2007-2008 トップリーグ 第8節 対 ヤマハ発動機ジュビロ

2007.12.28

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満身創痍だった。

FL伊藤鐘史主将、HO滝澤佳之副将に続き、ここ2試合左肩痛を耐え続けていたFB小吹祐介に、こちらも練習中に肩を痛めたCTBブライス・ロビンスが欠場。トップリーグ第8節、ヤマハ発動機ジュビロ戦に臨むブラックラムズには、あまりにも負傷者が多発していた。

冬の大雨に見舞われる磐田市、ヤマハスタジアム。ブラックラムズは前半20分間こそPG合戦で3対6と粘った。しかし前半22分のLO澤田昇のトライを許すと、その後続けざまに6トライを奪われてしまう。

FL後藤慶悟が「張られていましたね」と振り返るように、課題だったラインアウトは今日もターンオーバーを多発。BK陣にボールが回っても、「パスミス、ノックオンをしてしまった」(この日はFBに入った河野好光副将)ことで、スピード感ある攻撃は影を潜めた。

ノーサイドの瞬間、スコアは3対58。

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ベンチコートを羽織って会見場にやってきた河野は、肩を落としてこう言った。

「モールからの展開というシンプルなプランだったのですが、肝心のラインアウトが上手く行かず、BKでもミスが出てしまって、守備でもタックルを外され、完敗という内容でした」

 これが2007年最後の一戦の総意。ここまでの獲得ポイントは5で暫定順位は14チーム中13位である。掛川駅へ向かう帰りのバス、携帯サイトで他会場の結果を調べる選手たちの会話には、当然のごとく危機感が渦巻いていた。

その輪のなかで、ある選手はつぶやいた。

「次の試合、絶対に5ポイント取らないとなぁ」

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場面は少し戻って、試合直後のファン交流会。

スタジアム横の体育館に選手が集まり、地元のファンの方々と直接触れ合う機会が設けられた。人気はやはり地元・ジュビロのCTB大西将太郎。W杯で殊勲の同点ゴールを決めたヒーローの元には、老若男女問わず長蛇の列ができ、遠巻きに見る他の選手は「すげぇ、芸能人じゃん」と口を開ける。もちろん、“アウェー”の扱いだったブラックラムズの面々も、小学生のファンにサインを求められていた。

そのなかで、佐藤監督に前半戦の総括を聞いた。

「前半は強いところ(昨季上位チーム)と戦う日程だったから、ボーナスポイントを取ろうとアタックに力を入れてきた。ただ、そこでディフェンスへの意識が薄くなったのが反省ですね。残り試合は、セットの安定とディフェンスの修正をしていきたいです」

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逆に、収穫は。

「スクラムはまぁ、いいかなと。あとはトヨタ戦で崩壊したモールディフェンスが1週間で修正ができたこと。役割を明確にしたんです」

次戦に向けては年をまたいでの準備となる。

「うまく行っていない流れを、どうやって断ち切るか……。一戦一戦闘っていくしかないと思います」

雨を落とす夜空に向かって、伊藤鐘史主将はこう言葉を向けた。

「……やるしかない!」

1月5日の三菱重工相模原ダイナボアーズ戦を皮切りに、残り試合すべてが天王山である。

(文 ・ 向 風見也)

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バスツアーで応援に来て下さった方々と、ファンとの交流会の模様

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