2014-2015 トップリーグ 1stステージ 第2節 vsキヤノンイーグルス戦
2014.09.03
ブレイクダウンでの激しい戦いで受けに回る
キヤノンイーグルスとの対戦となったトップリーグ第2節は、秋の気配を感じさせる涼しさの秩父宮ラグビー場での開催。
キヤノン10番のキックで試合開始。直後から互いのSO同士がキックを蹴り合い、エリア獲得を狙っていく。SOコリンボークがようやくタッチに蹴り出すと、ハーフウェイライン付近のラインアウトからキヤノンが攻める。しかし、蹴り込んだキック後の選手の飛び出しが早くオフサイド(2分)。
ほぼ正面、10mライン手前からの長いPGをFBピータースダニエルがぎりぎりで届かせて成功。リコーが先制、3−0とする(3分)。

再開後、ハーフウェイライン付近からWTB小松大祐がランでゲインを狙うと、8番が首に手がかかるハイタックルの反則。左中間、10mライン付近からのPGを再びFBピータースが決めて6−0とする(7分)。
ハーフウェイライン付近でボールを回すキヤノンに対し、飛び出していったCTB山藤史也が猛然とタックル。相手を倒しリコーはボールを奪いにかかったが、後続の選手がラックに横から入ってしまいオフサイド。ペナルティキックを蹴られ、ゴール前ラインアウトにされる。
キヤノンはボールをキープするとモールで押し込む。右中間を進み、ライン間近で6番が鋭く飛び込んでトライ(10分)。CGも決まり6−7とキヤノンが逆転する。
リコーはキックと精力的なチェイスでプレッシャーをかけ、敵陣でのプレーを続ける。左中間、ゴールまで約10mの位置でスクラムを得ると展開。右サイドをWTB渡邊昌紀が突くとキヤノンに反則。タッチに蹴り出しラインアウトにすると、これをキープしモールを組む。そのまま右隅インゴールまで押し込んでLOロトアヘアポヒヴァ大和がトライ(18分)。リコーはCGも決めて13−7と再逆転した。
さらに再開直後、FL武者大輔の突破に対しキヤノンが反則。左中間10mライン手前の位置からPGを狙い成功(21分)。16−7と着実に点差を広げた。
リコーは自陣でのキヤノンのラインアウトをうまく弾きスチールしかけたが、ボールを持ったNO.8マウ ジョシュアに6番が激しく絡みノットリリースザボール。タッチキックでゴール前ラインアウトにされると、一番手前の選手に合わせるサインプレーからのモールに対応できず、またも6番がトライ(23分)。CGも決まり16−14。

リコーはキックオフからプレッシャーをかけ、さらにNO.8マウの突破で攻め込む。しかしボールがこぼれターンオーバー。逆に自陣22mライン付近までボールを運ばれる。戻ってディフェンするがオフサイド。リスタートでさらにゴールライン間際まで押し込まれると展開され右中間にまたも6番がトライ(27分)。CGははずれ16−19。
前半の終盤はキヤノンペース。リコーはブレイクダウンで受けに回る場面が続く。自陣で耐えていたが、左中間のラックから展開したキヤノンがパスでディフェンスを崩し15番が右中間にトライ(36分)。CGも決まり16−26。
リコーは前半終了間際、22mライン手前でFLマイケルブロードハーストが10番を捕まえ、ノットリリースザボールを奪う(39分)。ここでトライを狙い、タッチに蹴り出しゴール前ラインアウトにしたが、激しいディフェンスにボールをこぼし前半が終わる。
果敢に攻めた後半。22mライン内のアタックで我慢できず
10点差を追いかけるリコーは交代なしで後半へ。前半の終盤同様キヤノンの攻勢が続く。ハーフウェイライン付近からボールを回しアタックを仕掛けたキヤノンは、13番がスピードに乗りリコーのディフェンスを突破。追いついたCTB山藤が13番のパスをカットしかけたが、フォローした6番がこぼれたボールを直接右中間にキック。インゴールに転がるボールをWTB小松と再加速した13番が追いかけ、デッドボールラインぎりぎりで両者がボールに手をかける。テレビマッチオフィシャル(TMO)による確認の結果、13番のグラウンディングが認められトライとなる(6分)。CGも決まり16−33。リコーはこのトライの直後、SH山本昌太に替えて中村正寿を送る(8分)。

