左へ展開。15番から11番につなぐと一気に加速。左中間ゴール前へ。FBナナイウィリアムズがなんとか追いついて止め、タッチに押し出しかけたがプレーオン。パナソニックがトライラインに迫り、ラックに。リコーはギリギリのディフェンスとなったが、集中力を見せる。
少し停滞したが、相手9番は人数で勝っていた外への展開を選択。大外で待っていた14番につなぐと、HO森のタックルをかわし右隅にトライを決めた。CVも決まり5−17。(20分)パナソニックが勢いを見せる。
リコーによる再開のキックの蹴り返しがタッチを割る。リコーは左サイドのラインアウトからアタック。パナソニックの激しいプレッシャーはあったが、なんとか打開しようと粘り強く攻める。
SHフッドが自ら仕掛け、WTB渡邊がギャップに体を捻じ込んで強く前に出る。リコーのアタックに勢いが生まれると、パナソニック14番がパスに手を伸ばしはたき落とす。故意のノックオンでリコーがPKをもらう。タッチキックを蹴り、左サイド22mラインの内側のラインアウトを得る。
これを奥で合わせると、FL柳川大樹が前へ出てゴールが迫る。外に展開。しかし、FBナナイウィリアムズへのパスが相手15番に入ってしまう。パナソニックはインゴールまで下げてタッチキックを蹴る。10m付近まで戻された。
キックを蹴り合う展開となるが、リコーはこれをうまく戦い、敵陣でのプレーを続ける。左サイド、10m付近のラインアウトから攻める。NO.8松橋やFBナナイウィリアムズらがキャリーして食い込んでいくと右サイドへ。WTB渡邊がステップとスピードを生かし、内に切れ込みながら22mラインまでゲインする。
さらにつないで、左中間でまたもFBナナイウィリアムズ。激しいタックルでボールをこぼしたが、渡邊が持ち込んだ場面で、パナソニックにノットロールアウェイがあったとしてリコーにPKが与えられる。
リコーはPKを右サイドのタッチに出し、ゴール前ラインアウトにする。これをキープし、モールからラックに移行。ボールに絡んだパナソニック7番にペナルティ。
もう一度タッチに出し、ゴール前ラインアウト。これもリコーがキープ、モールで押す。崩れかけたが、NO.8松橋、FL武者大輔、HO森が押し切ってインゴールに迫ると、ボールを持った森が低く滑り込みグラウンディング。右隅にトライを決めた。CVははずれたが10−17。リコーが追い上げる。(30分)
前半最終盤は、パナソニックがキックでリコー陣内に侵入、リコーは前にでるディフェンス、ラインアウトでのプレッシャーなどで決定機にさせない。実力伯仲の展開となる。リコーはCTB牧田旦が鋭く飛び出し、パスをインターセプトしかけるなど惜しいシーンもあったがスコアできず。
ホーン後、キックをチェイスしたFBナナイウィリアムズが、ボールをキャッチする前の10番にタックル。中央、ハーフウェイ付近でPKを与えてしまう。パナソニックがPGに成功。10−20となって前半が終わる。
食らいつくリコー。しかしミスをうまくスコアに繋げられ、広がる点差
リコーのキックオフで後半が始まる。リコーにメンバー入替はなし。入りはラン、キックでリコーが優勢。ハイパントをチェイスし、落下地点でパナソニックに入ったボールをオーバー、ペナルティを獲る。うまく敵陣に入ると、ラインアウトからアタック。素早いサポートプレーを徹底。22mライン間近でフラットなパス、深めのパスを織り交ぜながら、粘り強く攻める。
パナソニックもプレッシャーをかけようとするが、リコーはテンポを落とさずフェイズを重ねていく。激しいつばぜりあいのような攻防が約5分続く。
ラックで鋭く2番が絡み、リコーにノットリリースザボール。ここはパナソニックが粘り勝った。PKでハーフウェイ付近まで戻すと、ラインアウトからゴロキックをタッチに出しさらに前進。リコーゴール前へ。
リコーはゴール前ラインアウトをキープ。危険なエリアからの脱出を図るが、反則。再度タッチに出したパナソニックが、ラインアウトからモール。インゴールに達するが、FWが粘りグラウンディングを阻む。右中間の5mスクラムへ。
