ブラックラムズアカデミー菅平合宿 実施レポート
2024.09.25
ブラックラムズ東京が運営する「ブラックラムズアカデミー」では、2024年8月2日~4日の2泊3日でアカデミー初となる菅平合宿を実施した。東京サンゴリアスアカデミーと合同で開催したこの合宿は、ブラックラムズアカデミーU-12クラスから14名、U-15クラスから12名、合計26名の参加となった。
今回の合宿は、普段とは違う場所で時間を過ごし、新たな仲間とともに切磋琢磨する中で「協力・挑戦・リーダーシップ」を大切にしながら、「世界に通用する真のラグビーパーソンになる」が目標。1日目はグループに別れてのチームチャレンジと交流会、2日目はチームチャレンジに加えてタッチフット交流戦とラグビー交流戦、振り返りや情報共有のミーティング、3日目は最後のチームチャレンジと特別ルールタッチフット交流会、表彰式を実施した。
3日間を通して、コーチ陣からはラグビー以外の時間も多くの声掛けがあった。ミーティングの開始時間は文字通り「開始時間」であり、始める準備ができているように行動すること。食事の前の「いただきます」では、食事を作ってくれた宿の方々だけではなく、早く来て配膳を手伝ってくれたメンバーへの感謝も伝えた。近くに体調の優れない仲間がいたら、声をかけてコーチに連絡した。最初は散らかったスリッパや忘れ物を注意されていたこどもたちも、徐々に意識に変化が起きた様子。特に部屋長を務めた中学生たちは年長者としてのリーダーシップを発揮し、同室のメンバーの荷物にまで配慮を怠らなかった。小学生たちはその姿を見ることで様々な気づきが多かったに違いない。
2泊3日の短い期間であったが、全員が「真のラグビーパーソン」に近づいた合宿だった。
ブラックラムズアカデミー合宿 概要
【日程】2024年8月2日(金)~4日(日)
【場所】菅平高原(長野県上田市)プチホテルゾンタック
【参加人数】ブラックラムズアカデミー 26名、東京サンゴリアスアカデミー 35名
【参加コーチ・スタッフ】
・ブラックラムズアカデミー:武川正敏(アカデミーコーチ)、大山大地(アカデミーコーチ)、田沼広之(アンバサダー)、牧田旦(OB)
・東京サンゴリアスアカデミー:平浩二(アカデミーコーチ)、鈴木徳一(アカデミーコーチ)、長友泰憲(普及兼プロモーション担当)、真壁伸弥(パートナーシップ担当)
・笑顔道
▼ダイジェスト動画
合宿1日目
1日目の練習は、午後からスタート。オリエンテーションではコーチ陣が、合宿のゴールである「真のラグビーパーソンになる」や、達成のためのポイントの「協力・挑戦・リーダーシップ」を説明し、マインドセットを実施。その後各グループにわかれてのディスカッションやオリジナルのハカ披露を通してチームワークを高めた。
ジムのチームチャレンジは、 ローイング・ワットバイク・クライマーとリレー競争からなるグループごとの「アルティメットチャレンジ」。ハードな種目でも、ともに声をかけあい励ましながら限界に挑戦した。
夕食後の交流会では、ブラックラムズ東京・田沼広之さん(日本代表42キャップ)と東京サンゴリアス・真壁伸弥さん(日本代表37キャップ)が、各チームの歴史や日本代表として戦うマインドのレクチャーをおこなった。特にお二人からの「(強くなるためには)必ず振り返りを行う」という言葉は、合宿を通じて生徒たちを成長させるきっかけになっただろう。普段聞くことのできない貴重な話に、生徒たちは終始目を輝かせていた。
合宿2日目
朝6時から始まった早朝トレーニングは、「パスターゲット」「ハイパントキャッチ」「ゴールキック」のグループ対決。声を出しながら、その後のタッチフット交流会・ラグビー交流会に向けてしっかりとチャレンジしていた。
朝食後は小学生5チーム、中学生4チームに分かれてのタッチフット交流会。ウォーミングアップをおこなった後、小学生チームからゲームが始まった。普段ともに練習に励むアカデミー仲間との対決はもちろん、東京サンゴリアスアカデミーとの対戦は生徒たちにとって貴重な体験となった。夏の菅平にはトンボが飛び交っており、生徒たちの肩や頭に時折トンボがとまる様子が見られた。
昼食後はいよいよ待ちに待ったラグビー交流戦。ブラックラムズアカデミーの生徒たちは、試合前に大広間に集合した。そこで目にしたのはきれいにたたまれた2023-24シーズンの1stオーセンティックジャージ。ブラックラムズ東京の選手たちがリーグワン公式戦で着用したのと同じジャージである。