スコアしていくしかないリコーは、キックオフから猛攻を仕掛ける。縦の突進を繰り返し、ゴールまで5mの位置まで攻め込む。しかし、ペナルティキックを蹴り出して得たラインアウトでボールを失い、タッチキックを蹴られ後退(11分)。
WTB渡邊のカウンターを起点にもう一度アタックを仕掛ける。グラウンドをワイドに使ったアタックで再びチャンスとなるが、22mラインの内側で集中力を保つキヤノンの激しいディフェンスを受け、ラックで手を使うハンドの反則(13分)。ペナルティキックでエリアを奪い返されリコーはチャンスを逃す。ここでLO馬渕武史に替えて柳川大樹(15分)。
それでも攻めるリコーはフェイズを重ね、またゴール前へ。右中間のラックから展開し左サイドタッチライン際をNO.8マウが突く。さらにWTB小松につないで粘るが、密集でボールはキヤノンへ入りトライならず(19分)。リコーはここでHO森雄基を滝澤佳之に、SOボークを徳永亮に、CTB山藤をタマティ エリソンに交代(20分)。
リコーペースは続き、敵陣中盤でボールを動かしていく。キックで戻されても、果敢に攻める。自陣10mライン付近、左サイドでボールを受けたWTB小松がラインブレイクし、さらに最終ラインの裏へゴロキック。自分で拾えればトライチャンスという場面をつくったが、追いつきながら惜しくもこぼれる(23分)。
さらに右中間をNO.8マウ、CTB小浜和己、HO滝澤らが突いて10mラインの先にラックをつくると、LO柳川がディフェンスの一瞬の隙を突いてボールを持ち出し前に抜け出す。そのまま独走し右中間にトライ(29分)。CGははずれたが21−33。12点差で残り10分を戦う展開となる。

SO徳永が攻守で思い切りのよいプレーを見せ、状況の打開を図っていく。集中力を切らさずプレーするキヤノンも退かず一進一退となる。リコーが自陣10mライン付近のスクラムを落とす。反則を取られ、ほぼ正面の位置からキヤノンがPGを狙うがこれははずれる。ここでリコーはPR大川創太郎に替えて松本友介(36分)。
あと1トライで7点差となり、ボーナスポイントが得られる状況でもあり、リコーはあきらめず攻め続ける。CTBエリソンが果敢に縦に突き続けディフェンスを引きつけると展開、LO柳川からWTB小松につなぎ左サイドを突破。うまいコースどりでディフェンスをかわすと、フォローしたHO滝澤につなぐ。滝澤が倒されるとCTB小浜がサポート。意地のボールキープで22mラインの内側へ攻め込んだ。
ここでキヤノンに反則。タッチに蹴り出しゴール前ラインアウトからモールでトライを狙う。これは崩れたが、右中間でラックから縦の突進を繰り返す。ホーンが鳴り、ゴールラインまで1mを切ったあたりでの攻防が続いたが、最後はショートサイドに展開したリコーにノックオン。ここでノーサイドの笛が鳴った。
前半の入りをうまく戦い、後半は長く敵陣に入り続けアタックを仕掛けたリコーだったが、21−33で敗れ、これで開幕2連敗となった。
「ハングリーさが足りなかった。ラックに入る、痛いところに頭を入れるとか、そういうところで相手より遅かった」(FBピータース ダニエル)
神鳥裕之監督
多くの方々に足を運んでいただき、今日はありがとうございました。初戦悔しい敗戦をして、その悔しさをぶつけて必ず勝とうと言って試合に臨みました。しかしセットプレー、特にラインアウトでプレッシャーを受けてしまいゲームをコントロールできませんでした。そこが一番の敗因だったと思います。ただ下を向いている時間はないので、次の近鉄戦に向けてしっかり切り替えていきます。【以上共同記者会見にて】
初戦セットプレーで苦戦しましたが、全体のパフォーマンスは悪くなかったので、メンバー的には同じ選手をそのまま使いました。ただ、神戸製鋼戦での課題がうまく修正しきれなかったのはあり、それは大きな反省点です。
(PGを重ねて、トライを獲られた後すぐ獲り返した)あそこの時間の使い方は満足しています。簡単に獲られたのはよくなかったのですが、いい流れでした。ただ2本目のトライをトリッキーな形で獲られて、ディフェンスの歯車が狂い出した。それで流れを変えられませんでした。
(ディフェンスについてはハーフタイムで指示を?)ディフェンスのブレイクダウンでリアクションスピードが相手のほうが速かったので、なかなかスローボールにできない状態が続いていた。あそこでのファイト、2人目の反応を徹底しました。
(後半、メンバーを替えたあたりからボールが動かせていたが?)徳永とタマティをどこで入れるか。結果的にはもう少し早くてもよかったのかなとは思っていますが、これは難しい。終わってみて言っていることなので。
(SO徳永が初出場。アタックでいい展開をつくっていた)よくやったと思います。パスでゲインラインを切ったり、持ち味を発揮してくれた。限られた時間の中で彼の仕事をしてくれたかと思う。(馬渕の柳川への交代があったが?)馬渕はワークレートが高く80分間戦える選手。ただ、今日はラインアウトでかなり苦戦していたので少しでも身長の高い選手を入れたいと考えました。
WTB小松大祐キャプテン