SHフッドが積極的にレフリーと対話し、判定への適応を試みる。組み直しを経て2度目のヒット。サイドを突いた8番に反応したフッドが前進を阻む。ここにサポートが入りプレッシャーをかけると、パナソニックがボールをこぼす。リコーが拾い、SOボークに下げてキック。パナソニックがこれをキャッチして再度アタックを仕掛けるが、リコーがディフェンス。ノックオンを誘う。
リコーはこれをもう一度拾ってキック。ボールは敵陣10m付近まで飛ぶ。これに反応してラインを上げていくと、相手15番がハイパント。距離は出ずラインのすぐ後ろに落ちてタッチを割るかに見えたが、割らず、リコー側に跳ねる。
これに相手14番が反応。タッチライン際を走り、鋭く駆け寄るとうまく拾ってスピードに乗って抜ける。インゴールまで40m近く走りきって右隅にトライ。素晴らしいディフェンスでペースを握りつつあったリコーだったが、一瞬の隙を突かれた。CVも決められ10−27。(15分)
リコーはここでLOポヒヴァ大和をフランコ モスタートへ、FBナナイウィリアムズを山本昌太へ入替。SHフッドがWTBへ、WTB小松がFBへ、山本がSHに入った。
悔しい失点を喫したリコーだったが、直後にスタンドを沸かせた。10番のキックをキャッチしたFB小松が左サイドをブレイク。巧みなランコースでディフェンスをかく乱、ステップを切り15m付近までゲインする。
これをフォローしたLOマイケル ブロードハーストに渡すと22mラインまで前進。倒されるが、脇に走り込んだSH山本につなぐと裏に抜け、左中間インゴールへ。カウンターからの鮮やかな速攻でリコーがトライを返す。SOボークがCVも決めて17−27。(17分)HO森に替わりマウジョシュア。
再び10点差となり試合は熱を帯びる。リコーは深く蹴り込んでラインを上げ、前進していく。しかし、SH山本が一瞬孤立するとパナソニックが襲い掛かってノットリリースザボール。PKでリコー陣内へ。PR柴田に替わり大川創太郎。(21分)
リコーはラインアウトをスチール。キックを蹴るがタッチには出せず、パナソニックがアタック。右中間10m付近のラックで、ボールを奪いにいったリコーにオーバーザトップ。パナソニックはPGを狙い成功。17−30。(23分)
ハーフウェイ付近のスクラムから展開。中央でSOボークが突破を図る。しかしタックルを受け倒れると、7番が駆けつけジャッカルを狙う。リコーにノットリリースザボール。パナソニックはまたもPGを狙い成功。17−33。(27分)リコーはディシプリンの乱れを、確実にスコアにつなげられた。
リコーはカードを切る。LOブロードハーストを福本翔平に、CTB牧田をアマナキ ロトアヘアに入替。FL柳川がLO、福本はFLに入る。
深く蹴り込んだ再開のキックを、HOマウが拾い前進。いきなりのチャンス。リコーは22mライン付近でボールを回し攻めていく。右サイドタッチライン際をCTBアマナキが突進し力を見せる。再び左サイドまで回すと、SH山本が裏へパントキック。チェイスするがわずかに早くリコーにオフサイド。だが、その前のラックでパナソニックにオーバーザトップがあり、リコーのスクラムで再開。
中央、ゴールまで10mほどの位置からNO.8松橋、SH山本とつないで、右中間のCTBアマナキへ。しかしこぼれノックオン。攻めきれないリコー。
パナソニックはスクラムからキックを蹴り込んでエリアを戻す。リコーは再びアタックを仕掛けるが、ハーフウェイ付近のラックでボールを奪われる。21番がボールを取り出すと、ギャップを突いて裏へ抜け独走。50m以上を走りきって左中間にトライ。CVははずれたが17−38。(32分)
PR辻井健太を藤原丈宏、WTBフッドを長谷川元氣に入替。(34分)
残り時間は少なくなったが、混戦のシーズンだけに1点でも多くスコアしておくことが順位争いにも影響する。リコーは最後まで攻めていく。リスタートキックをLOモスタートがキャッチして猛然と前進。リコーのアタックが続く。守るパナソニックに反則が続き、リコーはゴール前で2度ラインアウトを迎えたが、どちらもうまく確保できずチャンスを逃した。