武川コーチよりジャージに込められた意味、チームの代表としてジャージを着る意味が語られ、ひとりずつジャージを手渡しする「ジャージプレゼンテーション」がおこなわれた。最初はジャージを見てはしゃいでいた生徒たちも、名前を呼ばれてジャージを受け取る時は表情を変え、ジャージの価値を感じていた。
いよいよジャージを着てのラグビー交流戦。どことなく自信に満ちた表情の生徒たちがグラウンドへやってくる。この日の交流戦には東京サンゴリアスアカデミー・平コーチのご尽力により、同志社香里中学校(大阪府寝屋川市)が参加してくださった。中学生はブラックラムズアカデミー・東京サンゴリアスアカデミー合同のU14チームとU15チームを結成。初めてチームを組むメンバーと、初めて対戦するチームとの試合をおこなった。限られた時間の中でチームワークを高めるために協力して試合に挑んだ。
この日は東京から応援に来てくださった保護者の方も多く、ジャージを着て元気にプレーするこどもたちの様子を見ていただく良い機会となった。
夕食後は、大山コーチのもと、1日目の夜に聞いた話で大事に思ったこと、学んだこと、自分で生かしていきたいことなどを中心に、各アカデミーでまとまらずにグループを作って共有し紹介し、自身の振り返りを更にアップデートしていた。
合宿3日目
早朝トレーニングでは、ボール運び・変則ムカデ競争・段ボール雑巾がけリレーなどのチャレンジを実施。ムカデ競争では、先頭と後ろで離れやすかったり、少ししか進まずフラストレーションがたまっている様子も見られたが、「辛いこともある中でも継続していくとゴール(目標)に近づく」ということを学べたのではないかと思う。最後のタッチフット大会では、いつものラグビーとは違ったルールを追加。そのルールをメンバーで話しあって戦略的に使うプレーなどの工夫・成長も見ることができた。基本的なラグビーのルールは同じでも、その日の状況に適応するという力や皆で協力して作戦を立てるという力に繋がったのではないかと思う。
3日間のチームチャレンジの結果は、小学生チームはゴリラーズ(東京サンゴリアスアカデミー)、中学生チームはコピーラムズ(ブラックラムズアカデミー)が優勝した。優勝チームは、初日にチームで作ったハカを踊り、勝利に花を添えて合宿を終えた。
ブラックラムズアカデミー 武川正敏ヘッドコーチコメント
アカデミーを立ち上げた当初より「アカデミーメンバーで合宿を」という想いを持っていました。これまでも夏に一般募集のメンバーを迎えての練習会などを行ってきましたが、今年度は東京サンゴリアスアカデミー様の呼びかけもあり、いつもの仲間だけでなく環境も普段とは違った中で活動することで、生徒達の成長に繋げようとの想いで実施を決断しました。
ゴール達成に向け、普段とは違った練習環境となるよう双方のスタッフでトレーニング内容を考えたり、小学生・中学生を混ぜた部屋割りにしたりと、様々なイベントを企画を考えました。時には目標を達成するために自分達で方法を考えたり、辛くやりたくないことも我慢して取り組まなければならないこともありましたが、皆チームで協力したり励まし合うことでゴールに向かって進み続け、チャレンジを達成してくれました。
特に印象に残ったことがあります。チームチャレンジやトレーニングなどでは小学生・中学生分かれての行動となっていましたが、生活を共にすることで食事も学年関係なく隣り合ったり、ミーティングでは学年だけでなくアカデミーを越えてグループを作っていたりという場面が見ることが出来たことです。自然とその場の状況に対応することが見れたことで、目標に近づいていることを実感することが出来ました。
今回の経験をどう活かしていくかは、それぞれの生徒によって変わってくるかと思いますが、これからの生活に何か良い変化に繋がることを期待しています。引き続きアカデミー生の皆さんが心身ともに成長できるよう、我々スタッフも努力していきたいと思います。
最後に、今回の合宿開催においては、プチホテルゾンタック様、東京サンゴリアスアカデミー様、アカデミースポンサー・CTC様、保護者の皆様の多大なるご協力のお陰で無事終了出来ました。この場をお借りし御礼申し上げます。ありがとうございました。