今日は両チームのファンの素晴らしい応援を受けてプレーさせてもらえたことに感謝します。試合ですが、前半の入りはいい形で入れて、自分たちのペースをつかみかけたのですが、簡単にトライを獲られてしまい、相手の勢いが上回る形になってしまった。後半は修正できた部分もあったんですが、チャンスでセットプレーのミスがあったり、ブレイクダウンでのリアクションスピードで相手が勝っていたところがありました。次の試合はセットプレーの安定と、ボールキャリーに対するリアクションスピードを上げていきたいです。【以上共同記者会見にて】
「開始10分」をうまく戦うことについては、フォーカスしていました。そこはよかった。ただ、簡単にトライを与えてしまったので、もう少し我慢してディフェンスできればよかった。
(アタックはリコーらしさも見えたが?)22m入ってのボールキープができなかった。あとはスローボールにされてからの戦い方で反省点があります。相手にビッグヒットされるようなアタックになってしまったので。とにかく22mには入れるので、入ってからも我慢してアタックを続けたい。
HO森雄基

悔しいですね。前半でやられた感じ。ブレイクダウンのところで後手に回った。自分たちのミスで首締めたのかな。相手が変わったことやってきたわけじゃない。頭でわかっているけど、身体がついていかなかった感じですね。次の試合は、ブレイクダウンで相手より速くいくことを徹底したいです。
SO徳永亮

あの時間帯で入れてもらって、点差で負けていて。タマティと一緒に入ったので、バックスとしてどうにか流れを変えようと考えながらプレーしました。
相手が空いているところにボール運べた部分もあった。もうちょっとエリア獲りにいってもよかったのかなとも思いますが、迷ってプレーしてわけではない。(かなり攻め込んだが、なかなかディフェンスが破れなかった)22m入ったらボールキープしてフェイズを重ねるという練習を続けてきましたが、今日は自分たちがミスしてしまっていた。フェイズを重ねればどこかに穴は空くと考えている。
CTB山藤史也

観たままだと思います。受けてやられた。ブレイクダウンもぐちゃぐちゃにされたし、いろんな局面でプレッシャーを受けて自分たちのアタックができなかった。ディフェンスやアタックのミスから得点されてしまった。後半は攻めていたけれど、クリーンなボールが出ていたわけではないので。トライの数、また崩されて獲られたトライもあったので、今日についてはやられてしまった感じがあります。
FBピータース ダニエル

今日はキヤノンのほうが、ハングリーだった。僕らはハングリーさが足りなかった。ラックに入る、痛いところに頭を入れるとか、そういうところで相手より遅かった。ミスも多くて相手にプレッシャーかけられなかった。次の試合は、ハングリーに戦う。そしてミスを減らします。