リコーはボールをキープして、自陣でホーンを迎えたがまだ攻める。しかし、パスが乱れこぼれたところを12番に拾われ、右中間にトライを奪われた。CVも決まり17−45。ここでノーサイド。
点差は開きノーポイントに終わったものの、リコーは最後まで誇りを持って戦い、昨シーズンの王者に対し自分たちのラグビーでぶつかってみせた。激しい戦いとなる残り3試合に向け、自信を得る一戦になったはずだ。次節は12月24日(土)、11:30からの愛知・パロマ瑞穂ラグビー場での豊田自動織機戦となる。
「相手がどうこうよりも、自分たちがパナソニック戦で学んだこと、感じたことをぶつけるだけ」(神鳥裕之監督)
神鳥裕之監督
今日はありがとうございました。秩父宮という我々にとってのホームグラウンドで、パナソニックさんを相手にゲームができたことに感謝したく思っております。
トップリーグの中のトップチームであるパナソニックさんを相手に、持っている力がどれだけ通用するのか、チャレンジできるのか、というところで挑んだ試合だったのですが、完敗です。ミスをトライにつなげられるパナソニックさん、ミスにつけこめずスコアに結び付けられなかった自分たち、そこにまだまだ大きな差があったと考えています。
とはいえ、セットプレーであったり、ラインアウトからのモールなど、ゲームの中ではポジティブな面もたくさんありましたので、残りの3戦はそうしたところを強みにしてチームを立て直していこうと思います。
(ディフェンスではよく止めていた)我々が意図した、ラインスピードを上げてスペースを埋めていくようなラグビーをしたいという点については、60分から70分はしっかり実行できたのではないかと思います。ただ、アンストラクチャーに強いチームですので、ボールキープをしてセットプレーからスタートさせるラグビーをしたかった。それが相手のジャッカルからターンオーバーされるようなケースであったり、しっかりタッチアウトしていたら相手のラインアウトからのスタートにできる場面でタッチに出せず、カウンターからスタートしてしまったり、小さなミスの積み重ねで、相手の強みを発揮させてしまったところが今日のゲームを難しいものにしたと思います。
(FLポーコックの印象は?)2人目のスピードが、通常より1秒くらい遅れただけでボールを獲られてしまっていました。普通ならリコーのボールで出てくるであろうというタイミングでも簡単に絡まれてしまった。力のある選手だというのは上から見ていてもわかりました。
【以上共同記者会見にて】
2連敗ですね。(ただ、成長を感じた試合でもあった)そう思いますよね。それは選手たちにも伝えました。点差ほどの実力差はなくなっていると。昨シーズンの太田での自分たちのパフォーマンスと比べると、明らかに成長していることが実感できた試合だったと思います。後半戦3試合目ですが、その中では僕はこの試合が一番良かったと思う。選手たちはよくやってくれたと思っています。
(良かったところを挙げるなら)まずFWでいえばセットプレーです。かなり高いパフォーマンスを出せていたと思います。ラインアウトモールでトライを獲ったのも今シーズン初めて。前半の入りでいい形でトライが獲れたというのもよかった。45失点しましたが、チーム全体でディフェンスして試合が壊れないレベルでラインスピードを上げて、相手のミスを誘って、チャンスをもらえるようなシチュエーションはたくさんつくれました。ただ、相手のミスを誘発する場面はつくれたのですが、そのミスを生かせなかった。とはいえ、そこまでのプロセスも昨シーズンの自分たちにはつくれなかったので、ここは選手たちの成長を実感するところでもあります。
(特に後半、自陣からキックを蹴り、ラインを上げて前に出ていった。あそこは本来タッチに?)プランとしては、自陣に閉じ込められているときは、必ずタッチに出し、相手のラインアウトからリスタートさせるようなプレーをしようと話していました。ただ、ゲームの中で完璧に実行できる部分は少ない。そうならなかった場合は、ラインを上げてディフェンスを始めていくという、Bプランは実行できていたと思います。願わくは、アンストラクチャーな状況をできるだけつくらないということが、もう少しできればよかったかなというのは反省です。
(後半の入り、攻める時間があった)後半10−20で折り返して、これ以上点差をつけられると苦しくなるので、必ず先にスコアしたかった。反則してくれて敵陣に入っていけて、7、8分くらいの攻防でスコアできれば、ゲームとしては変わったかもしれません。あそこで我々にスコアさせてはいけないとパナソニックが見せた集中力には、我々も学ばないといけない。
(その先に後半最初のトライも生まれた)あれはアンラッキーとしか言いようがない。でも、あの後すぐのプレーで獲り返した粘り強さは、残り3節に向けて非常にポジティブな部分です。
(接戦を落とした後、強いチームとの対戦。難しい試合だったが、引きずらずに戦えた)ずるずると引きずってしまうチームではなくなってきたのは指導していて感じるところです。次に向けてしっかり準備をする。自分たちのスタンダードをもう一度高める。選手たち同士、またコーチングスタッフを含めて話をして、チームのプランを確認していく。そういうサイクルができてきている。
(選手起用ではSHジェイミー フッドの初先発、山本昌太の復帰などがあった)今日はジェイミーが本当によくやってくれました。個人的にはマンオブザマッチをあげたいです。持ち味を生かしてくれた。パスなどスキルの部分は苦労している部分もありますが、献身的なプレーで補ってくれています。ディフェンス、特にタックルであったり、ブレイクダウンのサイドに自ら持ち込んでいくプレーですね。チームにとって大きな収穫。褒めてあげたい。日々の姿勢が結果的に身を結ぶのだと。結果を出させてあげたいと思う選手ですね。
(SH山本は久々の試合だったが)彼は経験もありますし、心配は全くしていませんでした。チームのリーダーとしてしっかりやってくれた。彼が戻ってきたのもプラスですね。チーム内の競争が激しくなってきたことで、与えられるタイミング、時間で、必ずチャンスをつかむんだという意識を選手が持つようになってきていると感じています。
(次は調子を上げている豊田自動織機戦)相手がどうこうよりも、自分たちがパナソニック戦で学んだこと、感じたことをぶつけるという気持ちで臨みたいと思います。
FL武者大輔ゲームキャプテン
小さなミスが勝敗を大きく分けたのかなと思っています。自分たちのやろうとしたことが通用したというのは、次節に向けてプラスの材料だと思うのですが、ミスから失点してしまっているというところは改善して、残り3試合を戦いたいと思います。
(ミスをつなげられたというのは?)ミスをして、アンストラクチャーなところからアタックをされて、ファーストタックルを決めきれずオフロードをつながれて……という流れになってしまった。ミスをした後のリアクションを速くして、1対1でしっかりタックルを決めることがまず大事だと感じました。
(FLポーコックの印象は?)ワールドクラスの選手だけあって、ブレイクダウンでの球への嗅覚だったり、激しさ、しつこさは予想以上だった。オーバーにいっても1人では絶対倒れない、2人、3人かかってようやく倒れる。それでブレイクダウンで時間をかけさせられました。僕らのオーバーが悪かった面もありましたが、ブレイクダウンでの存在感は大きなものを感じました。
【以上共同記者会見にて】
相手にミスが出て、それにつけこもうとしましたが、攻めあぐんでしまって、どうしようという場面が何度かあった。同じような展開でスコアできたのがパナソニック。できなかったのがリコー。
(ターンオーバーされないための対策のようなものは)まずは2人目の寄りを速くすること、それからできるだけFLポーコック選手のいないところを攻めるというような考えでした。しかし、ボールに対する嗅覚が鋭く、ラックでのプレーも巧みで、なかなかそうもいかなかった。ボールから手を離していないように思う場面もありましたが、それも自分たちが2人目の寄りをもっと速くしていれば避けられた場面はたくさんあった。
PR柴田和宏
先発は久しぶりです。今シーズン初ですね。(セットプレーは安定していた)そうですね。事前の分析では、もっとプレッシャーをかけられそうな印象でしたが、うまくいかないところもありました。(ターンオーバーからのアタックという強みは発揮されてしまった)ブレイクダウンでプレッシャーがかけられてしまった。クリーンに球が出なかったり、逆に球を獲られてしまったり、ラックに人数をかけてしまっていた。それでディフェンスのシーム(継ぎ目)を突かれてしまった。警戒はしていましたが、実行力に問題がありました。
展開としては、後半の入りで一本獲れていれば違う展開になっていたと思います。結果はでませんでしたが、昨シーズンとは全く違う手応えがあります。2試合負けていますが、下は向いていられない。個人としても、チームとしても、自信が生まれつつあるので、それをさらに大きくしていけるように。次は絶対勝ちたいです。
HO森雄基
FWとしてはセットプレーがよくて、いい試合ができました。しかし、ボールキープのところで反則を犯したり、ミスが出たりして相手にボールを奪われ、トライを獲られてしまったという場面がありました。
(アタックについては?)チャンスは何度かありました。焦っていたのか、ターンオーバーでマイボールになったときなど、ディフェンスがいないところを攻めるべきなのですが、ワイドにいかず突っ込んでしまった。それで孤立して相手にボールを渡してしまったこともあった。強いチームとの試合では限られたチャンスを生かさないといけない。細かいコミュニケーションが不足して、自分たちのプレースタイルができなかった場面があったのは残念。
(後半の入り、いい流れがあった)あそこで我慢しきれず獲られてしまったのが今日の敗因。ただ、点差が開いてもまだ戦えるぞという雰囲気が今年はある。ペナルティを奪ってゴールを決めたり、ゲームコントロールの部分であったりは、相手がうまかった。
(残り3試合への収穫は)FWのセットプレーは本当によかったので自信になりました。FWからどんどんいこうという雰囲気になっています。もう負けられない。(個人としても、今シーズンは充実しているのでは)昨シーズンは初戦で怪我をするなどいろいろありましたが、今シーズンは調子よくやれています。
LOロトアヘアポヒヴァ大和
ヤマハ発動機戦以来の先発。アピールタイムをたくさんもらえたので、チャレンジャーとしてチャンスでは思い切ってやろうというのは考えていました。
(セットプレーは安定していた)できるだけパナソニックのセットピースを崩していきたいというのは、ターゲットとしていました。(モールトライも)今までの試合はあまりチャンスがありませんでしたが、今日はたくさんチャンスの場面があり、結果が出せてよかった。チームの力は上がってきている。
課題は、自分たちのミスがトライにつながってしまっていること。それは修正しないといけませんが、これまで通りの準備をしていけば、力は発揮できると思う。
WTB渡邊昌紀
(久々のチャンス)正直に言うと、試合に出られない悔しさはありました。チームがいい状態であることはうれしくも、悔しくもあった。でも、自分が出られたときにはいいところを見せようという気持ちはキープできていました。
外のスペースに振って、外にボールを出して、そこを起点にというプランだったので、ボールが回ってきたときにはしっかりと役目を果たそうという意識はあったのですが、内側にキャリーしてしまってターンオーバーされたり、実行力が足りていないところがありました。
(FLポーコック選手に絡まれた場面も)はずしたと思ったのですが、足首だけつかまれていて、すくいあげられてしまった。経験したことのないディフェンスでした。ただ、昨シーズンもパナソニック戦は出場しましたがそのときと比べ、今シーズンは自分たちもやれている。通用しているという実感がありました。
(ラスト3試合。試される局面だが)雰囲気は悪くない。残りは絶対勝って締めくくろうという気持ちです。チームはやれるぞという気持ちになっていると思います。